2) 不透明釉(失透釉)について
④ 乳濁釉について。
失透釉には、「マット釉」と「乳濁釉」の二種類があります。
「マット釉」は「艶消し釉」とも言い、今までお話した様に、釉の中や表面に微細な結晶(固体)が
一様に存在し、釉面も光が乱反射して、光沢の無い釉となります。
しかし、「乳濁釉」は、異なる現象によって引き起こされます。
即ち、一つの釉の中に、二種類の違うガラス質が分離生成され、その境界面で反射角度が変わり、
乱反射を起こします。この二種類のガラス質を作る現象を「分相」と言います。
) 光沢のある不透明釉です。
釉面は平滑で光沢があります。代表的な釉として「白萩釉」や「卯のふ釉」「乳白釉」などが
あります。釉の中には乱反射する物質が存在し、釉の表面には乱反射する物質は、存在して
いない状態に成っています。
) 分相とは、釉の中に「結晶性の固体物質」や「異なる液体物質」が存在する場合、「気体物質」が
存在する結果、釉の中で二種類以上に、ガラス質が分離した状態を言います。
) 固体物質(微結晶)
前回お話した失透剤と言われる物質の、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどは、
「マット釉」としても、「乳濁釉」としても使われます。これらは微結晶を析出しますが、
釉の中に留まっている限りは「乳濁釉」で、表面まで浮か上がって来ると「マット釉」に
なります。即ち、表面は微結晶を含まないガラス質で、その下に微結晶を含むガラス質の
二種類の違うガラスが存在すと「乳濁釉」に成ります。
) 液体物質(アモルファス)
釉の原料に珪酸と燐化合物を同時に使うと、透明性のある「珪酸系のガラス」と水滴状の
微物質を含む「燐酸系のガラス」に分離します。
又、珪酸を多量になると、「珪酸ガラス」と「高珪酸ガラス」に分離し、異なるガラス質の
分相を起こします。
) 気体物質(細かい泡)
a) 「白萩釉」や「卯のふ釉」「藁白」「糠白」などの乳濁釉は、稲等の禾本科の植物から採った、
藁灰(わら)や籾殻(もみがら)灰、糠(ぬか)灰などの珪酸成分の多く含む原料を
使っています。 これらの材料を、アルカリの媒熔剤と伴に高温にすると、細かい泡(ガス)が
大量に発生します。 この大量の泡が、表面より抜け出ない状態で、釉中に留まった結果、
透明性が失われ乳濁します。
b) 乳白釉の白さ加減は、釉に含まれる粒子(分散相と言う)や泡の細かい程、更に屈折率が高く、
反射面が大きい程、白く仕上がります。又、蛍石や骨灰も白さを助けます。
3) 釉の着色剤(顔料)について。
以下次回に続きます。
④ 乳濁釉について。
失透釉には、「マット釉」と「乳濁釉」の二種類があります。
「マット釉」は「艶消し釉」とも言い、今までお話した様に、釉の中や表面に微細な結晶(固体)が
一様に存在し、釉面も光が乱反射して、光沢の無い釉となります。
しかし、「乳濁釉」は、異なる現象によって引き起こされます。
即ち、一つの釉の中に、二種類の違うガラス質が分離生成され、その境界面で反射角度が変わり、
乱反射を起こします。この二種類のガラス質を作る現象を「分相」と言います。
) 光沢のある不透明釉です。
釉面は平滑で光沢があります。代表的な釉として「白萩釉」や「卯のふ釉」「乳白釉」などが
あります。釉の中には乱反射する物質が存在し、釉の表面には乱反射する物質は、存在して
いない状態に成っています。
) 分相とは、釉の中に「結晶性の固体物質」や「異なる液体物質」が存在する場合、「気体物質」が
存在する結果、釉の中で二種類以上に、ガラス質が分離した状態を言います。
) 固体物質(微結晶)
前回お話した失透剤と言われる物質の、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどは、
「マット釉」としても、「乳濁釉」としても使われます。これらは微結晶を析出しますが、
釉の中に留まっている限りは「乳濁釉」で、表面まで浮か上がって来ると「マット釉」に
なります。即ち、表面は微結晶を含まないガラス質で、その下に微結晶を含むガラス質の
二種類の違うガラスが存在すと「乳濁釉」に成ります。
) 液体物質(アモルファス)
釉の原料に珪酸と燐化合物を同時に使うと、透明性のある「珪酸系のガラス」と水滴状の
微物質を含む「燐酸系のガラス」に分離します。
又、珪酸を多量になると、「珪酸ガラス」と「高珪酸ガラス」に分離し、異なるガラス質の
分相を起こします。
) 気体物質(細かい泡)
a) 「白萩釉」や「卯のふ釉」「藁白」「糠白」などの乳濁釉は、稲等の禾本科の植物から採った、
藁灰(わら)や籾殻(もみがら)灰、糠(ぬか)灰などの珪酸成分の多く含む原料を
使っています。 これらの材料を、アルカリの媒熔剤と伴に高温にすると、細かい泡(ガス)が
大量に発生します。 この大量の泡が、表面より抜け出ない状態で、釉中に留まった結果、
透明性が失われ乳濁します。
b) 乳白釉の白さ加減は、釉に含まれる粒子(分散相と言う)や泡の細かい程、更に屈折率が高く、
反射面が大きい程、白く仕上がります。又、蛍石や骨灰も白さを助けます。
3) 釉の着色剤(顔料)について。
以下次回に続きます。