梅雨入りまじか・・・のようなお天気。
突然、雨が降って来たり、雷が鳴ったり・・・そして、晴れたり・・・。
戦争が終わって・・・。
誕生日に見せしめの絞首刑があって。
机の下で、震えていた僕。
国民は、陛下を・・・そして、僕を・・・。
ムッソリーニのように・・・。
吊るしあげるのだろうか・・・?
神の贄になるまえに、国民に殺される!
僕はどうしたらいいのだろう・・・。
『ジミー。キリストの神は、あなたを救ってくれますよ。この世に神様は、たったひとり。あなたの国のように八百万の神さまは、いらっしゃらないのよ。だから、あなたは、あなたの神様達をお捨てなさい。そして、私達の神に祈りましょう。』
僕にそういったおんなのひとが、ふたりいた。
家庭教師の売人(ヴァイニング)夫人と・・・そして、僕の妻になった平民の娘たち。
複数いるのに、『ひとり』しかいないフリをして、演じる同じような顔をした娘たち。
その娘たちの中で、一番綺麗だったあの娘は、どうなったんだろう。
女優のようなあの娘・・・(あの娘たちの顔が、醜悪な老婆の顔になっていても・・・過去も現在も誰が誰だかわからないから、どうでもいいことなんだよ)。
そんな娘たちも、みんな老婆になって、僕に命令する。
僕は、神道を捨てたんだ・・・こころのなかで。
だって、僕は、僕の神様の生贄になんて、なりたくなかったし、僕は僕で、生きていたい。
そんな葛藤を救ってくれたのが、キリストの神を信じるひとたちだった。
ジミーは、この国の『象徴』。
帝。
国民は、誰も、僕の前にひれ伏す・・・。
戦争ごめんなさい。
僕の先祖は、朝鮮のひとです。
右翼の守るべき象徴主が、左翼になった・・・。
それでいいのです。ジミー。
あなたの神をお捨てなさい。
そうすれば、自由が待っている。
あなたの神は、捨てられました。
日本の祭祀王は、神に捧げる祭祀を、ブッチしています・・・。
もう・・・僕には、昨日のことは、全然思い出すことができない。
その方が、(たぶん)幸せなんだ。
僕は、神の贄を放棄したのに、別の顔をして、帝を続けていたんだよ。
だから、忘れるしかないじゃないか。
同じような顔をした複数の妻と、その妻たちが生んだ親王とその複数の娘たち。
僕には、もう誰の顔も区別できない。
だから、大事なことは、みんな妻たちが決めるんだ。僕は従うだけでいい。
『あなたの神をお捨てなさいな。』
最初から、信じちゃいなかった・・・僕の神と、新しい神・・・。
僕は神官のフリをするだけの・・・『左翼』になった右翼の主・・・。
遠い過去は、思い出せるのに、昨日のことは、思い出せない。
その方が、きっと幸せなんだ。
だから、僕は、今が一番幸せなんだ。
着飾った妻の横で、下僕のような恰好で、外国の王様に挨拶をしていても・・・。
僕は、にほんのみかどなのだから。