現在86歳の父は、住み慣れた自宅からサービス付き高齢者住宅に移り住み、今年で3年が経った。
高齢者住宅に移ろうと決めたきっかけは、父に認知症の症状が見られたことだった。
排泄の感覚がわからなくなり、たまに大小便を漏らすことがあった。
これ以上は家族で支えることは難しいと判断したのだが、その当時はまだ普通に会話をすることができていたし、自分一人で歩くこともできていた。
だから父の気が向けば、自宅に戻ることもできていたのだが、今はほぼ全介助の状態になってしまった為、自宅に戻ることが難しくなってしまった。
現在の父は日中ずっと車いすで過ごし、移動も排泄もすべて人の手を借りなければならない。
また言葉はほとんど発せず、うなづくことで意思を表す。
しかし、まれに本当にめったにないことだが、まるで数年前の父に戻ったかのように元気におしゃべりすることがあって、そんな時はこのまま元気になるのではと錯覚してしまう。
ただ、それもほんのひと時のことで、悲しいかな、次に行った時にはまた力なくうなづく父に戻っているのだが。
父の病気はレビー小体型認知症だが、体調の良い時、悪い時を繰り返しながら、こうして徐々に進行していくのだろうと思う。
さて、久しぶりに元気におしゃべりができた日、父に行きたいところはないかと聞いてみた。
すると「ない。ここに居るのが一番いい。ここは天国だ」と言う返事だった。
それはそれでよかったのだが、家に戻ってみるというのはどうだろうか?
そこで「家に帰ってみたくない?」と聞いてみると、「もうどんな家だったか忘れてしまったな。でも帰ってみたいな」と言う。
父の衰えた脳を刺激するためにも、住み慣れた場所を見せてあげたいと思い、さっそくケアマネジャーさんに相談すると、「今は体調がよいので、短い時間の外出ならばいいですよ」とのことだった。
そして父を家に連れてきてあげたいと思うのは妹も同じで、妹はできることなら父を家の中に入れてあげたいと言った。
しかし、家の中に入るのは難しいのではないかと思った。
実家は一階が車庫で二階が玄関という作りになっている。
だから玄関を入るには階段を昇らなければいけないのだ。
車いすで階段は上がれないし、体の大きな父を抱えて上がるのも無理がある。
福祉用品レンタルの会社の方に相談してみると、長い外階段を上がるためには電動式の昇降機というものがあるそうだが、このレンタル料が恐ろしく高額なため、一般家庭でレンタルする人はいないとのことだった。(ちなみに10万以上するとか・・・)
だったら家の庭や近所を散歩するだけでもいい。
父が家にいた頃に、よく歩いていた場所を見るだけでも良いかもしれない。
というわけで、今日は朝からよく晴れて暖かだったため、さっそく父を実家に連れてくることにした。
高齢者住宅の職員さんからは、父の体調が良いとのことで外出許可をもらった。
介護タクシーを予約し、実家では妹が父が可愛がっていた小鳥のかごを庭に出して、父の好物の甘酒を作って、父を迎える準備をしていたのだったが・・・
今まさに、父を迎えに行こうとしていたその時だった。
電話が鳴り出てみると、高齢者住宅からだった。
なんと「お父さんが嘔吐しました。今日の外出はやめてください」とのこと。
ここ最近はずっと父の嘔吐は起こっていなかったのだが、なぜか今日に限って嘔吐するとはツイていない。
幸いそれ以上は悪化していないが、大事をとって今日の帰宅は中止にした。
寒くなる前に、父に実家や可愛がっていた鳥を見せてあげたいと思っているのだが・・・
さて、次はいつにしようか。
高齢者住宅に移ろうと決めたきっかけは、父に認知症の症状が見られたことだった。
排泄の感覚がわからなくなり、たまに大小便を漏らすことがあった。
これ以上は家族で支えることは難しいと判断したのだが、その当時はまだ普通に会話をすることができていたし、自分一人で歩くこともできていた。
だから父の気が向けば、自宅に戻ることもできていたのだが、今はほぼ全介助の状態になってしまった為、自宅に戻ることが難しくなってしまった。
現在の父は日中ずっと車いすで過ごし、移動も排泄もすべて人の手を借りなければならない。
また言葉はほとんど発せず、うなづくことで意思を表す。
しかし、まれに本当にめったにないことだが、まるで数年前の父に戻ったかのように元気におしゃべりすることがあって、そんな時はこのまま元気になるのではと錯覚してしまう。
ただ、それもほんのひと時のことで、悲しいかな、次に行った時にはまた力なくうなづく父に戻っているのだが。
父の病気はレビー小体型認知症だが、体調の良い時、悪い時を繰り返しながら、こうして徐々に進行していくのだろうと思う。
さて、久しぶりに元気におしゃべりができた日、父に行きたいところはないかと聞いてみた。
すると「ない。ここに居るのが一番いい。ここは天国だ」と言う返事だった。
それはそれでよかったのだが、家に戻ってみるというのはどうだろうか?
そこで「家に帰ってみたくない?」と聞いてみると、「もうどんな家だったか忘れてしまったな。でも帰ってみたいな」と言う。
父の衰えた脳を刺激するためにも、住み慣れた場所を見せてあげたいと思い、さっそくケアマネジャーさんに相談すると、「今は体調がよいので、短い時間の外出ならばいいですよ」とのことだった。
そして父を家に連れてきてあげたいと思うのは妹も同じで、妹はできることなら父を家の中に入れてあげたいと言った。
しかし、家の中に入るのは難しいのではないかと思った。
実家は一階が車庫で二階が玄関という作りになっている。
だから玄関を入るには階段を昇らなければいけないのだ。
車いすで階段は上がれないし、体の大きな父を抱えて上がるのも無理がある。
福祉用品レンタルの会社の方に相談してみると、長い外階段を上がるためには電動式の昇降機というものがあるそうだが、このレンタル料が恐ろしく高額なため、一般家庭でレンタルする人はいないとのことだった。(ちなみに10万以上するとか・・・)
だったら家の庭や近所を散歩するだけでもいい。
父が家にいた頃に、よく歩いていた場所を見るだけでも良いかもしれない。
というわけで、今日は朝からよく晴れて暖かだったため、さっそく父を実家に連れてくることにした。
高齢者住宅の職員さんからは、父の体調が良いとのことで外出許可をもらった。
介護タクシーを予約し、実家では妹が父が可愛がっていた小鳥のかごを庭に出して、父の好物の甘酒を作って、父を迎える準備をしていたのだったが・・・
今まさに、父を迎えに行こうとしていたその時だった。
電話が鳴り出てみると、高齢者住宅からだった。
なんと「お父さんが嘔吐しました。今日の外出はやめてください」とのこと。
ここ最近はずっと父の嘔吐は起こっていなかったのだが、なぜか今日に限って嘔吐するとはツイていない。
幸いそれ以上は悪化していないが、大事をとって今日の帰宅は中止にした。
寒くなる前に、父に実家や可愛がっていた鳥を見せてあげたいと思っているのだが・・・
さて、次はいつにしようか。