鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『狭き門より入れ』③~世界を構築する深遠なる謎解き

2009-08-25 21:01:41 | Weblog
風既に秋。夕方は、肌寒ささえ、感じる。

一昨日からの続き。

登場人物の中で、たったひとり、最後迄、正体のわからない人物がいる。世界の仕組みを知る男・キシだ。謎を問いかけ、アマノを試す。
もともとは、人間だったのだろうか?
何故、この世界の更新に関わっているのか一切語られていない。
存在的には、人間っぽくなくて、希薄なのに、手塚とおるさんが演じると妖しく美しい超自然な存在として、輝く。

キシとは・・・『岸』・・・彼岸のことだろうか?

敢えて、この人物?の過去を設定しないことによって、観客は、想像を膨らませる。

この人物は、謎の全てを知る・・・未来は、わからないと言いながら、アマノに希望の光を灯す。
シニカルに笑いながら・・・。
それは、崩壊する世界を愛していたからだろうか?
それとも、そんなことは、キシにとってどうでもいいのだろうか・・・。

この世界の創造主は誰だろう・・・???
(もちろん、この舞台上では、脚本・演出の前川知大さんでしょうけれども・・・)

現在、この現実の世界を創造したのは、誰なんだろう?
こういう未来を予測したのか或いは、全く、想定外の現状なのだろうか?
・・・いろいろな事件や事故のニュースを見たり、聞いたりするたびに、そう思うし、電車の中で、ひとを不快にさせる品性のない行動を平気な顔でやってのける人たちを見るにつけ、そう思ってしまったりする。

この舞台の創造主は、無関心が一番の罪だ!とハカリに言わせ、世界は、願いより祈りを必要としている!とキシに言わせている。

世界の為を思って、更新を行っても、誰も幸せになんかならない・・・。
更新に不要な?人間を排除しても、世界は、変わらない・・・ホンの少しだけ、マシになるだけかも・・・。
そんな予感さえ感じさせる。

更新に不要な人間なんていない!
どんな人間でも、必要だから、生まれてきた・・・そう信じていたい・・・。
でも、大抵は、幻想なんだけれども・・・。

~あなたは、更新される世界に必要な人間ですか?その資格がありますか・・・???~