高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

清き流れに魚住まず

2008年11月20日 03時17分37秒 | ●美意識・ファッション・デザイン私的考察
今日、風変わりな本を読み終えました。

上前淳一郎の『複合大噴火』と云う本なのですが、ネットでこの本を知り、BOOK-OFFで探して見つけた、20年近く前に書かれた本です。

あとがきで著者自らが、風変わりな本と言ってるのですが、歴史書?気候学?経済学?ノンフィクション?何れにも受け取れる本なのです。

私は“総合環境学”と名付けました。

内容は1783年にアイスランドでラキ山、その後直ぐに日本の浅間山が大噴火を起こし、膨大な噴煙が偏西風不に乗り、太陽熱を遮断して大飢饉が次々と連鎖していく様が、克明に描かれています。

飢饉によるフランスの暴動、日本では天明の大飢饉による暴動が同時進行で描かれ、当時の両国の階級社会や文化、経済を比較できるのが面白く、最初は通勤途中に読んでいたのですが、半分を読み終えたところで、家で一気に読んでしまいました。

日本でも津軽藩と白河藩の藩政の違いより、餓死者数万と餓死者ゼロと極端な被害の差が出て、その対応の違いが為政者の参考にもなると思います。

そして、餓死者ゼロだった白河藩主の松平定信がその手腕から、わずか30歳で江戸幕府の老中に登用されるのですが、有名な「寛政の改革」を断行し、あまりの倹約と規制によりかえって経済が沈滞。

すっかり世の中が暗くなり、「白河の清き流れに魚住まず 濁れる田沼いまは恋しき」と狂歌に読まれます。

定信はお洒落やお酒に文芸術を否定し、朱子学以外は学問と認めない野暮天。
そして、文化というものにあまりにも、盲目だったと著者は言い切ってました。

昨日のブログに、文化とは“人間が生きていく上だけなら、それがなくても支障をきたさないが、それがあれば生活に潤いを与え、人生を豊かにするもの”と書きましたが、経済の活性に貢献するのも文化なのですね~。

高島平活性のためにも、地元に様々な文化の風を、吹かせたいものです。

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いつもは食べるコト中心に考えてる私ですが、“大東文化大に、文化はあるのか”と、ケンカ?を売ったばかりに、アカデミック風にブログを書かざるを得なくなった、最近の私でございます。
あの日、酒を飲んでブログを書くのではなかった・・・
コメント
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