相方の死蔵品(・・・というか、御父君の形見)の宝飾品のうちのいくつかは、私の所有するところとなっている。
誕生日だとか・・・贈り物だったり、別に普通の日だったり・・・脈絡もなく贈られたりして、数も少し増えた。
『アンティークというには、新し過ぎるし、かといって、今風の意匠じゃないから、時代遅れの感が強いし、まぁ、あまり価値のあるものでもないのだけれど。でも、少なくとも、金やプラチナなんかの地金の分だけは、現在の取引価格に相当するくらいにはなるでしょう。宝石は、ダイヤモンド以外は、ほとんど価値がないものばかりだから。』
全て、見せて貰った訳ではないので、あとどのくらいあるのか・・・。
彼にとっては、役に立たない・・・まさに、死蔵品らしい。
昭和の中頃。
相方の御父君は、時計・宝石商をしていて、宝飾品は、業者から仕入れいたようだけれど、お店で、売る気はあまりなかったようで、その時々の趣味?というか、単なるコレクターくらいの感覚でしかなかったらしい。
・・・本日の画像。
昭和中期のオパールリング。
このデザインは、如何にも・・・という感じで、私の指には、緩すぎるし、地味だし・・・。
和服など着る方にはよさそうなのだけれど、あまり気に入っていなかったので、宝石箱の片隅に追いやられていた。
ところが・・・在る日、取りだして、蛍光灯の光のしたで、シミジミ眺めていると、物凄い遊色の石だったと知った。
写真では、上手く撮れなかったのだけれど、とにかく、オレンジ色が物凄い。
更に、紫、青、黄、ピンク、赤、緑・・・様々な色が、浮かんでは消え、消えては浮かび、見ていて飽きない。
こういうものが、本物の宝石というのだろうか・・・と思った。
相方から、贈られた時に、
『7色出ますから、数えてみて。』
と言われていたけれど、もともとオパールは、あまり好きな宝石ではなかった。
一寸見、だだの乳白色で、カタチものっぺりしていて、時々、朱色が見えるものの・・・。
宝石は、ルビーとかサファイアとかの透明感があるものしか好きじゃなかったから。
オパールは、不吉な石と言われている。太陽光の下では、死んだように輝かない。
夜の人工的な光の中で、様々な色を浮かび上がらせ、ミステリアスに輝く。
恐竜の骨が化石となって、そこに生まれるのが、オパールらしい。
公式の場には、タブーな宝石であることも知った。