再びの夏日。
湿度の高い曇り空、夕刻から、激しい雨。
昼前から、隣市・シネコンで、『ルー、パリで生まれた猫』を鑑賞。
・・・毎年・・・9月、10月は、ひとりで映画を見ることの多い月で・・・???
可愛らしい仔猫の映画・・・なのかと思ったけれど、その暖色系の優しい色合いのポスターからは、乖離した・・・フランス映画らしいと言えば、そう言えなくもないけれど・・・いや、むしろ、かなりフランス的な映画なのかもしれない。
なかなかに、厳しい物語で、もふもふの仔猫に癒されたい・・・と思って観ると・・・たぶん、かなり失望するかも?
屋根裏で、生まれた仔猫の一匹を、ペットにすることに決めた少女。
仔猫の頃から、好奇心が強く、その冒険心のために、母猫を死に追いやることになったようだけれど。
仔猫は、『ルー』と名付けられた。
パリの街中の部屋から、外へ出ることを禁じられたルー。
家族と猫と、別荘で、過ごす最後の夏休み。
両親の離婚により、森の別荘は、売却されることになり、再び別荘へ片道5時間。母親とのドライブの果てに。
パリに戻らないことを決めたルーは、過酷な冬の森で暮らすことを決めた。
暖かいパリの部屋も、食事も捨てて。
少女とのお別れ。
過酷な冬の森の中で、ルーは、野生を取り戻す・・・。
或る意味、過保護な(日本の)ペット飼育とは、対極をいくような物語なのかもしれない。
自分の些細な過失で、命は、奪われていく。
森の別荘の隣人。少女が『魔女』と呼ぶ、アーティストの老婆との交流。
シニカルだけれど、暖かい魔女。
ストーリーもフランス的だったけれど、主人公の少女の着用している衣服も、フランスのお洒落な少女の装い。
パリの街中、アパートの部屋着、森の中を歩く冬の装い。
パリの子供は、洗練されているなぁ・・・と。
ルーは、森の中で、生物の『猫』として・・・生きていく・・・。