自然豊かな郊外に住むようになって、滅多に街の中心部へ出かけることがなくなった。
中心部は開発が進み、30数年前にOL(古い?)していた頃とはずいぶん変わった。昔は無かった地下へ入ると、自分のいる場所が分からなくなってしまったりする。
昔は毎日通っていたのに、30数年と言う年月の流れをしみじみと感じる。
ところで郊外に住むと、まず中心部まで行くのが億劫になった。
行くまでに時間がかかり過ぎる事と、街は人が多過ぎるので苦手だ。
絶対に行かなければならない用事でもあれば行くが、買い物くらいでは行きたくない。
大抵のものは近所で間に合うから、ますます行かなくなった・・・と先日、友人に話したら「だめだよ。たまに刺激を受けに行かなきゃ。私なんて一ケ月に一度は必ず行くと決めているの。ウインドウショッピングして、お茶飲んで帰って来るだけなんだけど、いい刺激になってるよ。今度、一緒に行かない?」
そう言われたが、丁寧にお断りしておいた。
友だちと話すのは楽しいけど、ウインドウショッピングは疲れるだけだ。(これが老化現象というものなのかもしれないが・・・)
家でのんびり本を読んでいるか、行くなら自然のある場所の方がいい。
友だちにはそう言ったが、実は年に一度か二度ウインドウショッピングしてお茶飲みをする為に街の中心部へ行かなければならない。
それは長女が行きたいと言うからで、知的障害がある長女は一人では行くことができず、かと言って一緒に行く友だちもいない。
若い時なら賑やかな都会へたまには行きたいだろう。
次女が行くのをうらやましそうに見ているのが不憫すぎて、私が一緒に行くことにしている。
昨日も次女が街で通勤に着て行く洋服を買ってきたと言うので、長女に「行く?」と聞いてみた所、即座に「行く!」という返事が返ってきた。
朝食後に家を出て一時間ばかりバスに乗って、やっと着いた中心街で、まずはショッピング。今回は、なにか長女にも洋服を買ってあげたいと思っていた。
長女はこだわりが強くて、自分が気に入った服を古くなってもずっと着続ける。
それが例え流行遅れだとしても、生地が伸び切っても、自分が気に入っているものならかまわない。
本当はこういうことでもよいと思うのだが、やはり長女も年頃の女性なので、少しはおしゃれをさせてあげたい。
というわけで駅前のおしゃれな店をずいぶん見て歩いたのだが、長女が欲しいという服は見つからず、輸入品の食料店で見たお菓子に目を輝かせたので、それを買った。
いつも長女が街でしたいことは決まっている。
ひとつは輸入品のお菓子を買うこと、そしてもうひとつはカフェでお茶を飲むこと。
もちろん今回も両方クリアした。
残るは、私の希望なのだが、長女に洋服を買うことだった。
さて、どこへ行こうと思った時に足が向くのは、私が若かりし頃に通ったファッションビル。やはり人は無意識に慣れた場所へと行くものなのかもしれない・・・
今はすっかり街の賑わいと人の流れが変わって、そのビルは私が若い頃のような賑わいは無くなったと聞いたが、行って見ると若いお客さんがけっこういた。
しかし私が行っていた頃とは、お客さんの雰囲気や置いてある洋服がなんとなく違っていた。
金髪で真っ青の口紅をした女の子とか、モヒカンに近い髪型の男の子とか、昔は見かけなかった容貌のお客さんがいるし、置いてある洋服もド派手なものが多いような気がしたが、とりあえず見て歩き、ここいいかもと思ったお店に入った。
「いらっしゃいませー!安くなってるから見て行ってね~。なんだったら試着もしちゃって~」と、テンションの高い店員さんに迎えられて店内を見ていたのだが、なんと、ここでついに見つけてしまった。
一目見て、これは絶対に長女に似合うと思った服を見つけた!
値段を見ると、税抜き8900円のものが4900円に値下げされている。
久しぶりに洋服にときめいた。
これを買わずして何を買う!なんて、大げさだがそう思うほど、この服は絶対に長女に似合うと思った。
長女に聞いてみるとまんざらでもないようなので、試着させてみた所、思った通り長女に似合っていて、長女も気に入ってくれた。
久しぶりに(私が)ときめいた洋服を買い、満足して帰宅した。
次女に買った洋服を見せると、「えっ、あのビルで買ったの?あそこはギャル系の洋服ばかりだから私は行かなーい」だとか。
いいの、いいの。気に入った服が見つかれば、ギャルだろうが何だろうがいいのよ。
というわけで、久しぶりに出た街でかなりいい刺激を受けてきた。
また長女と一緒に刺激を受けに行こう。
次は半年後かな~