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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続失敗と対策 (土を締める3)

2011-05-25 21:53:27 | 失敗と対策
引き続き、土を締める作業に付いて、お話します。

1) 土はしっかり締める事。

 ① 手捻りの場合

  ) タタラ作り

   タタラ作りとは、板状にした粘土(タタラ)を、石膏型に押し込んだり、被せたりして、形を

   作ったり、若干乾燥後、貼り合わせたりして、形を作る方法です。

   タタラの良し悪しによって、作品の出来具合は、変化します。折角作った作品も、「割れ」や「ひび」が

   入っては、泣くに泣けません。

   ・ タタラ作りは、皿などの製作や、石膏型を使う方法では、簡単に作品を作る事が出来ますが、

     箱型の様な形状の作品は、見た目以上に、手間隙の掛かる作り方です。

     特に接着部分を補強する為、細い紐状の土を、角に入れる作業に、時間が掛ます。

   a) タタラ板を使って、タタラを作る。

    イ) 一般に、タタラ板を土の両側に積み上げ、切糸(釣り糸など)で、スライスして作ります。

       タタラ板は厚みが1mm~10mm以上、長さ30cm程度の板が、市販されていますが、

       作品本体を作るには、5~8mm程度が、使い易い板厚です。

       勿論、市販品を使う必要はありません。ご自分で木材を加工して、作る事も可能です。

       (3mm以下では、強度が出ません。1mmは貼り付け用の小物に向いています。)

      ・ 先ず、粘土を四角いブロックにします。大きさは、作りたい大きさより、やや大きめに

        作ります。その際、ブロックはテーブルの上に落として、土を締めます。

      ・ なるべく高い位置から落とし、四方向(上、下、手前、向こう側)を順番に、締めます。

        ここでしっかり、土を締めないと、丈夫なタタラは出来ません。

        又、模様の無い、叩き板を使って、六面を強く叩き、土を締める方法もあります。

      ・ ブロックの両側に重ね合わせた、タタラ板を積み上げ、切糸が浮き上がらない様に、

        両手の親指又は、人差し指を、タタラ板に押し付け、手前に引いて、所定の厚さに

        切り取ります。そして最上段のタタラ板を取り除きます。これを順次繰り返します。

     ロ) タタラ板を使うと、同じ厚さの粘土板が、多数出来ますので、数物を作る時には、

        大変便利です。但し、ブロックの最上部と、最下部で、土の無駄が出易いです。

        スライスされた粘土板を、所定の形に切り出します。

     ハ) この作り方の問題点は、ブロックの上下近辺は、土が良く締まっているのに対し、

        厚みの中間付近の、土の締りが、甘い事です。

        又、粗い土ですと、糸で切った切断面が、荒れる事です。

        更に、面積の広いタタラは、作り難いです。
       
     二) その為、ゴムのへらで、表面を押さえながら、滑らす事により、土を締め、表面を

       なだらかにします。更に、所定の形に切り出した板の、端面の土も締めます。

       こうする事により、端面の強度が増すと伴に、端面の肉厚がやや厚くなる為、皿状の作品は、

       豪華さが出ます。(口縁の薄い陶器の皿は、貧弱に見えます。)

       又、接着の際、「糊代(のりしろ)」が広くなり、強度が増します。

    b) 延ばし板を使って、タタラを作る

 以下次回に続きます。
      




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1 コメント

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締めることの大切さ (R2D2)
2024-08-28 18:07:50
7mmのたたらを100均のアルミ深皿(3cmくらい)を型にして直径25㎝深皿を2個作って合わせて偏壺を作ろうとしましたが乾燥で割れてしまい締めが足りないのではと言われました。たたらを作るときにすりこぎ棒でかなり圧力をかけて伸ばしているのですが逆にひびの原因を作りこんでいるのではとこのブログで気が付きました。粘土をただ伸ばすだけでなくその前にたたいて密度を上げて、切った面を滑らかにすることでひびの傷口をふさぐということなんですね。やっと理解できました。
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