(写真:サンタクローチェ教会のファサードにある聖フランシスコ会の紋章 十字架の前で交差するキリストとアッシジの聖フランシスコの腕)
今回はまた、2022年の旅行記のイタリア・フィレンツェ滞在記の続き(前回の記事)。フィレンツェの公園と郊外のセッティニャーノ(フィレンツェ市内北東)を散策した時の写真など。
フィレンツェのアルノ川左岸にある名もなき公園
中国人の友人や娘さんたちと一緒にピクニックした公園。ガイドブックに載っているような有名な公園ではなく、ごく普通の市民の憩いの場だ。フィレンツェSMN駅周辺からトラムに乗って、アルノ川を渡ってすぐのパオロ・ウッチェッロ( Paolo Uccello)駅の近くにある、小高い丘のような緑地だ。
友人は私より大分年下で、働きながら娘2人を育てるシングルマザーだ。私たちはその昔、語学学校で知り合った。彼女が結婚・出産・離婚する前からの長い付き合いなので、娘さんたちがこんなに育ったのを見ると、感慨深かった。上の子はもう中学生か~下の子も小学校高学年。
上の子が下の子の面倒をよく見ている。
他人の家庭、他人の人生って不思議だ。向こうから見たら、私の方が不思議だろうが。
オリーブ畑と糸杉が織りなす、いかにもトスカーナらしい風景
素晴らしいベンチ飲みスポット。ベンチの向きは逆の方がいいが。
「オリヴェート山のサン・バルトロメオ教会」(Chiesa di San Bartolomeo a Monte Oliveto)が近くにあるらしい。
世界遺産らしい。行けばよかったかな。でも、フィレンツェにいると、世界遺産かどうかなんて、あんまり気にならなくなる。フィレンツェの歴史地区全体が世界遺産だから。
遊具などがある広場のベンチでランチ
友人がパニーニ(panini =パニーノpaninoの複数形)やさくらんぼ、飲み物を用意してくれていた。私用にはもちろんビール。おじさんマークのイタリアビール・モレッティだ。
レタスとサラミをトスカーナパンに挟んだパニーノ
食べ終わったら、子供たちは遊具で遊び、私たちはお喋りして過ごした。お互いに近況報告をし、彼女の子供達のことや、将来の展望などを聞く。彼女はいつか日本に滞在して、寿司やその他の和食を習いたいらしい。私は人に将来の夢を聞くのが好きで、子供にも大人にもよく質問する。大人はこの質問をされると戸惑うが、たいていの人は、少し考えてから真面目に答えてくれる。将来の夢って、大事よね…
公園には、サマーキャンプで大人に引率された小学生らしき一団がいたくらいで、あまりひとけがなかった。暑いもんね…私たちも、あまり長居せずに丘を下りて、別れた。
カッシーネ公園(Parco delle Cascine)
私はフィレンツェに滞在する時、一度はこの公園に来て、友人とおしゃべりしながら散歩したり、1人でうろうろしたりする。この時は1人だった。フィレンツェSMN駅周辺からトラムに乗って公園の中まで入り、主にアルノ川の岸辺の遊歩道を歩いた。川の上空を飛び交うゆりかもめにあげようと思って、スキアッチャータを持って行ったが、ゆりかもめは近寄ってくれなかったので、結局ハトに撒いた。
「スキアッチャータ」(schiacciata)はオリーブオイル入りの平たいパンで、塩が効いている。パン屋さんで切り売りで買える。うまい。(ネットから拝借した写真)
なお、「スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ」(schiacciata alla fiorentina)は焼き菓子で別物。
陽ざしが強かったので、日陰を探して歩いた。
カッシーネ公園では、火曜日の午前中に青空市場が開かれているが、週一回でしかも昼過ぎには終わってしまうというのがネックで、なかなか行けない。
花盛りの木(なんだろう)
芝生をルンルン歩いていたズキンガラスさん
イベント会場でもある競馬場(l'ippodromo del Visarno) この時は閉まっていた。
道路を挟んでボール遊びをしていそうなライオンさんたち
こういう顔のイタリア人いそう
暗くなる前に公園を出た。夜のカッシーネ公園は、あまり治安が良くないという話だし、周辺は夜の商売の女性たちが立つスポットなので、夜間は近寄らない方がいいだろう。まあ、年齢的にも外見的にも、私が彼女たち(カッシーネはトランスの人が多いらしい)と間違われる可能性は低いが…
セッティニャーノ(settignano)
サンマルコ広場から10番の路線バスに乗った。終点がセッティニャーノ。バスの車窓の外を流れる風景が、市街地を抜けてから、しだいに牧歌的になっていく。フィレンツェの市内中心部からバスでせいぜい30分程度なのに、風光明媚な別荘地という感じ。フィエーゾレと似たような立ち位置だが、フィエーゾレの方がより高級別荘地のイメージ。なお、フィレンツェSMN駅から36番のバス(Cascine Del Riccio行き)で終点辺りまで行くと、これまたいい感じの田舎の風景が広がっているので、そちらもおススメだ。何もないと言えば、何もないが。
私はこれまで何回かセッティニャーノに行ったが、大体いつも適当にその辺を散歩し、最後に見晴らしのいいバールでワインを飲むくらいで終わっていた。トラットリーアなどもあったと思うが、入ったことがない。バールやジェラテリーアなどは、バス停のある広場に集まっている。かつて移民用の無料のイタリア語講座に参加した時、同級生の難民申請中のコソボ出身の若者(男前)が、セッティニャーノのカトリック系の施設に滞在していると言っていた。おそらくカリタスが運営する「Villa Pieragnoli」だ。難民申請者を一時的に受け入れて、生活支援をしているらしい。
トスカーナの田舎と言えば、糸杉とオリーブ畑と赤茶色の屋根の家々
ノックしたくなる扉
くぐりたくなるトンネル
覗き込みたくなる門
深入りしたくなる小径
トカゲが日向ぼっこしていた。
ここにもトカゲ。何匹かいた。
そういえば、フィレンツェの大家さんは、日向ぼっこしている人を見たら、よく「トカゲ(Lucertola)みたいに幸せそうに日に当たっている」と表現していた。
市営墓地
歩き疲れたら、バールで休憩
ここはARCI系の文化・スポーツ施設で、その中にバールがある。ウィキペディアをみると、ARCIとは「イタリア余暇・文化協会(Associazione Ricreativa Culturale Italiana、略称ARCI=アルチ)であり、人民の家(Casa del popolo)とそれを基盤にして結成されたイタリアにおける全国的な文化運動団体」ということだ。運動場も併設され、常連(メンバー?)が色々イベントをやっていそうな雰囲気だ。ウィキにはまた、「旧共産党系との繋がりを色濃く残している」とあるが、実際そんな雰囲気で、バールの方も、一般のバールに比べて価格設定が低めで、カウンターの中で働いている人たちが、概して感じがいい。一般客も普通に入れるので、ARCIがあったら入ることにしている。安いもん。
屋外のテーブルからの眺めがいい。プロセッコを飲みながらこの景色を堪能。
おかわりは白ワイン。暑い時は冷えた白が美味い。
酔っ払いながら、またバスで下界(フィレンツェの市街地)に戻った。飲みすぎ注意…
それにしても、あまり調べ物をせずに写真だけのせて、サクサク更新し、早くこの旅行記を終わろうと決意したはずなのに、気が付いたらいつも以上に時間をかけて調べ物をしているのはなぜだろう・・・
(続く)
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