くもりがちで、蒸し暑い日曜日。最高気温32度。
桜桃忌。
太宰治が、玉川上水で、入水自殺(1948年6月13日)、遺体が発見された日が、奇しくも6月19日の誕生日(1909年6月19日)。
六月は、桜桃忌。
この時期は、梅雨本番だし、重たい雨雲の暗いイメージがあったんだけれど、今日は、明るい曇り空。夏の日差しも照り付けて、桜桃忌からは、ちょっと離れたイメージだったんだけれど、夜になって思い出した。
玉川上水といえば、東京都下の西部だと思うのだけれど、実際に訪れたことはない。
桜桃・・・さくらんぼ。
亡母は、さくらんぼが、大好きで、早い年では、5月、そして、6月になると、
『高いけれど・・・。』
と言いながら、さくらんぼを買ってきた。
私は、さくらんぼが、美味しいと思ったことが無くて、それは、山形産だとかの高級さくらんぼを食べたことが無くて、ほんとうに美味しいさくらんぼを食べたことがないためだと長年思っていた。
今から、十何年か前の話だけれど、母と一緒に、山形県の寒河江に、日帰りさくらんぼ狩りツアーに出かけたことがあった。
さくらんぼの畑で、30分だか、1時間だか、捥ぎ放題食べ放題という企画で、『佐藤錦』というさくらんぼを、ツアー客が狩るのであった。
そのときも、一粒か、二粒食べて、もういいや・・・と思った。
さくらんぼで、ツアー代金のモトって取れるのだろうか・・・などと姑息なことを考えた。一粒二粒では、やはりモトは、取れないだろう・・・。
持ち帰りはグラムで、別料金だったとおもうけれど、手のひらくらいとって、レインコートのポケットに入れた。
帰りのバスの中で、ポケットに入れたさくらんぼを、母にあげた。
母は、バスの中で、好物の第二弾にありついた。
ツアーは、米沢牛ランチ、ワイナリー工場見学、さくらんぼ狩りの3つがメインで、私の居住地からは、東北自動車道で、山形は、案外近いのだな・・・と思った。
東北地方で訪れたのは、この山形が、最北端で、ソレ以北は、行ったコトがない。
そのあと、陸路をすっ飛ばして、北海道へは、4回程、母と旅をした。
私は、生のさくらんぼは、それ程、好きではないけれど、チェリーパイとか、お菓子用にコンポートしたさくらんぼは、大好きで、林檎なども、加熱した方が好きである。
果物は、生で食べるものだとおもうけれど、保存のために、煮てジャムにしたりする。
苺、フランボワーズ、ブルーベリーなども、生よりは、コンポートにした方が好きだ。
作家で軍医の森鴎外は、水蜜桃も煮て食べた・・・ナマモノは、極力避けていたと、娘の森茉莉の随筆に書いてあった。
梅雨時は、食中毒も多いしな・・・。
加熱殺菌した方が安全だろう。