しばらく話していなかった友人と、一年ぶりくらいに電話で話をした。
彼女とは学生時代からのつきあいなので、一年くらい開いていても、すぐに昔のように話が弾む。
一年間の色々なことを話していたのだが、突然彼女から「ちょっと大祓祝詞を言ってみてよ」と言われて驚いた。
実は、彼女も私が毎日行っている神祀りと先祖供養をしている。
元はと言えば、彼女が先に先祖供養をやっていた。
そして彼女からそれを聞いたことがきっかけで、私も始めたという経緯があって、彼女は言わば先祖供養を教えてくれた恩人とも言える。
そんな友人は、もちろん今も毎日欠かさずに神祀りと先祖供養を続けているそうで、このようなことを話せるのは、友人の中でただひとり、彼女だけなので話していても楽しい。
私が毎朝、神祀りの時に大祓祝詞をあげていることを話したら、彼女が突然「大祓祝詞を言ってみて」となった。
「ここで?電話で?」と驚いて聞くと、彼女は「そう。言ってみて」という。
「もう~恥ずかしいけど、そんなに聞きたいのならやるわよ~」と、電話口で大祓祝詞をあげた。
大祓祝詞を全部あげるのは長いし、電話なので小さな声で祝詞のさわりだけをあげたら、彼女が「もっと大きな声で、お腹から声を出した方がいいわよ」と言う。
彼女曰く「お腹から大きな声を出して、周りにいるかもしれない見えない方々にも、よく分かるようにあげた方がいい」とアドバイスをくれた。
実は、彼女は「声」を使う仕事を長くやっていて、このように文章を読み上げることには、ちょっと、いや、かなりうるさい。
大祓祝詞の内容より、私のあげる声を聞きたかったようだ。
とは言え、私はしろうとだし、これでいいのではないだろうかと思ったのだが、「お腹から毎日声を出していると、元気になるし若返るわよ」とのことだった。
ところで、彼女の言葉を聞いて思い出したことがある。
それは、先日、知人にチケットを頂いて行ってきたコンサートでのことだった。
詳しい内容は省略するが、そのコンサートに出演されていたのが、歌手の五木ひろしさんで、昔と変わらぬ歌声で観客を魅了していた。
私は昔からのファンというわけではなかったが、知っている曲の数々に思わず聴き入ってしまうほど、五木ひろしさんの歌は上手だった。
後ろの席に座っていた女性が「五木ひろしは、やっぱりうまいねぇ」と独り言を言っていたが、そんな風に言いたくなるのも分かるくらい歌がうまかった。
歌手なので、歌が上手なのは当たり前かもしれないが、五木ひろしさんの年代(71歳だそう)で、こんなに声量があって、昔とほぼ変わらない歌声というのは、すごいと思った。
そして、何曲か唄った後の五木さんのお話が印象的だった。
「みなさん、体のどこから一番先に老化してくるか知っていますか?」
一番先に老化する場所?足かな?・・・と思っていたら、五木さんが「喉なんです」とおっしゃった。
そう言われてみると、私自身も若い頃より咳込みやすくなったし、亡き父や義母は、話す時に声がかすれる様になったと思っていた。
「私は毎日、喉を鍛えているんです」と五木さんはおっしゃった。
「だから昔と変わらずに、ワタシいい声してるでしょ?」と茶目っ気たっぷりに笑った。
残念ながら、どのようにして喉を鍛えているのかというお話はされなかったが、さすがはプロの歌手、きっと毎日鍛錬されているのだろうと思った。
というわけで、友人からもアドバイスをもらったし、今は家族がいない時に限って、大きな声で大祓祝詞をあげている。
たまに咳込んで中断してしまうけど・・・