終日秋晴れ。風邪をひく・・・。
秋の海は、少し暗い紺色をしていた。
車の中で、相方は、ちょっと仕事のメールチェックをして、添付された資料を眺め、
『そろそろ戻りましょうか・・・。』
と車のエンジンをかけて、海にさよなら。
来た道を戻りつつ、秋の早い日暮。
陽は既に、落ちて、オレンジ色の夕焼けが、山の稜線に微かに残る。
『もう、冬みたいで、何だか、寂しいね。』
相方は、ちょっと私の方をみたけれど、また視線を元に戻す。
私達は、家路をたどる人達で込み合う国道を西へ向かう。
暫く、走って水戸市郊外へ。
『そろそろ、食事でもする?何が食べたい?』
いつもと同じだけれど、
『何でもいい・・・。』
と答えてしまう。
『普通のお店でもいいけれど・・・、寂しいっていうから、ヒトのおおいところにしようね。』
相方は、大型のショッピングモールへ。
さっき、冬みたいで、何だか、寂しい・・・と言ったので、気を使ってくれたようだ。
夕方のレストラン街は、平日なのに、ヒトでにぎわっている。
和食店に入店。
野菜たっぷりの軽い定食とお豆腐のサラダ。
テラス席で、ピアノの生演奏を聴きながら、和食を食べる・・・この雰囲気だと、普通、御酒、フレンチかイタリアン・・・ってとこだよなぁ・・・。
そう思いながら、箸を進める。
早くも、クリスマスっぽいイルミネーションの中、ゆっくりした時間が流れる。
こんなに、ゆっくりしていていいのだかろうか・・・と、相変らず貧乏性の私だ。
年末ももうすぐ・・・。
けれど、私は、全く暇なのだ。
そして、緊張感のない私は、帰宅して、すぐ風邪を患うことになったのだった。