1) 色化粧土に付いて。
一般に化粧土と言えば、白化粧土を指しますが、現在では、青、濃青、明青、黄、カラシ黄、黒、
ピンク、緑、紫、オレンジ、ベージュ、ライラック、茶、灰、赤色など多種多様の色化粧土が存在し、
使われています。
色化粧土を使う場合、① 天然の粘土、又は市販されている着色粘土を、そのまま色化粧土
として使う方法。 ② 市販の色化粧土をそのまま使う方法。③ 白化粧土に市販の着色用の
顔料を加えて作る方法。 ④ 白化粧土に金属を添加して、独自の色化粧土を作る方法などが
有ります。以下順次お話します。
① 天然の粘土、又は市販されている着色粘土を、そのまま色化粧土として使う方法。
粘土には濃い薄いは別にして、色の付いた物が多いです。その為、お化粧をする訳ですが、
逆に、この粘土の色を利用して、化粧土を作る事ができます。
但し、生の粘土の色がそのまま焼成後の色に成る事は少ないですので、焼成後の色を確認
してから使用します。
) 赤土は鉄分を含む粘土です。生の状態では、赤色、茶色、茶褐色をしていますが、1200℃
以上に成ると、褐色~黒色に発色します。
) 「テラコッタ」は黄土が混ぜられた黄色い土で、1000℃程度以下では園芸用の素焼鉢の
様な赤茶色に成りますが。本焼き程度の高い温度では、黄土の成分が鉄である為、赤土と
同様の色に成ります。
) 黒御影土や南蛮土と呼ばれる粘土は、生の状態で黒く、焼成後も若干色は変化しますが、
黒色になります。その他、黒や灰色の粘土は焼成すると、白色に成る場合が多いです。
これは、粘土の中に入った有機物の色で、燃焼によって燃えて取り除かれた結果、元の
白色に戻った為です。
この様な粘土を泥漿(でいしょう)化して、色化粧土として使います。尚、素地との密着度を良く
する為、素地の粘土をこの様な粘土に混ぜて、化粧土を作ると良いと言われています。
② 市販の色化粧土をそのまま使う方法。
陶芸材料店等では、色々な色の化粧土が市販されています。多くは1kg単位の粉末状で
水に溶かし、濃度を調整してから使います。ほとんどは、生掛用の化粧土です。
但し、ご自分で使う土との相性は未定ですので、「剥がれ」などの問題を起こす恐れもあります
本格的に使う場合には、試し焼きが必要です。
③ 白化粧土に、市販の練り込み用の着色顔料を加えて作る方法。
) 白化粧土もご自分で調合したもの、又は市販品を使います。
練り込み用の着色顔料は、粘土の着色顔料と同じ物です。
・ 注意: 着色顔料の中には、有害な物質が含まれている物も多い様です。取り扱う際には
マスクなどを着用する用に、注意書が添付されています。
100g~500g単位の粉末で市販されています。
) 白化粧土に混ぜる量は1~20%程度です。青(コバルト)など少ない量で発色する物から
ピンクや黄色の様に多量に添加しなければ、発色しない顔料まで、色々有りますので、
適量を見付ける事です。当然顔料の添加量によって色の濃淡ができます。
尚、顔料の色は焼成してもほとんど変化しません。
) 基礎的は色土をつくり、混ぜ合わせる事で、新たな色を作る事も出来ます。
即ち、青色化粧土と、黄色化粧土、ピンク化粧土、黒色化粧土の四種類の基本色化粧を
作り、混ぜ合わせる事により、別の色を作る事が出来ます。
a) 基礎色化粧土を作る。例
青色化粧土: 白化粧土 100: 青色化粧用顔料(酸化コバルト) 3 (外割り)
黄色化粧土: 白化粧土 100: 黄色化粧用顔料 10
ピンク化粧土: 白化粧土 100: ピンク化粧用顔料 10
黒色化粧土: 白化粧土 100: 黒色化粧用顔料(黒浜) 20
b) 緑色化粧土: 黄色化粧土 70%: 青色化粧土 30%
紫色化粧土: ピンク化粧土 70%: 青色化粧土 30%
オレンジ化粧土: ピンク化粧土 50%: 黄色化粧土 50%
③ 白化粧土に金属を添加して、独自の色化粧土を作る方法。
以下次回に続きます。