今年の春から新社会人になった次女は、研修期間を終えていよいよ配属先が決まった。
次女の配属先は、精神的にも肉体的にもハードというので内部では有名な部署だそうだ。
しかし、次女はかねてからそこに配属されるかもしれないと思っていたようで、特に悲観することなく早く仕事を憶えなきゃと言って、毎朝作ってあげるおにぎりを二つ持って出勤している。
「おかずは要らないの?」と聞いたら、「ゆっくり食べてる暇がないから、おにぎりだけでいい」とのことだった。
それならお腹が空くだろうと、特大のおにぎりを作ってあげていたのだが、しばらくして「恥ずかしいから、もっと小さくていい」と言ってきた。
どうやら「ソフトボールみたいなおにぎりだね」と誰かに言われたらしい。
それはさておき、今年就職三年目の長男の時も思ったのだが、今の新人は私たちが新人だった頃と比べると、独り立ちをするのが早いような気がする。
40年近く前は、独り立ちするまでもっと時間をかけて仕事を教えてもらっていたが、最近はどこもあまり時間をかけず即戦力として、早い時期から先輩たちと同じ仕事をひとりでしているようだ。
その背景には人手不足の問題もあるのかもしれないが、私たちが新人の時代はまだ恵まれていたのだと今になって思う。
そんなわけですぐに独り立ちをした長男だったが、一年を過ぎたあたりからみるみる顔つきが変わってきた。
それまでは、割とほわんとしたボンボンの顔だったが(うちはボンボンと言えるほどのお金持ちではないが)、それが眼光のあるきりっとした顔に変わっていった。
苦労しているのだなぁと思ったが、長男の様子からはやりがいを感じて仕事をしているようなので、顔が変わるほどの成長が嬉しくもある。
さて、今年新人の次女。
こちらもすぐに独り立ちをするらしいのだが、仕事柄危険なこともあって、私はそれが心配だ。
できることなら危険な場所へはついて行ってやりたい・・・なんて親バカもいいところだが、当の次女は「仕事なんだから仕方ないっしょ」と平然としている。
学校を卒業させて就職をしたら親の務めは、ほぼ終了。あとは見守るしかない。
せめてできることは、栄養のある食事を作ってやることくらいだろうか。