鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

波とうさぎ②「弧宿の人:宮部みゆき著」

2008-08-06 21:20:05 | Weblog
今日も暑くなりました。

朝起きて、なんかクラクラするので、仕事もようやく一段落したので、休暇を取って、一日中、横になっておりました。

さて、前回のブログで、黒地に波と跳ねうさぎの紋様の扇について、書きましたが、波とうさぎというかけ離れたふたつが一緒に描かれるというのは、やはり昔からなにか意味があるのでしょうか?
そんなことを考えていて、ふとこの波とうさぎで思い出したのが、宮部みゆきさんの『弧宿の人』の表紙と作品の冒頭にでてくる海うさぎ。

四国は讃岐・丸海藩。
この地方では、風がないのに海に、白い小さな波が立つとき、うさぎが飛んでいるといい、半日もしないうちに、大風が吹いて、雨になるという・・・。

孤児同然で、ちょっと頭のぼんやりした・・・けれども、いつも一生懸命なけなげな『ほう』とその『ほう』にいつも優しく、いろいろ教えてくれる美しい琴絵様との会話からこの物語は、はじまります。

この本が単行本として上梓されたのが、3年前で、最近、文庫化になったみたいですが、文庫本の表紙もやはり、波とうさぎなんでしょうか・・・。

この物語で一番印象に残っているのが、少女の『ほう』。
大店の若旦那とどうしようもないおっかさんの間に生まれて、育たずに死ぬ事を望まれた子供だった『ほう』のあまりにも過酷で、冷たい扱いをする大人達に対して、幕府の罪人・鬼と呼ばれていた男・加賀殿との不思議な交流。
そして、物語の冒頭にしか登場しませんが、『ほう』にいつも優しくしてくれる藩医の令嬢・琴絵様の存在が、何故かいつまでも心に残ります。

さて、この幕府の罪人・加賀殿のモデルとなったのは、かの鳥居耀蔵だとか・・・

そういえば、劇団☆新感線の『大江戸ロケット』で、峰岸徹さん?だったと思いますが、演じていらっしゃいましたね。
弧宿の人の加賀殿とは、ちょっとイメージが違うけれど・・・。
(私は、平幹二郎さんとか石坂浩二さんのイメージで読んでしまいしたが・・・・)