1941年12月8日、日本軍はハワイの真珠湾基地を急襲した。アメリカの世論は一気に日本との開戦に傾いていった。短期決戦で終わらせたかったのに、広島と長崎に原爆を投下されるまで、竹槍で戦うことを鼓舞し続けた。
今なら誰もが、「あんなバカな戦争」と言うだろう。けれど当時は、そんなことを口にするなら、「非国民」と告げ口される。告げ口するのは、国を思う真面目な隣人である。多数の中に居れば怖くないが、少数の中ではどうにもならない。
終戦の日は覚えているのに、開戦の日は忘れてしまう。今や、「そんな古いことは知らない」と言う人が多くなった。先日亡くなられた、詩人の谷川俊太郎さんの詩『死んだ男が残したものは』が新聞に取り上げられていた。ベトナム戦争の時に書かれた詩だが、私は読んだことが無かった。
「死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった」ではじまり、女も子も何も残さないと続き、「死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球 他には何も残さなかった 平和ひとつ残さなかった」。
戦争は破壊するばかりで、何も生み出さない。兵士ばかりか普通の人々、幼い子の命まで奪ってしまう。誰もが分かることなのに、どうして今も戦争は絶えないのだろう。兵器が無ければ戦争はしないだろう。素手で戦うアホがいるだろうか。
夏にもらった『忘れな草』(写真)のタネ、秋に蒔くつもりだったのに、すっかり忘れていた。すると、「別れても 別れても 心の奥に いつまでも いつまでも 覚えておいて 欲しいから 幸せ祈る 言葉に替えて 忘れな草を あなたに あなたに」が浮かんで来た。
中学からの友だちがよく口ずさんでいた。人は本当に忘れっぽい。でも、忘れてしまうから前に進めるのだろう。いや、そんな風に過去を清算してはいけない。花を見ては、昔を反省し、前を向こう。あなたに、あなたに、恥じないように。
亡くなった高石ともやさん、六文銭の小室等さん等いろんな人が歌ってますね。
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