久しぶりに山を下り(笑)、長女と二人で都心部へ行って来た。
目的は芸術鑑賞。
というのは表向きの目的で、本当は長女に賑やかな街の雰囲気を味あわせるのが目的だった。
長女はまだまだ賑やかな都会へ行きたいお年頃だが、友だちと遊びに出かけるのが難しいので、こうしてたまに私が一緒に出かけることにしている。
街をぶらぶらして、どこかでランチを食べて、お茶を飲んで帰ってくるのがいつものパターン。
会うのは鹿や狐、たまに狸といった自然豊かな場所から行くと、街の中心はどこもかしこも刺激的に見える。
今回は、事前に調べた美術鑑賞ができる所へ行こうと思っていた。
最初に訪れたのは道立近代美術館。
今やっているのはジュール・パスキンという画家さんで、パスキンと同じ時代、二十世紀の前半にパリを拠点としていた画家たちの絵も一緒に飾られていた。
芸術にはまったく疎いので、パスキンさんのことは知らなかったが、華やかな成功のかげでアルコール依存症と鬱病を発症し、45歳で自ら命を経ってしまったと紹介文には書かれていた。
展示物は写真撮影が禁止なので、ここには載せられないが、パスキンさんの絵は観ているとどうも落ち着かなくなる。
なんだか気持ちが混乱してくるというのか、、、絵が高く評価されたから、こうして世界の美術館に飾られているとは思うが、あまり好みではないかな〜
でも、いいと思う方にはいい絵なのだ思う(当たり前ですが)
別の展示室では「琳派×アニメ」展が開かれていた。
こちらは展示されていた「鉄腕アトム×富士」の屏風。
ここは写真撮影ができるので写真を撮って来たが、有名な絵師、俵屋宗達や尾形光琳の絵が鑑賞でき、更にそれらの絵に現代のアニメをミックスさせた作品も観ることができた。
アトムやブラックジャック、火の鳥といった有名な手塚治虫作品のキャラクター、リラックマ、初音ミクなどが琳派と呼ばれる古い絵の中に描かれていて面白かった。
近代美術館の庭の桜は、今が満開。やっと春が来たのだと思ったらウキウキした気分になる。
桜を見て次に向かったのが、大丸百貨店で開かれている「リト@葉っぱ切り絵 優しい森の仲間たち展」
リトさんとおっしゃる男性が、葉っぱに切り絵をした作品なのだけど、これがまるで神わざかと思うような細かさで驚かされる。
そしてかわいい動物たちの姿に思わず笑みが出てしまう素敵な作品ばかり。
手のひらよりずっと小さな葉っぱに、よくこのような精巧な切り絵ができるものだと思う。
こちらの展覧会は、長女も大喜びで観ていた。
ところで芸術鑑賞をしてランチを食べて、ぶらぶら歩いていたらカメラとマイクを持った三人の若い女性たちに声をかけられた。
「すみません。○○○の△△という番組なのですが、ちょっとお話いいですか?」
それは地元のテレビ局でやっている番組で、テレビ大好きな長女はすぐに分かったそうだが、私はほとんどテレビを観ないのでびっくり。
最近の国内情勢とか難しい意見を求めらたらどうしよう、、なんてことが頭に浮かんだ。
「な、なんですか?」と警戒心出しまくりで聞いたら、スマホに保存してある外食で写した料理の写真を見せてほしいとのことだった。
その写真を使って、実際にお店に行って取材をするそうだ。
それなら大丈夫だわと思ったが、大丈夫ではなかった。
そもそも外食に行って料理の写真をとるということをほとんどしない。
旅行先ではたまに撮るのだけど、地元じゃないから使ってもらえないだろう。
理由を言ってお断りしたが、長女は「テレビに出ている人だった」と大興奮していた。
街は刺激がたくさんある。
良い刺激を受けて、気分が明るく楽しくなって、たまには街なか散歩もいいものだと思う。
帰り道「また行こうね」と長女と約束をした。