わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

土を作る7 (異物を混入2、泥漿)

2011-10-15 21:36:50 | 粘土について
3) 土に異物を混入する。

 ③ 燃える物質を土に練り込み、表面に塗る。

   作品の表面を凸凹させたり、火山の溶岩の表面の様に、大小の穴をが開ている様な表現を作る。
   
   ) 植物の種や、小さく丸めた紙、プラスチックなど、素焼き程度の温度で燃え尽きるものが
   
     理想ですが、使い方によっては、本焼き程度で燃え尽きる物質でも、使用できます。

   ) 表面を凸凹させるには、一般に外部から尖った物や「ぎざぎざの石」を押し当てたりします。

     しかしこれでは、閉じ込められた細かい空間を、作る事は出来ません。

     「ドベ」などに上記、種などを混ぜ込み作品の表面に塗れば、焼成後に不規則な蜂の巣状の

      穴を多数作る事が出来ます。(但し、余り大きい閉じた隙間が出来ると、爆発などの危険が

      出る恐れがあります。)

   ) 施釉せずに凸凹の状態でも良いし、釉を掛けても面白です。

      釉を掛けると、閉じ込められた空間から気泡が発生します。粘性のある釉では、噴火口の様な

      文様が出る事もあります。又、表面まで抜けきらずに、気泡が釉の中に留まる場合もあります。

    色々試してみると、思わぬ表情が見られます。
   
 ④ 泥漿鋳込み(でいしょういこみ): 石膏型に液体の粘土(泥漿)を流し込んで、作品を作る

   方法です。鋳込みの方法には、以下の二つの方法があります。

   (流動性を持たせる為に入れる解膠剤(かいこうざい)も、粘土にとっては、異物なものです。)

  ) 排泥鋳込み(はいでいいこみ): 中空の型に粘土を流し込み、一定時間後に中の粘土を流し

    出して、型の内側に残った粘土が作品になります。時間の差によって、肉厚が変化します。

  ) 圧力鋳込み: 型に作品の肉厚に相当する隙間を設け、そこに泥漿 流し込みますが、

    ある程度の圧力をかける必要があります。

   いずれの方法でも、粘土を液体状にし、流動性を持たせる為、「解膠剤( かいこうざい)」を

   加えます。解膠剤を添加する事により、少量の水で流動性をもたらす為、石膏型を余り濡らす事は

   有りませんので、繰り返し型を使う事が出来ます。

  ) 解膠剤には以下の物質があります。
  
   a) 水ガラス(珪酸ソーダ): 解膠剤の中で一番多く使われています。

   b) 炭酸ソーダ : 粉末のものを水に溶かして使います。

   c) ヘクサメタリン酸ソーダ: 上記の物質より一般的ではありませんが、効果が強いです。

   d) アクリル酸ソーダ: 射込んだ作品は直ぐに強度を持ちますが、可塑性に欠けます。

  尚、鋳込み成型については、後日、詳細をお話する機会が有ると思います。

4) 廃物の土の利用。

以下次回に続きます。
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土を作る6 (異物を混入1)

2011-10-14 21:45:08 | 粘土について
3) 土に異物を混入する。

  粘土に他の粘土や、顔料を混ぜる話をしてきましたが、それ以外の異物を加える事もあります。

 ① 一般的には、シャモットを入れる事です。

   シャモットは焼粉と言われ、粘土を一度焼成した粉末です。それ故完全な異物とは言えませんが、

   ここでは、異物類に入れておきます。

  ) シャモットは、土の収縮率を抑える働きがあります。

    即ち、肌理の細かい土は収縮率が大きく、大きな作品では特に大きく縮みます。その為、

    作品に「ひび」や「割れ」が入り易く成ります。この様な傷を作らない様にする為に混入します。

    又、入れる事により、若干重さも軽くなります。

  ) 但し、シャモットを入れると、可塑性が無くなり、ぱさぱさした感じに成りますので、

     多くは入れられません。

 ② 砂や「はぜ石」を入れる

  ) 縄文や弥生式土器などには、大量の砂が混入されています。(20~30%も稀ではありません)

   これも上記のシャモットと同じ働きをさせる為に、混入したものです。

   当時は、窯も無く野焼きの方法で焼成された為、火力も一様ではなく、部分的に焼き過ぎや、

   焼き不足が起こる事が多く、かなりの作品が失敗であった事が、推測されます。

   手近にある砂を混入させ、焼き縮みや偏熱による失敗を防いだと考えられます。

  ) 現在でも、装飾の意味で表面に、砂を擦り(なすり)付ける事が有ります。

   但し、表面が乾燥するに従い、ポロポロと剥がれ落ちてしまいますので、何らかの処置をしなければ

   成りません。釉などを掛けて焼成すれば良いのでしょうが、砂の質感が失われます。

   当然、砂は焼成温度程度では熔けませんので、そのまま変化せずに残ります。

   但し、海砂などを使うと、塩分を含んでいる為、若干、素地が赤く色付く事もあります。

  ) 砂と同様に「はぜ石」を表面に載せて装飾する方法もあります。

   砂との違いは、「はぜ石」は本焼程度の温度で熔け、半透明になる物質ですが、粒々はハッキリ

   残ります。

   信楽産の粘土で、古信楽(石はぜ土)と言う白い粘土があります。この中に含まれている

   白っぽい粒子は長石です。

   (胎土の中にあった小石が、焼成中にはじけ表面に露出した状態を「石はぜ」と言います。)

   (尚、古信楽には、「ハゼ石」の粒子の細かさによって、微、細、粗目があります。)

   粗目の土は、力強く荒々しく野生的な作品に仕上がります。

   「はぜ石」のみも販売されていますので、好みの荒さの「はぜ石」が購入されます。

    一般には、粘土の中全体に混ぜるのですが、装飾として、表面のみに埋め込む方法もあります。

 ③ 燃える物質を土に練りこみ、表面に塗る

以下次回に続きます。
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土を作る5 (練り込み3)

2011-10-13 22:14:31 | 粘土について
2) 土に顔料を練り込む。

  ② 練り込んだ土の使い方にも、工夫する事により、色々な用途があります。

   ) 化粧土として使う。

     一般に、化粧土としては、白化粧土が多く使われますが、顔料を入れて化粧土を作る事も

     出来ます。白化粧土と同じように使用出来ます。

   ・ 注意点は、化粧土に使う土は、本体と同じ土を使う事が、基本に成ります。

     土が違うと、収縮率の差によって、化粧土が本体から剥がれる場合があるからです。

     基本的には、生(半乾燥)の状態で使用します。素焼き後に使う場合には、調合を変える

     必要があります。

     尚、陶芸材料店では、各種の色の化粧掛用色土が販売されています。自分で調合するよりも、

     作るのが容易かもしれません。但し、市販されているものは、次に述べる、白化粧土に

     顔料を練り込んだ物と思われます。

  ) 市販の顔料を使わずに、ご自分で化粧土を作る事が出来ます。その調合例をあげると(重量比)、

   a) 白化粧土: カオリン 36、可塑性粘土(木節、蛙目粘土など)40、珪石40、カリ長石 15

    (合計 131と成りますが、理解しやすい値に外割りにした為です。)

   b) 黒化粧土: 白化粧土 100、炭酸カルシウム 5、弁柄 12、二酸化マンガン 2、酸化コバルト 6

   c) 明るい茶色: 白化粧土 100、三酸化クロム 1、弁柄 1

     濃い茶色:  白化粧土 100、三酸化クロム 2.5、弁柄 2.5 (いずれも酸化焼成)

   d) 緑化粧土:  白化粧土 100、三酸化クロム 3(酸化で緑、還元で灰色)

   e) 明るい青色: 白化粧土 100、酸化コバルト 0.3

     濃い青色:  白化粧土 100、酸化コバルト 3

   以上は透明釉を掛けて焼成すると、発色する配合例です。

   以下は透明釉を掛けると、色が変化しますので、素地のまま焼成する場合の調合例です。

   f) 緑系黒化粧土: 白化粧土 100、酸化ニッケル 1.5、五酸化バナジウム 10.5

     (酸化で暗い鶯色、還元で緑茶系黒。自然に色むらがでる。)

   g) 灰色系緑:   白化粧土 100、三酸化クロム 5、五酸化バナジウム 5

   h) 黄緑化粧土:  白化粧土 100、弁柄 1、五酸化バナジウム 9

   i) 明るい茶色:  白化粧土 100、弁柄 5、五酸化バナジウム 5

   j) ピンク系薄茶: 白化粧土 100、ルチル 9、酸化ニッケル 1

   k) ベージュ系:  白化粧土 100、弁柄 1.5、二酸化チタン 10.0

    (以上、参考資料: 焼き物実践ガイド 樋口わかな著 誠文堂新光社)


3) 土に異物を混入する。

 以下次回に続きます。

 

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土を作る4 (練り込み2)

2011-10-12 22:15:42 | 粘土について
2) 土に顔料を練り込む。

   顔料の練り込み方法: 練り込み用の顔料は、粉末で市販されているのが、ほとんどです。

   陶芸材料店では、100g、400~500gの単位で売られています。

   ・ 粘土はなるたけ色の白い土を使います。その方が発色が良く、綺麗な色が出るからです。

   ・ 粘土に入れる割合: 顔料には色が出易い色と、出難い色があります。黄色やピンクなどは、

     出難い色と思われます。それ故、練り込む量を、若干多くする必要があります。

     例えば、3%、5%、7%、10%程度が一般的で、当然量が増えれば濃さは強く出ます。

   ・ 必要な量を秤で測り容器に取り、水を少量加えて良く練ります。

     水分が多過ぎると、練り込んだ後の土が軟らかく成り過ぎ、直ぐに使用出来ませんから注意。

     (粉の状態で直接土に振り掛け、練り込む方法もありますが、顔料の粒々が出て綺麗に

      成りませんので、お勧めできません。)

   ・ 土は細かく切り分け、容器内の顔料を土で掬(すく)い取り、指先で練って混ぜます。

     指先で練った程度では、まだらな状態ですが、全ての土を混ぜ合わせてから、全体を菊練します。

     糸で切った切り口に、模様が出ていなければOKです。

   ・ 注意点は、複数の色を使って、練り込んだ土の色がいまいちハッキリしない事です。

     濃い色の場合は判別が可能ですが、薄い色の場合には、見分けが付かなく成る事です。

     その為に、色の名前を書いた紙の上等に置き、混同しない様にしておかなければなりません。

 前置きが長くなりましたが、前回の続きをお話します。

  ② 練り込んだ土の使い方にも、工夫する事により、色々な用途があります。

   ) 練り込んだ土を、練り上げの技法を使って、作品に仕上げます。

     手捻りの紐作りの要領で、色土を希望の文様に組み込んで行きます。

     又、色土で花文様や幾何学文様を作り、これらを数個繋ぎ合わせて、作品を作り上げる事も

     出来ます。例えば、色土を海苔巻きの太巻きの様に(又は、金太郎飴の様に)並べ、筒状に

     作ったものを、輪切りにし同じ図柄を多数つくります。

     複雑な文様も、基本の形を作り、上手に組み合わせて繋ぎ合わせる事によって、容易に作る

     事ができます。(代表的なものに、市松文様があります。)

    a) 手捻りの場合: 文様が続く様にする事です。意図的に切断する場合も有りますが、

      なるべく文様を繋げた方が、自然な文様に成ります。土同士の境目から「割れ」や「ひび」が

      入りやすいので、しっかり押さえて接着します。

      (「どべ」で接着する事もありますが、どの色の「どべ」を使うかも、十分考えてから

       使用する事です。)色の配分も重要ですし、地と色土のバランスも考える必要があります。

      又、板状に土を延ばす(タタラ)場合には、延ばす方向によって、模様が変化しますので、

      どの方向に延ばすべきかを、考えてから作業する事です。

    ・ この文様をどの様な作品に仕上げるのも、腕の見せ所です。

      例えば、文様を器の表面に貼り付け、浮き彫り風にするのも、一つの方法です。

    b) 練り上げでは、轆轤は削り作業で、形を円形に削り出すのには使いますが、轆轤挽きする事は

      有りません。文様が崩れてしまうからです。

    c) 色土の発色は、本焼きで焼成しないと、ハッキリ出ない色もあります。

      生の状態や、素焼きの段階では、模様が出ているのが確認できない場合が有ります。

      しかし、本焼きすれば、しっかり発色しますので、心配は要りません。

   ) 化粧土として使う。

以下次回に続きます。

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土を作る3 (練り込み1)

2011-10-11 22:00:03 | 粘土について
2) 土に顔料を練り込む。

  天然の土では、赤土(又はテラコッタ)などを除けば、色の付いた土の種類は少ないです。

  勿論、釉には豊富な色がありますので、釉を使って好みの色を出す事は可能ですが、釉と土の色では、

  多くの違いが有ります。釉は作品の表面を覆うガラス質で、表面がなだらかで、土の感触とは違います。

  ① 土に色を付けるには、各種の鉄や、酸化銅などの金属を混ぜる方法もありますが、一般には

    練り込み用と書かれた顔料が市販されています。青、緑、黄色、黒、ピンク、紫、白等があります。

   これらを単独で土に混入させますが、場合によっては、複数個の土を入れて好みの色にする事も

   可能です。但し、色数が増える程、鮮やかさ(彩度)は鈍くなりますので、注意する事です。

   尚、陶芸用の顔料には、上記の練り込み用以外に、絵付け用(上又は下絵)の絵の具や、色釉を

   作る為の顔料(酸化金属類)があります。これらは土に混入し無いのが原則です。

   (私は試した事がありませんが、場合によっては、使えるかも知れません。)

  ② 練り込んだ土の使い方にも、工夫する事により、色々な用途があります。

   ) 均一に土に練り込み、作品の本体(ボディー)に使う。

     土全体に均等に練り込み、普通の土の様に、手捻りや電動轆轤などを使い、作品を作ります。

     土の色を活かすのであれば、無釉の焼き締めにするか、透明系の釉を使う必要があります。

   ) 均一に練り込まず、マーブル文様に成る様に作品を作る。

      必要な色を決め、各々完全に混ざった土を作ります。地になる土にその土を混ぜ合わせ

      ますが、その割合で文様の色具合が変化します。基本的には菊練によってマーブル文様を

      作りますが、文様の粗さは、練る回数(5~8回程度)により、粗くなったり細かくなったりします。

      練り上げた後、真ん中から二分すると、外側は粗く、内側は細かくなっているはずです。

      どの面を表にして作品を作るかによって、模様も大きく変化します。

      切り口を変えれば、当然模様が替わりますので、工夫次第で面白い(又は奇抜な)文様が

      作る事が出来ます。

    a) 手捻りの場合: 文様が続く様にする事です。意図的に切断する場合も有りますが、

      なるべく文様を繋げた方が、自然な文様に成ります。

      又、板状に土を延ばす(タタラ)場合には、延ばす方向によって、模様が変化しますので、

      どの方向に延ばすべきかを、考えてから作業する事です。

      この文様をどの様な作品に仕上げるのかも、腕の見せ所です。

    b) 轆轤作業では、反回転方向上方に螺旋状の文様に成ります。

      轆轤に据える際、マーブル状態を確認します。表面は当然作品の外側に成ります。

      袋物(徳利や花瓶、壷など)の場合は、目に見える部分は、外側ですが、皿や鉢の様な

      作品は、内側が主に目に見える部分と成ります。それ故よく見える部分のマーブル状態

      (粗い、細かい、色の良し悪し)を確認しておく必要があります。

     ・ 轆轤作業中には、どんな模様になっているかは、解かりません。表面に泥(どべ)が付いて

       いるからです。竹へら等で、表面の泥を取り除けば、ある程度文様は出ますが、

       模様をしっかり出すには、乾燥後に表面を一皮削り取る必要があります。

       袋物の様に内部が見えないものでは、外から見える部分(口周辺)のみを削りますが、

       皿や鉢などは、内外全体を一皮削り取ります。その為、若干肉厚に作る場合も有ります。 

     ・ 削り作業によって文様が浮かび上がってきますが、削る量によって模様はどんどん変化

       します。一度削り取った文様を、復活させる事は出来ません。

       それ故、削り作業を、いつ止めるかの判断が難しいです。 

   ) 練り込んだ土を、「練り上げの技法」を使って作品に仕上げます。

以下次回に続きます。

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土を作る2 (ブレンドする2)

2011-10-10 22:01:13 | 粘土について
1) 土同士をブレンドする。

   土をブレンドする場合、少量(1~2Kg程度)ならば手で練る事が可能です。

   硬さが似通った数種類の土を、必要な割合の量に分け、重さを秤で測ります。各々の土を、

   糸で3~5分割します、分割する数は揃えます。

   これらの土を順番に積み上げ、中央を糸で切り二分します。各々を重ね合わせて、更に二分します。

   この行為を十回ほど繰り返すと、「千(正確には1024)倍X分割数X粘土の種類」の層になります。

   即ち三分割なら二種類で六千層余りとなります。これを菊練をする事により、完全に練り込めます。

   練り上がったら、中央に糸を入れ、その切り口を確認します。練が不十分ですと、マーブル模様に

   成りますので、再度練ってください。この様にすると、容易に土を均一にブレンドする事が出来まし、

   直ぐに使う事が出来ます。 尚、大量にブレンドする場合は、土練機を使う事も考えられます。

   大きな塊を闇雲に、練っても中々均一には成りません。

  前置きが長くなりましたが、前回の続きを述べます。

 ③ ご自分で土同士をブレンドする場合

  ) 土の色を変化させる為にブレンドする場合

    土に顔料を混ぜて色を変える話は、次回にお話しますが、ここでは土同士のブレンドの話とします。

    赤土は焼成すると黒っぽく成ります。その色の濃さは、含まれている鉄の量などに依存します。

    色が濃過ぎる場合など、薄める意味で他の土をブレンドする事もあります。

    又、釉の色も土の色を反映しますので、好みの土であっても、釉の関係で他の土と、ブレンドする

    事も有ります。

    注意: 生の状態の土の色と、焼成後の色は、一致しません。黒い土が黒く焼き上がる土もあれば、

      白く焼き上がる土もありますので、焼成後の土の色を確認しておく必要があります。

      大抵の陶芸材料店で販売されている土は、焼成後の色見本が置いてあるはずです。

      それを参考にして下さい。尚、酸化と還元焼成でも、土の色が若干変わるのが普通です。

  ) 土同士のブレンドは、好みの土にするのが目的です。

    しかし、ブレンドすればすれば、必ず目的通りの土が出来るとは限りません。

    又、土をブレンドする事は、その土の持っている、特徴(個性)を薄めたり、無くす働きを

    しますので、必ずしも、推奨できるものではありません。

    例えば、白い志野の土を、赤土などに混ぜて使うのは、なんとなく「もったいない」感じがします。

    本来白い事が特徴の土は、その白さを活かして、作品を作るべきだと考えるからです。

  ) 作品や作り方によって、土を変えている事と思います。

     (但し、信楽の土の様に、どんな作品にも向く万能な土もありますが)

    土の種類に拠って、作品の表情も大きく変化しますので、ご自分に合った土を見つけブレンド

    する事なく使う事を、勧めます。

2) 土に顔料を練り込む。

以下次回に続きます。
 
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土を作る1 (ブレンドする1)

2011-10-09 22:28:12 | 粘土について
最初にお断りしておきたい事は、今回のテーマは、ご自分で土を見つけ出し、陶芸用の土に仕上げる

話ではありません。市販されている土を、どの様にして好みの土に変える事が出来るかの話がテーマです。

陶芸の材料になる土は、種類が大変多いですが、陶芸材料店で取り扱っている種類は、数十種類は有ると

思います。

勿論、これらだけで陶芸を楽しむ事は可能ですが、自分のオリジナルな土を使ってみたい方も多いです。

又、「この土では自分のイメージ通りに行かない」という方もいるかと思います。

その場合は、ご自分で土を作る(調合する)必要があります。

 具体的には、以下の方法があります。

 1) 土同士をブレンドする。

 2) 土に顔料を練りこむ。

 3) 土に異物を混入する。

 4) 廃物の土の利用。

以下、少々詳しく説明したいと思います。

1) 土同士をブレンドする。

 ① 市販されているほとんどの土も、数種類の土を、ブレンドしているはずです。

   原土と呼ばれる一種類の土だけでは、手捻りでも轆轤作業でも、十分満足いく土とは限らず、

   成形し易い様に、他の土をブレンドしています。又、同じ採掘現場で採取した土でも、場所場所に

   よって微妙に変化し、一定の品質が保てません。それ故、ブレンドする事により、品質の安定を

   図っているのです。

 ② 土は各地から採取されますが、産出量の少ない土は、当地でも入手困難な状態のものも有ります。

   例えば、本物の備前焼の土や、志野焼きの「もぐさ土」などがそれです。

   備前焼用の土として市販されている土がありますが、ほとんどは合成備前だと思われます。

   即ち、他の土をブレンドして、焼き上がりがそれらしくなる様にした土が、市販されている訳です。

   以上は、市販されている土に付いての話ですが、これらの土を使って、更に自分なりのオリジナルな

   土を作る人も大勢います。

 ③ ご自分で土同士をブレンドする場合

  ) 焼成温度を調整する為にブレンドする。

    一般に、赤土と呼ばれる酸化鉄を含む土は、焼くと白くなる土に対して、耐火度が下ります。

    この赤土の作品群のみを焼成する場合は、最高温度を下げるだけですが、他の土と一緒の

    焼成する場合、赤土の作品は「ヘタッテ」しまいます。それ故、耐火度のある土とブレンドして、

    対処する必要があります。

  ) 成形し易い様にブレンドする。

    例えば、轆轤挽きし易い土と、し難い土が存在します。挽き難い土は、土が薄く伸びません。

    又、作業中に「ひび」や「割れ」易い土も、作業し難い土といえます。更に、粗い「はぜ石」等が

    入った土も、女性にとってやり難い土と言えます。

    この様な場合、他の1~2種類の土をブレンドして、調整します。ブレンドの割合は、

    試してから決めます。即ち、他の土との、「良いとこ取り」をする訳です。

  ) 「良いとこ取り」には、以下の場合もあります。

    同じ様に焼き上がる土で有りながら、値段の差が数倍違う物もあります。

    (厳密には、当然、高価な土の方が良い部分が多いのでしょうが、一般にはその差が解からない

    場合もあります。)全体を安価な方にシフトするには、抵抗がある場合、ブレンドの方法を採ります。

    作品を作る際に、土の質感が大切です。例えば、滑らかな土等は、装飾の加工がし易い利点が

    ありますが、野生的な荒々しさは、表現し難いです。この様な場合にも、少々加工性を犠牲にして

    粗目の土を少々「ブレンド」する事もあります。

 以下次回に続きます。
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