鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

リチャードⅢ世*科白(セリフ)とモニターのジレンマ

2009-01-24 20:55:06 | Weblog
曇り空の一日。
昨日は、もう春・・・?ってくらいの暖かさだったのだけれども・・・。
そんな中、赤坂ACTシアターへ『リチャードⅢ世』を観劇に。

今回は、座席位置に難ありで、2階席前方左サイド。

劇団☆新感線のいのうえひでのりさんのモニターを多用した舞台だったが、それでなくても難しいレトリックなセリフ、英国薔薇戦争時代の複雑な相関関係を、モニターで視覚化しているものの、どのモニターをみても、視界を遮る障害物(壁の一部だとか、コードだとか、ネットだとか・・・)に邪魔されて、よく見えない・・・なんで、これで、S席料金なんだろう・・・と・・・。
モニターを追っていると、役者さんのセリフに追いつかない・・・。セリフを追っていると、モニターがお留守になってしまうジレンマ。
しかも、2階席は、空席もチラホラしていて、抽選で、ハズレて、やっとこ、取ったチケットなのに・・・と今回の観劇の不運さを象徴するかのよう・・・。

シェイクスピアは、セリフが難しい。
今回の出演者は、かなり芸達者な方ばかり・・・。
モト劇団四季の榎木孝明さん・三田和代さんをはじめ、セリフ廻しの達者な方ばかりだった。
そんな中、主役の古田新太さん・・・どうしたんだろう・・・と思うくらい、いつものアクの強さのないリチャードⅢ世になってしまっているようだった。
肝心のセリフが、聞き取りづらい・・・座席のせいだろうか・・・。
膨大なセリフに振り回されているような気がした。

それでも、さすが、いのうえさんと思わせる舞台構造。
休憩時間を含め約3時間半の長さを感じさせない・・・。
古典であるシェイクスピアのストーリーにどんどん引き込こむ手法は、いつもながら魅力的な演出であると感心した。

パソコン・携帯電話・マシンガンといった現代アイテムを多用しながらのシェイクスピア。
但し、今回は、新感線色のあまりない原作重視の『リチャードⅢ世』だったようだ。

『朧の森に棲む鬼』の下敷きとなった作品でもあり、かの『メタル・マクベス』といった脚色版のシェイクスピアを見たい方には多少物足りないかもしれない。
ただ、本来のシェイクスピア・ファンなら、納得がいくかもしれない。

今回は、仕事で一緒だったモト相棒がお連れ様。
『セリフを追うので必死でしたぁ~。』
と大分、お疲れのよう・・・やはり、『朧の森に棲む鬼』、『メタル・マクベス』のラインでの作品を期待してたようで、ちょっと難しかったです・・・との感想を述べられてた。

慣れないと難しいか・・・シェイクスピア・・・。

明日に続きます。