爽やかな初夏のお日和続き・・・。
昔ほど、本を読まなくなりました。
読みたい本は、山のようにあれど・・・。
ページを繰ると・・・目が疲れ、眠たくなってしまい・・・な状態です。
楽しみにしていた『冬虫夏草』です。
梨木香歩さんから、少し離れておりました。
かの『家守綺談』の続編です。
続編が出版されていたなんて・・・。
そう言えば、小説類から、ちょっと足が遠のいていました。
物語を楽しめなくなっていたのです。
でもでも・・・。
なけなしのオカネをはたいて、新刊を購入してみました。
中古書は、ちょっとイヤだったのです。
琵琶湖の疏水の流れる水豊かな地に、若くして亡くなった友の生家を託され、新進気鋭の物書き・綿貫征四郎さんが、紡ぐ物語。
琵琶湖に沈んだ友人の高堂は、水を介して、征四郎さんに会いにきます。
琵琶湖の底にいるようですが、湖の女主人にお仕えしているようです。
まるで、泉鏡花の『夜叉が池』みたい?な・・・。
征四郎さんの飼っている犬のゴローさんが、失踪してしまいます。
ゴローさんの出没情報を辿って、鈴鹿の山に入ります。
緩やかに、おおらかに、自然に逆らわずに、ソコに住む人々。
ヒト、ヒトに化身したカッパ、イワナ、カワウソ、赤龍、亡霊・・・様々に現れては消えゆく。
亡友・高堂は、静かに言い放ちます。
あと数十年後か、いまよりずっと先に・・・この村々は・・・水に沈む・・・と・・・。
冬は、虫で、夏は、草に・・・。
そんなふうに生きるひとびと(或いは、ヒトでないもの)への礼賛。
日々を大切に、慈しみながら、暮らす・・・それが、たぶん、この世の至福・・・なのでしょうか?