つくば地方では徐々に秋が深まっている感じですが、つくば実験植物園の熱帯雨林温室では、殆ど温度が変わらないので、何時も花が咲いています。写真は「オオバナサルスベリ」で、落葉高木です。花は高い位置に咲いていました。薄い赤紫色のとても美しい花が集まって円錐花序を形成しています。この植物は、「バナバ」と言ったら注目する人も多いでしょうが、古来この樹の葉を煮出して健康茶として飲まれてきました。最近の健康食ブームで、血糖値の上昇を抑制するお茶として再び大きく注目されてきています。和名は「大花百日紅」と言われていますが、まだ知名度は低いように感じます。写真は10月15日に撮影しました。
菊の季節になりました。つくば実験植物園でも各種の菊が咲き始めました。絶滅危惧植物展示区画でひっそり咲いているイワギクを見つけました。濃い緑の葉に、白い花がとても優美です。花は3㎝程度の小さな花ですが存在感があります。絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定して保護されています。この植物は、太古の昔日本が大陸と繋がっていた時代の遺存植物と言われていると図鑑に出ていました。朝鮮半島・中国・シベリアに分布するほか、わが国では北海道から九州にかけての海岸の岩場や崖などに生育しています。写真は10月15日に撮影しました。