ハッバト・バラカは、アラビア語で「祝福の種」という意味だ。
ハッバト・サウダー(=黒い種)や、ブラック・クミンとも呼ばれる。どうやらクミンの仲間らしい。
小さい黒ゴマのような地味な見かけだが、その中には体に良い成分がみっしり詰まっていると言われている(主にアラブ世界やインド周辺諸国で)。
花はこれ。清楚なような邪悪っぽいような・・・キンポウゲ科クロタネソウ属の1年草で、和名はニオイクロタネソウ(写真はウィキペディアから借用)
私がハッバト・バラカの名前を初めて聞いたのは、ヨルダンの首都アンマンに住んでいる時だった。
アパートの前に座っておやつを食べていた大家さんが、通りかかった私にカアク(太めのグリッシーニみたいなビスケット)を分けてくれ、
「この上にまぶしてある黒い粒は、ハッバト・バラカといって、すごく体にいいのよ。
死以外のあらゆる病気を治すと言われてるのよ」と教えてくれたのだ。
「ハッバト・バラカは死以外の万病を癒す」という記述は、ハディース(預言者ムハンマドの言行録)に載っているそうだ。
これがそのときもらったカアク。カリッと香ばしくて美味しかった。ハッバト・バラカの味はよくわからなかったが
大家さんのファーティマさん(一番奥右のかわいいおばあちゃん)とその家族。アパートの建物の前庭的スペースでよく一家でお茶を飲んでくつろいでいた・・・この逆ハーレムな光景、懐かしい・・・
アルジャジーラ・ネットの記事に載っていたハッバト・バラカの医学的効果は、痛み止め・傷の治癒・抗ガン作用(特に腸のガン)などなど。
抗ガン作用に関しては、「米国のガン治療研究所の実験で明らかになった」との注釈付き。
こういう注釈をつけないと信憑性がないことを自覚しているあたりがステキ・・・
摂取の仕方としては、「パン類またはサラダの上に散らして食べる。細かく挽いて水に混ぜて飲んでも良い」とある。
いずれにせよ、ほんの少量のみを摂取するようにと指示されている。
・・・たくさん食べたらどうなるんだろう?
食用だけではなく、ハッバト・バラカの成分入りシャンプーや石鹸もヨルダンでは売られていた。
こちらは抜け毛や皮膚の不調等に効くらしい。私もヨルダンでは愛用していた。
以前、タムル(デーツ)に関する記事に登場してもらったヨルダン在住の友人佳子さんは、ハッバト・バラカをパンやケーキ、クッキーを作るときに使っているそうだ。
佳子さんのイメージキャラクター「忍たまの給食のおばちゃん」。本人はもっと若いんですがね
パンやお菓子以外にも、「白チーズと一緒に漬けると香りが出るし、一緒に食べても美味しい」とのことだ。
また、彼女はこれでマッサージオイルも手作りしているらしい。
「オリーブオイルに数週間漬けておくとマッサージオイルになるよ。膝、肩、腰にいいらしい。ミントも入れると爽やか!」
佳子さんちはオリーブオイルも自家製。このオイルを塗ったらお肌がつるつるになりそうな予感がする。
佳子さんお手製の、ハッバト・バラカを散らした手作りパン。うっ、食べたい・・・(佳子さんが撮影した写真を借用)
ハッバト・バラカは、日本ではAMAZONなどで購入できるようです。
「上野のアメ横にあるインド系スパイス屋さんで売られている(インド名はカロンジ)」という情報をネットで見つけたので、
アメ横に行った時に探したけど、見つからなかった・・・しくしくしく。
ハッバト・バラカ(=ニオイクロタネソウ)情報はこちら:
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/db/plant/111_120/nigella_sativa.html
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