鼎子堂(Teishi-Do)

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『甲子園の空に笑え!:川原泉・著』

2009-08-21 21:04:11 | Weblog
くもりがちで、蒸し暑い一日。

臨時休業中の出勤のため、静かに仕事が出来るのが嬉しい。

そろそろ、高校野球もクライマックスでしょうか?

私は、野球は、どこが面白いのか、実は、よくわかりません。
でも、漫画だとかドラマになると面白いんですよね。

まあ、古いところしか存じ上げないのですが、『巨人の星』も『侍ジャイアンツ』も、プロ野球選手への第一関門としての甲子園がある訳です。
『ドカベン』なんかは、モロ・高校野球でしょうかね(最初しか見てないのでその後、どうなったのか確認できないのですが・・・)。
あと・・・なんだろう・・・。高校野球が舞台の漫画って・・・。

少女マンガの狭い狭い領域の中で、異色なのが、今日の御題・・・川原泉さんの『甲子園の空に笑え!』
設定が、普通の野球マンガとは、全く違っていて、田舎町に赴任してきた新人の生物の女性教師・広岡真理子先生が主人公。
この田舎の高校は、豆の木学園。
野球部もギリギリの部員で、毎日楽しく練習をしているんですね。
部員は、少女マンガ的な可愛らしい男の子ばかり・・・。
大人しいおっとり系の男子ばっかりで、厳しいスポーツの世界とは、無縁で、まったり日だまりのよう。
お家が農家で、農繁期には、練習は、なし。おうちのお手伝い・・・そんな可愛い生徒達が、何故かわけのわからない運に恵まれて、甲子園出場を果たす・・・という想定外のストーリー。
少女マンガにおける殆ど、唯一の『高校野球』モノだと思いますが、後続で、こういうスポーツマンガを描いている漫画家さんているのかどうか・・・(漫画から離れて、もう、数十年だし・・・)。

この『甲子園の空に笑え!』の続編とも言うべき、『メイプル戦記』が刊行されますが、これは、日本初の女性(+オカマ一名)のプロ野球集団・スィート・メイプルズへと展開してゆくのですが、このプロ野球集団のヘッドになるのが、豆の木学園・野球部監督・広岡真理子先生なのです。

川原さんの画力には触れまいと思います。
キャラクターに見分けがつかないこともこの際、ご法度です。
(ファースト・セカンド・サード・ショートのポジションは、四つ子の兄弟で、全て同じ顔をしている。メイプル戦記でも、同じ顔の四つ子の姉妹が割り当てられている)

しかし・・・ホント・・・面白い。

日溜りの暖かさ。メンバーが9人しかいないチームの選手達に、広岡先生は、心の中で呟く。
『今日も幸せだといいね・・・。笑っていられるといいね・・・。楽しいといいね・・・。(ウロ覚えなんでちょっと違うかもしれませんが・・・)』

勝負だけのスポーツ漫画と違って、なんて優しく暖かいんでしょう・・・。