鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『八月納涼大歌舞伎』②

2008-08-17 20:20:37 | Weblog
昨日のブログの続き。

日比谷から東銀座の歌舞伎座迄、近いようで遠く、遠いようで、案外近い・・・。
とても暑かったせいか、歩いている時は、風が心地よいのだけれど、信号待ちで、止まったりすると、もう汗が噴出してくるよう・・・。
夕食のお弁当をGetすべく、三越の地階へ行く予定だったのに、何故か、三越の前を通過・・・。
あれれ・・・???やっぱ、暑さのせいですね。無事、お弁当もGetして、イザ、歌舞伎座。

昨日も書きましたが、今回は、三部制ってことなので、開場時間も、普通より10分近く短い。
この状況では、開演前に弁当食っている暇がないではないか・・・しかし・・・大分歩いて、暑さにイカレた身体に、すぐ弁当は、キツイ・・・。一幕が終わった幕間に、食べる事にして、今は、Cool down・・・。

さて、開演。
まだ猛暑だというのに、舞台は、錦秋の紅葉。
一幕は、舞踊の紅葉狩。
勘太郎さんの更科姫・・・とても綺麗で、踊りもお上手な方ですね。鬼神に変化したあとの男っぽさとのギャップが面白い。
巳之助さんの山の神もなんだか可愛い。

そして、今回の目玉。野田版・愛陀姫。
オペラ『アイーダ』をNODA-Map主宰の野田秀樹さんが、戦国時代の美濃に置き換え歌舞伎化。
難しい言い回しもなくて、ほぼ、現代劇感覚で見ることが出来ました。
セリフにもありましたが、濃姫役の勘三郎さん・・・灰色のドウランをお顔に塗っておりまして、複雑な性格の役柄を、静かな抑えた演技で、演じておられました。
息子さんの七之助さんは、濃姫の恋敵・タイトルロールの『愛陀姫』を可憐に美しく楚々と演じていらして、この方、線が細く、声もよく通り、お旗本のご令嬢役なんかもすごく似合います。
(多分、同じ年齢という設定だと思いますが)恋のライバル同士、お衣装も対照的。
黒地で、格調のある内掛けの濃姫と、紅地に銀色の菊花の清楚な衣装の愛陀。
橋之助さん演じる木村駄目座衛門をめぐる三角関係。
・・・でも、親子で、恋敵を演じるっつーのも・・・。

特筆すべきは、インチキ霊媒師役の福助さん、扇雀さんの怪しいコンピ。
コミカルかつ終幕では、威厳ある演技で、会場を盛り上げていました。
最初は、濃姫に脅迫されて、濃姫の意思どおりに預言を行っていたものの、終幕では、立場が逆転。
濃姫を恋敵の織田家へ嫁がせ、追い払ってしまうくらいの権力を手に入れる・・・なんか野田さんらしい・・・(私は、オペラのアイーダを見たことがないので、アイーダの預言者達がどんな役割を演じているのかわからないので、なんとも言えないのですが・・・)。

歌舞伎では、めずらしい?映像演出もあって、これは、特に、劇団☆新感線の得意とする手法ですが
歌舞伎も現代劇の演出家さんとコラボレーションして、新作を沢山作ってほしいな・・・。
次は、新感線のいのうえひでのりさん・・・あたりとタッグを組んでみては・・・凄い作品が出来そう・・・だけどちょっと怖い・・・。
あっ・・・でも、いのうえさんも『いのうえ歌舞伎』と標榜してますか・・・。