一人の人間の中には二つの意識があるのだという。自我と真我。
自我は、生まれてからこれまで培ってきた様々な経験から、私はこれが好きだとか嫌いだとかという自分を主体にしたもので、普段は私も含めて自我が強く出ている人が多い。
一方の真我とは、表面の自我に覆われた私ではなくて、心の奥深い部分にある調和のとれた意識のことだそうだ。
ところで先日、大腸カメラの検査を受けてきた。
昔、受けた時よりずいぶん時間が長く感じてつらかったのだけど、途中で医師が「ん?なんだこれは?大きいぞ。キャンサー(癌)ではないな」と看護師さんに話すのが聞こえて焦った。
検査が終わって医師からの説明を恐る恐る聴きに行くと、なんと1センチくらいのポリープが一つあったそうだ。
「このままにしておくと癌になる可能性があるので、切除しましょう」と言われ、来月一泊の入院をしてカメラで切除することが決まった。
ボー然と医師のお話を聞いていたら、看護師さんが「今のうちにわかってよかったですね」と仰ってくれた。
そうなのだ。今のうちにわかって本当によかった。これがもっと大きくなると、癌の可能性が高くなっていた。
でも本当は昨年のうちに、ポリープがもっと小さな時に検査を受けていたらもっとよかったのかもしれない。
特に不調があったわけでは無いのだけど、なぜかわからないが、昨年からずっと大腸カメラを受けた方がいいと思っていた。
それで何度も消化器科のある病院を調べていたのだが、大腸カメラは嫌だ、受けたくないという気持ち(自我)が強すぎて、まだいいか、、、とそれ以上進めることをしなかった。
しかし大腸カメラを受けた方がいいという気持ち(真我)は、今年になってから益々強くなり、今年の二月に毎年受けている健診を、初めて消化器科専門の病院にした。
そこで大腸カメラを受けようと思って、看護師さんに受けたいことを告げると、「まずは便潜血検査の結果を見てからでよいのではないでしょうか」と言われた。
健診では便潜血検査もすることになっていたので、看護師さんにそう言われて「それもそうだよね」と納得してしまったのだけど、なんとなくモヤッとした気持ちになったことを覚えている。
これは、本心(真我)が納得していなかったのだと思う。
しかしここでも受けたくないという自我が勝り、便潜血検査で陰性だったことに安心して大腸カメラを受けずに終わらせてしまった。
そして、これが最後のチャンスだったのかもしれない。
前のブログ記事でも書いたが、友人からの連絡で初めて(真我に沿って)受けてみようと思うことができた。
友人からの連絡がなければ、まだまだ受けていなかったはずなので、友人には感謝してもしきれない。
というわけで、自我と真我のお話。
ちなみに真我は誰にでもあるもので、特別なことではない。
これからはもっともっと真我に耳を傾けようと思う出来事だった。