朝、中学3年の時の同級生から電話があった。彼女と仲が良かったノリちゃんのダンナが亡くなったことを告げ、ノリちゃんと話していて葬儀には行かないことにしたと言う。「落ち着いたらみんなで来てとノリちゃんが言うの」と話すので、「その方がいいね」と答えた。みんなと言っても誰がいるのだろうと考え、「佐藤君には僕から電話しておく」と伝えた。
それで安心したのか雑談になって、「私、道で転んで顔を縫ったのよ」と言う。転んだ時、周りの人がビックリして、「救急車を」と言ってくれたのに、「娘を呼びますから」と断ってしまったと話す。娘さんが来て、ケガが酷いからと病院へ連れて行ってくれたけど、診察を受けるまで随分待たされ、傷を診た医師が「すぐに手術しましょう」と言われたと他人事のように話す。
「顔に傷とは大変だったね。それでもう大丈夫なの」と心配になる。救急車で運ばれた人はすぐに処置されるが、気を遣って車で行けば一般患者扱いになってしまう。私も昨年7月に血便が止まらなくて、かかりつけの医師に診てもらったところ、医師が救急車を手配して長女のいる日赤病院へ運んでくれたので、その夕方には手術を受けることが出来た。
中学生の時、顔をケガした友だち家にみんなでよく遊びに行った。高校を卒業した後、彼女の家が大阪に引っ越したのでみんなで大阪へ行った。大阪の繁華街を観たい、ストリップも観たい、そんな思いだったが、何人で出かけたのかはっきり思い出せない。今、ひとりは病気で、ひとりは音信不通になっている。「ノリちゃんのところ」へは何人で行けるのだろう。
4月生まれの私はもうすぐ79歳だから、みんなも78歳にはなっている。老人の転倒は長期入院につながるが、彼女は元気で何よりだ。みんなで出かけることは楽しみだが、果たして本当に行けるだろうか。