鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『冬の絵空』**雪と花吹雪の幻影④

2009-01-21 21:11:48 | Weblog
日曜日から連続で書いております『冬の絵空』本日ファイナルってことで・・・。
ほんとすみません。
ずっと同じタイトルで・・・。

この舞台、忠臣蔵です。
日本人の大好きな忠臣蔵。

ドラマのプロローグでは、雪。
そして、エピローグでは、桜吹雪・・・と日本人の大好きなアイテムは、外しておりません。

忠臣蔵の四十七志は、太平の世に慣れきった所謂、階級は、武士でも刀すら満足に扱えない武士ばかり。
浅野家お取り潰しになっても他藩へ仕官の口もみつからないどうしようもない藩士ばかり・・・という設定。勿論、大石内蔵助もそのひとり・・・という、フツーの忠臣蔵とは、ちょっと違うし、最後の最後まで、討入りを阻止しようとしている大石内蔵助が、吉良上野介に渡りをつけて、浅野家お家再興まで実現一歩手前まで、こぎつけた・・・というあたりも、今までの忠臣蔵とは、どうも違うようです。

なかなか面白い忠臣蔵でしたが、このドラマで、セリフが極端に少ない、シロウ(犬男)役の片桐仁さんの存在に謎が残ります。
禁制のキリシタンで、犬以下のキリシタンなら、犬になれば、その咎を逃れ、信仰を全うできる・・・という役柄でしたが、これは、どう解釈したらよいのでしょうか?
お軽に影の如く付き従い、大石内蔵助に謎をかけ、自分の存在の証を立てよと迫る・・・
シロウというからには、天草四郎なのか・・・とふと関連付けては見るけれど、どうもよくわからない。
そのあたり、もう少し、ドラマのうえで、説明がほしかったと思います。
片桐さんも不思議な雰囲気のある方で、ひと目みたら忘れないような独特な個性がありますね。

そして、もうひとり、このドラマのヒロイン・お軽・・・この役もなかなかどうして難しい役でしたね。
捉えどころがない・・・。
引っかきまわすだけ引っ掻き回して、あのラストは、ありなのだろうかとワタシ自身は、ちょっと納得のいかないラストでした。
あれで、身の証が立ったのだろうかと・・・。
中越典子さんとても可憐なんだけれど、どうも印象がいまひとつと言ったカンジは、いなめませんでした。仮名手本忠臣蔵のお軽とかのイメージが固定されてしまっているせいなのか・・・。
加藤貴子さんと逆のキャスティングでもよかったのではと思うけれど・・・。

今回、いろいろ書いてしまいましたが、今年の初観劇としては、なかなか面白い作品に出会えました。

特にラストの桜吹雪は、圧巻の美しさ・・・。