久々の晴天。明け方、冷え込む。
都内(・・・都内には、限らないけれど)の有名デパートなどの1階フロアは、大抵、化粧品売り場になっていて、海外のブランドショップが、軒?を並べている。
私は、メイクというものをほとんどしないので(眉くらいは描くけど・・・)、当然、御用の無いフロアということになる。
・・・それでも、あのフロアは、よい香りがして、通路を歩くのは好きだ。
通路を歩くのは好きだけれど、サンプル配布や、メイクご指南の店員さんとは、目を合わせないようにしている。
・・・店員さんにしても・・・。
ノーメイクのオバさんは、お客じゃないと見切っているし、購買希望度の高い若年層をターゲットにしているのだろうと思うのだった。
(もともと、オバさん層は、もう購買するメーカーやショップは、大体、決まっているから)
そんな中で、以前は、見向きもしなかったし、必要もなかったし、害にはなるけれど、益にはならぬ・・・といった『フレグランス(香水)』のジャンルだけは、無視できないでいる。
私と香料(香水)の出会いは、8歳の時だった。
小さな小瓶に入れられた合成香料・・・ヘリオトロープ。
近所の薬局で、ワゴンの中に様々な香水と共に売られていた・・・たぶん100円前後だったけれど、小学生当時の私には、高価なモノでもあった。
今にして思えば、チープな合成香料だったけれど。
そして、小学生が、つけて遊ぶものでもなかったが、母は、それを取り上げようとはしなかった。彼女自身、仕事を持っていて、子供のちゃちな香水遊びなんざ、どうでもよかったのだろう。
それにつけても、この香調は・・・たぶん、30歳以上の大人の纏う香りだったのでないだろうか?と今になって思う。
いづれにせよ、小学生には、おおよそ、不似合な香りであったことには、間違いない。
ヘリオトロープの花は、紫色の可愛らしい花で、香水と言えば、この花の香りだったようだ。
そんな相当、大人っぽい香りが、好きなヘンテコな小学生だった私ではあるが・・・。
何故か、この時期(秋)になると、このヘリオトロープの香水を思い出すのだけれども、実際に買った時期は、いつだったのだろうか・・・。
記憶は、遠く、いつだったのか、まるで思い出せない。
そして、このチープな合成香料のヘリオトロープが、実際、どんな香りだったのかも、今となっては、はっきり思い出せないでいる。