釉を構成するシリカ(主に長石)や酸化アルミニュウムを、より低い温度で熔かす為に、CaO3
やNa2CO3、K2Co3、MgO等の物質を熔融剤として混入するのが一般的です。
尚灰釉も各種灰を主原料にしますが、灰の中には上記物質が複合的に含まれています。
更に釉に色を付ける為に、各種の金属(顔顔料)を混ぜ好みの色釉を作ります。
金属の発色は、酸化還元などの焼成方法によっても違いが出ますが、同じ金属でも熔融剤の違
いによって発色に違いがある事は、以前より知られている事実です。
1)色釉は酸化焼成が一般的です。
ある種の金属は還元焼成によって、全く発色しなかったり、発色が悪くなります。場合に拠
っては全く異なる色に成るからです。尚、市販されているその様な釉(多くの釉では、酸化
還元に関係なく発色場合もあります)には、窯の雰囲気が酸化焼成か還元焼成でする様に
注意書きが付いています。
例えばピンク釉を掛けても、還元では全く発色せず透明釉の様になる事もあります。
マンガンを着色剤で使う場合、還元焼成では、汚い灰色になりますし、銅は酸化では緑色に
なりますが、還元では美しい赤色(辰砂色)に発色します。
尚、陶芸では、還元焼成が好まれる傾向にあります。還元焼成で思っていない色に焼き上が
る事が多いからです。又酸化焼成と異なり色の変化が大きく、窯を炊く度に表情が変化しま
す。還元焼成でえ安定的に発色させるのは、極めて難しいです。
2) 色釉を作る場合、窯の温度範囲内に収まっていないと、色が飛んでしまいます。
低い温度では、釉が十分に熔けず、高過ぎる場合には、金属が蒸発したりして、色が出ま
せん。市販の釉では、焼成の推奨温度が明示されています。但し、SK-7(1230℃)sk-8
(1250℃)と表示されている場合もあります。
3)色釉には、厚く掛けるないと所定のお色に発色しない場合と、薄掛けるの方が良い色に
発色する釉があります。この場合、厚掛けすると、色は濃くなります。更に厚掛けすると
汚い色になる物さえあります。
4)カリ(K2O等)は長石系の釉では、最も使われる熔融剤です。
ナトリウム(ソーダ)と置換でき、ほとんど同じ様に作用しますが、カリの方が若干熔け
易くなり、光沢も増します。更にカリの方がソーダよりも安定した発色になります。
カリとソーダでは、金属によってわずかながら色の差がでます。
金属 カリ ソーダ
銅 空色青 トルコ青
クローム 草緑 黄緑
コバルト 青(草色っぽ) 青(緑色っぽい)
マンガン 暗黄 紫
鉄 帯褐黄色 褐色
5)長石の種類を変えると発色が変化するのは、カリ長石とソーダ長石の違いによります。
又、ソーダはアルカリ類(塩基成分)の中で最も熱膨張率が大きい為、多量に混入すると
貫入(ヒビ)が入り易くなり、更に、風化による耐久性が減少します。
以下次回に続きます。
やNa2CO3、K2Co3、MgO等の物質を熔融剤として混入するのが一般的です。
尚灰釉も各種灰を主原料にしますが、灰の中には上記物質が複合的に含まれています。
更に釉に色を付ける為に、各種の金属(顔顔料)を混ぜ好みの色釉を作ります。
金属の発色は、酸化還元などの焼成方法によっても違いが出ますが、同じ金属でも熔融剤の違
いによって発色に違いがある事は、以前より知られている事実です。
1)色釉は酸化焼成が一般的です。
ある種の金属は還元焼成によって、全く発色しなかったり、発色が悪くなります。場合に拠
っては全く異なる色に成るからです。尚、市販されているその様な釉(多くの釉では、酸化
還元に関係なく発色場合もあります)には、窯の雰囲気が酸化焼成か還元焼成でする様に
注意書きが付いています。
例えばピンク釉を掛けても、還元では全く発色せず透明釉の様になる事もあります。
マンガンを着色剤で使う場合、還元焼成では、汚い灰色になりますし、銅は酸化では緑色に
なりますが、還元では美しい赤色(辰砂色)に発色します。
尚、陶芸では、還元焼成が好まれる傾向にあります。還元焼成で思っていない色に焼き上が
る事が多いからです。又酸化焼成と異なり色の変化が大きく、窯を炊く度に表情が変化しま
す。還元焼成でえ安定的に発色させるのは、極めて難しいです。
2) 色釉を作る場合、窯の温度範囲内に収まっていないと、色が飛んでしまいます。
低い温度では、釉が十分に熔けず、高過ぎる場合には、金属が蒸発したりして、色が出ま
せん。市販の釉では、焼成の推奨温度が明示されています。但し、SK-7(1230℃)sk-8
(1250℃)と表示されている場合もあります。
3)色釉には、厚く掛けるないと所定のお色に発色しない場合と、薄掛けるの方が良い色に
発色する釉があります。この場合、厚掛けすると、色は濃くなります。更に厚掛けすると
汚い色になる物さえあります。
4)カリ(K2O等)は長石系の釉では、最も使われる熔融剤です。
ナトリウム(ソーダ)と置換でき、ほとんど同じ様に作用しますが、カリの方が若干熔け
易くなり、光沢も増します。更にカリの方がソーダよりも安定した発色になります。
カリとソーダでは、金属によってわずかながら色の差がでます。
金属 カリ ソーダ
銅 空色青 トルコ青
クローム 草緑 黄緑
コバルト 青(草色っぽ) 青(緑色っぽい)
マンガン 暗黄 紫
鉄 帯褐黄色 褐色
5)長石の種類を変えると発色が変化するのは、カリ長石とソーダ長石の違いによります。
又、ソーダはアルカリ類(塩基成分)の中で最も熱膨張率が大きい為、多量に混入すると
貫入(ヒビ)が入り易くなり、更に、風化による耐久性が減少します。
以下次回に続きます。