台風に刺激された秋雨前線活発に。午前中雨。気温上がらず、寒い一日。
自室に隣接している物置部屋(・・・といっても、フローリングで、今居る部屋より、綺麗なのだけれど・・・)で、夏服などを仕舞いこんで、秋冬用のコートやら、鞄やら、季節の衣替え(・・・お勤めしていた頃など、やったことがなかった。せいぜい、半袖のシャツ類を適当に、箪笥にしまう位で)など行っていて、同じ部屋にある、まだ梱包を解かずに、置きっぱなしになっている本を詰めこんだダンボールの中から、顔をのぞかせていた一冊の・・・本を取りだしてみた。
丁度、2週間前に、東京芸術劇場にて、『MIWA(NODA MAP)』を観劇した・・・その主人公のモデルというか、その主人公そのもの・・・美輪明宏氏の著作『人生ノート』を発掘?する。
ジェンダーと戦ったひと。
類まれな容姿に恵まれ、女性とみまごうばかりの青年期。
神武以来の美青年・・・、シスターボーイ・・・、文化人から愛され、偏見や差別と対峙したひとでもあった(・・・いや、あったではなく、ある・・・の方が正しいのだろう。たぶん、今も、戦っていらっしゃるのだから・・・)。
そんな美輪氏の人生に対する著書。
正負の法則・・・など、彼(彼女の方がいいのかな?)の人生哲学。
正しいのか、間違っているのかは、別にして。
・・・たぶん、彼は、偏見や差別(あらゆる偏見と差別だと思うけれど、特に、同性愛に対する偏見)を、憎んで、憎んで、憎み切ったのだろうと思う。
そして、あれ程、憎み切った偏見や差別に・・・絡めとられたひとりでも在るような気がする。
それは、それで・・・。
ヒトには、それぞれの思想もあるし、物の見方、感じ方、考え方は、ヒトの数だけあるのだから・・・。
美輪明宏氏と私のファースト・コンタクトは、1980年代の始まりのころか、或いは、それよりも少し前か、多分、その頃。
池袋・サンシャイン劇場で、上演された『リチャードⅢ世』のマーガレット王妃役で、初めて、出会った。
あの揺らぐような声、よどみないセリフ、音楽を聴くように強弱のはっきりした王妃のセリフ。
私には、何もかも異質だった。
そして、王妃なのに、演じているのは男性だった・・・女性のように綺麗な・・・、妖しい魅力。
それから・・・12年後・・・彼(或いは彼女)は、『MIWA』が演じられた東京芸術劇場で、『黒蜥蜴』を再演することになる・・・。
これも、何かの因縁か・・・と今になって思う次第。