バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

トルネードがかすめていった夕べ

2008年06月06日 | アメリカ生活
もう、こんな思いはしたくない。




昨日は午後4時ぐらいから、雷雨注意報が出ていたのだが、
ブログを更新しているころから雷も雨も「やっぱりそうか」と
うなずいてしまうほどひどくなった。

それでも電気がつながっているうちは人間は、とういうか、私は
楽天的でいられるようで、気にせずに普通の生活を続けていた。

ブログを更新し終えてから、メールをチェックしたり、
他の人のブログを読んだりしていたところで、さすがの私でも
手を止めた。

雨というよりは、もっと硬いものが窓を叩き始めたからだ。

気持ちが悪くなって窓辺に行き、私を最初にぞっとさせたものは、
暗い空から降ってくる「ひょう」だった。

これが降ってくるのって、あまり良い報せではない。

案の定、1階でTVを見ていたハニバニ(夫)が、

「トルネード警報に変わったよ」

と言ってきた。TVからは悪天候を知らせる警報がビービーと
ひっきりなしに鳴っていた。

もう一度窓辺に行って空を見た。






いつもは青空ばかりを写真に撮ってはうかれている私なので、
こんな色の空の写真は大嫌いだ。不吉極まりないではないか。

冷蔵庫を開けて、真っ黒な悪魔が飛び出してきたらびっくりするが、
こんな空から降りてくるのなら、なんだかわかるような気がする(でも怖い)。

少ししてハニバニが、外をチェックすべくガレージのドアを
開けてタバコを吸いに出ていたので、私も気になって行ってみた。

もうね、風がすごいってもんじゃないのよ。

突風とかなら一定の方向に吹くが、昨夜の風は四方八方から
ぐちゃぐちゃにやってくると言う感じ。
ハリケーンでもあんな不安定な風を起さない。

茫然といしていたら、封を切ったようにハニバニが言う。

「地下へ移動しよう。猫、捕まえて。」

はっきり言って、彼のこの言葉が一番怖かった。

猫を捕獲して、一緒に地下室に避難した。
できるだけ窓から離れるようにと言われているが、外が気になって
しょうがない。裏の林の木が信じられないぐらい風で萎えてた。

身の安全を祈らずにいられないぐらい怖い時間を過ごしたら、
風が治まってきた。っていうよりも、「さっきのは一体何?」って
聞きたくなるぐらい、突然静かになったという感じか。

ちょっと安心して上に上がって外の様子を見てみた。
あの黒い雲はどっかに行ってしまっていたが、
今度は雷雨がすごかった。
雷っていうよりも、あれだね、空で爆弾が破裂してるっていうような音。


地下室から自由の身となったミディーとフリスキーだったが、
雷にびびりまくって、どこへ逃げたらいいのか、右往左往していて、
それを見るのもなんだか気の毒だった。
人間でも不安になる音だから、聴覚が優れている猫にとっては大変だったろう。

そうこうしていると、こんどはいきなり停電になった。
(これは起こるだろうとは思っていたけど)

太陽が出てない夜とかにくる天災ほど怖いものはないと思う。

いつもは出番のない、埃をかぶりまくった小型ラジオが登場する。

そのラジオで、先ほどのトルネードがNorthern VA周辺にタッチダウンした
ことを伝えていた。近いな、とは思ったけど、本当に近かった。

大きくため息を吐く。

外ではまだ雷の稲妻と爆音がすごかったが、風が弱まっていたので
表にでてみた。

近所の人も同じようなことをやっていて、みんな口々に、
「地下室に閉じこもっていたよ。怖かったねー。」など
話していた。


結局、暗闇で懐中電灯の明かりでシャワーを浴び、
寝床についた。エアコンがつかないので、すごく寝苦しい夜だった。

「こんな夜は初めてじゃないけど、不便でやだね。」と不平を言うと、
「でも家がちゃんとあるじゃん。不平言うな。バカ。」と言われた。

それも、そうだ。

よかった、よかった、よかった、と感謝していると、自然に眠りに落ちた。


そして変な言い方だが、あまりの心地よさで目が覚めた。
午前1時半。
電気が回復して、エアコンが入ったのだ。

とりあえず起き上がって、目覚まし時計をセットして、また眠りに落ちた。



そして今朝。

 快晴なり


空は絶対に青いに限るよね。
コメント (4)