ヨルダン最終日は朝9時半に起きた(やや早起き)。例によって、洗濯やら写真の整理やらツイッターやらをしてから、12時過ぎにようやく出かける。
まず、ホテルのすぐ近くにあるのに今まで行きそびれていた「アンマン看板博物館」(متحف آرمات عمّان 地図)に出かける。ここは2020年にオープンした時に、ヨルダンメディアで紹介記事を読んで、いずれ行ってみたいと思っていたところだ。なにしろ、無料ですしね(重要)。
道行く人をぐいぐい誘う赤い矢印
建物の3階まで狭い階段を上っていく。
下はグーグルで拾った写真。「入場無料」を前面に押し出してアピールしている。
入場無料って、素晴らしい。(有料のところには滅多に入らない私)
階段には「マスク着用遵守」と一段一段描かれていた。
中に入ってみたら、誰もマスクしてなかったが。ヨルダンは新型コロナの感染が収まっていたのでね。
博物館の内部は、昭和レトロなミニテーマパーク(看板専門)のような雰囲気だった。アンマンの人達が見たら、「あ、あれ昔よく見たやつ!懐かしい~」となるのだろう。
こじんまりした空間をいくつかに仕切ってあり、年季の入った渋い看板が壁や通路を埋め尽くしている。
ここにある看板は、かつてアンマンの街のあちこちで実際に使われていたもの。それを博物館のオーナーが数十年かけて収集し、20世紀半ば頃からのアンマンの街の記憶を宿す大切な遺産として、こうやって展示して次世代に受け継ごうとしているのだそうだ。民俗博物館の一種と言えるかもしれない。商品の壁広告もあれば、お店の看板、学校やクリニックの表札など、種類は様々だった。
感じのいい若い女性が入り口付近で案外係をしていたので、主要な看板を教えて欲しいと頼んでみたら、丁寧に説明してくれた(アラビア語で)。しかしメモを取る余裕がなかったので、聞いた端から忘れてしまった…確か、一番古い看板は1949年のもので、歴史的に重要な看板はヨルダン最初の私立学校やイラクの銀行の表札だと言われたような気がする(うろおぼえ)。彼女によると、1日あたり100人から200人がここを訪れるらしい。私がいた時も、けっこうお客が入っていて驚いた。小さくて地味そうな博物館だから、閑古鳥が鳴いているはずだと思っていたのに(失礼)。年配の人たちも、若者のグループもいて、おしゃべりしながら楽しそうに看板を眺めていた。おそらく私以外は皆地元民だろう。
この国立書店の看板も大事だと言われたような…
説明板(ぼけた)
このひと昔前のアイドル歌手みたいな人が博物館を開いたガージー・ハッターブ氏。
ちなみに、彼がポーズを取っている背後の看板に「صرصور」って書いてあるけど、これはアラビア語であの茶色くてつやつや光って動きが素早くて飛ぶこともできる困った虫のことなんですよ。あの虫を売っている店の看板と言う訳ではなくて(そんな店あるんかな)、店主の名字(ゴキ○○氏…?)をそのまま取った店名なのだと思われる。これはハッターブ氏が最初に手に入れた看板だと書いてあるが、彼はなぜこの看板が欲しいと思ったのか?
アンマン看板博物館を紹介する動画(アラビア語)
動画の最後の方(2:00~)に出てくるイラクメディアのリポーターのキャラが強め。
見学を終えて、下の階に入っているカフェでミントティーを飲んだ。後で調べたら、この「セントラルカフェ」は創業1930年でアンマン最古のカフェだという。看板博物館とセットで訪れるべき場所だろう。
バルコニーで飲んだ。壁のアラビア書道風のデザインがお洒落
ヨルダンのミントティーは紅茶にミントの枝を突っ込むタイプ
ここは紅茶が一杯0.75JDで、おじさん御用達のマクハー(喫茶店)とオシャレカフェの中間ぐらいの雰囲気と価格帯だった。つまり、お洒落な壁絵のあるバルコニーで景色を楽しみながらお茶が出来て、その割に値段は安めで、室内ではおじさんたちがまったりと水煙草を吸っているという、まさに「いいとこどり」という感じのところだ(個人の意見です)。
それにしても、私が旅行していた当時(2022年夏)、1JD(ヨルダンディナール)は185円くらいで、私がかつて住んでいた頃(1JD=150円弱だったような)に比べてずいぶん上がっていて怯えたものだが、今はさらに上がっていて、1JD=210円になってるじゃないですか。円安ディナール高、恐ろしい…
カフェの後は、市場付近にある「カイロレストラン」(مطعم القاهرة )という安食堂に行ってランチにした。ここは地球の歩き方にも載っていたところで、日本人旅行者にもよく知られている。私もずいぶん前に人に連れられて来たことがあった。
店頭のショーケースの中には美味しそうな料理がいっぱい。(外観は撮り忘れた)
3階が女性を含む家族客用のスペース
メニューは写真と英語つき(ぼけた)
バーミヤ(肉入りのオクラのトマト煮)とライス(アラブ風ピラフ)にした。
アラブ諸国には豪快で写真映えする料理がたくさんあるのに、いつも地味で安いものばかり食べて、なんかすいませんね…
バーミヤは美味しかったが、肉がほとんど入っていなかったし、ライスと水と合計で2JDだったから、私がよく行く安食堂(アンワール・クドゥス)よりやや高めの価格設定だ。但し、広い空間で落ち着いてゆっくり食べることが出来るという利点がある。そのせいか、地元の女性の一人客もいた。ヨルダンで一人で食堂に入る地元の女性を見たのは、これが初めてかもしれない。
食後、腹ごなしに市場の周りをぐるっと回ってからホテルに帰って、休憩することにした。市場の外側にも色々店が出ているので、眺めながら歩いていると退屈しないのだ。
サクランボを大量にトッピングしたかき氷
狭いカゴに子猫や子ウサギ、鳥たちがぎゅうぎゅう詰めになっているペットショップ…
サトウキビジュース屋さん
お友達も登場。2人ともネグリジェ姿(違う)
武器屋
ダウンタウンの商店街の端っこには、武器を扱う店が何軒かあるのだ。剣呑、剣呑…
ダウンタウンの外れにある高速バス乗り場
ぼんやり写真撮ってたら轢かれそうになった。
アンマンの高速バスは、出来る出来ると言われつつ、永遠に出来ないような気がしていたが、いつの間にか完成して走っていた。まさか本当に出来るとは思わなかったわい…
商店街の端っこでUターンして、市場の裏側に回った。
家具屋街のとっつきの家電製品店
二層式洗濯機も現役
ゴミの山に限りなく近い激安古着
アンマンの市場周辺でも、カメラを構えていると色んな人にポーズを取られる。
花屋もある。
量り売りのドライフードが買える店
パン屋さん
座薬形の窓の建物
小さな公園スペース
なんとなく歩き続けているうちに、ローマ劇場に着いてしまった。その手前でホテルに戻るはずだったのに。
入口
何回か入ったことあるけど、せっかく来たから入って行こうか…とはならず、その前の広場の木陰に座って休憩した。木陰でぼんやり座っている人は他にもけっこういた。
子供が水を売りに来たので買った。
ヨルダンでは、ベンチ飲みは水かお茶、コーヒーでやる。公衆の面前で屋外でビールなどを飲むわけにはいかないからな…
すずめさんも休憩中
三毛猫さんが広場を横切っていった。
呼んでも完全無視だった。何か用事があるのかもしれない。
ローマ劇場の向かい側の丘の上には、アンマン城が見える。
アンマン城も一度行ったことがあるので、遠くから眺めるだけで十分だ。暑い中、あそこまで上りたくないしな~
そろそろホテルに帰ろうと思い、そちらの方に向かって歩き出したら、坂道の下のところに猫が集まっていた。
年配の男性が、なにか内臓系のエサを振舞っていた。みんなシッポがピーンとなっている。
猫「あんたも何かくれるんですかい?」
猫たちの視線をスルーして、坂を上っていたら、アンマン城に向かう階段が目の前に現れた。そこにさっきとは違う三毛猫がやってきて、ゆっくりと登って行く。
アンマン城に行く気は全然なかったのだが、どうもミケちゃんに誘われたような気がしたので、がんばってついていくことにした。
(続く)
まさか、ゴーストライターを雇った訳じゃないですよね。(笑)
看板博物館、興味深いですね、行ってみたい。
それに写真撮らせ好きなアンマン人、是非是非、行きたいけど、アラビア語はもちろん英語もおぼつかないおじさんが1人で行くのは、嘲笑ですね。
ところで、アンマンの高速バスって、囚人護送車みたいに窓がほとんどないのですね。
このペースで、でも無理しないでくださいね。
では、また。
ヨルダンの人、片言の英語でも平気で話しかけてくるので(上手い人も多いですが)、こっちも気になりませんよ~
あのバスは記念日用の特別仕様みたいで、他のバスには普通に窓がありました~