【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2025年2月号〜

2025年01月25日 22時35分24秒 | 「俳句界」華文俳句

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2025年2月号〜

◆2024年『俳句界』2月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2025.2

◆2024年『俳句界』2月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。

華文俳句「俳句界」2月号(2025年)
永田満徳選評・洪郁芬選訳


穿過房門的擤鼻涕聲
寒流

黃士洲
〔永田満徳評論〕
「寒波」是指自大陸南下的寒氣團如波浪般襲來的現象。在臺灣,每逢仲冬到晚冬期間,大陸寒氣團會多次經過,帶來明顯的降溫。「擤鼻涕」的現象不僅限於感冒,還可能由感染症或過敏等原因引起。而當「擤鼻涕聲」從門外傳來時,那種情景不禁讓人聯想到嚴寒的「寒波」來襲,令人心生共鳴。

ドア抜けて鼻をかむ音寒波来る

黃士洲
〔永田満徳評〕
「寒波」とは大陸から南下してもたらされる寒気団が波のように押し寄せてくること。台湾は仲冬から晩冬にかけて、大陸からの寒気団が何度も通過する。「鼻をかむ」現象は風邪ばかりではなく、感染症やアレルギーなどでも起こる。「鼻をかむ音」がドアの向うで聞こえるさまはいかにも厳しく冷え込む「寒波」の襲来を思わせて、共感できる。


腳踏車叮鈴的晨喚
冬陽

昭麗
〔永田満徳評論〕
「冬日」是同時具有「冬日一天」與「冬日陽光」雙重意義的季語。在這裡,它指的是冬季的陽光或日照。冬天的陽光雖然微弱而顯得不甚可靠,但從雲隙間灑落的寒冷光輝,往往能喚起人們的親切感與懷舊情懷。「腳踏車叮鈴的晨喚」描繪的可能是冬日清晨的景象。在冷冽的空氣中,聲音顯得格外清晰,這句俳句準確捕捉了冬日早晨的那種鮮明而獨特的氛圍。

冬の日や自転車ベルの響く朝

昭麗
〔永田満徳評〕
「冬の日」は冬の一日と冬の太陽の両方の意味で使われる季語です。ここでは、冬の太陽や日射を指す。冬の日差しは弱々しく頼りなげであるが、雲間からの寒気の中の輝かしい日差しなどには親しみや懐かしさを覚える。「自転車ベルの響く朝」とは早朝の情景であろうか。空気が冷えて、音がより鮮明に聞こえる冬の朝の雰囲気をよく捉えている。



呼嘯而過的一列火車
枯野

揚晨
〔永田満徳評論〕
「枯野」指的是草木枯萎後的原野。這樣的枯野形態各異,有的廣闊無邊,有的則位於山間的狹窄地帶,或者沿著海岸延伸的枯野。雖然是一片枯黃,但在夕陽照耀下閃閃發光,依然讓人感受到一絲華麗的氣息。在這片枯萎的原野中,飛馳而過的「一列火車」,描繪出一幅動靜交織的畫面。這首俳句雖然傳遞出荒涼之感,卻也清晰展現了枯野廣闊而鮮明的景致。

一両の汽車駆け抜くる枯野かな

揚晨
〔永田満徳評〕
「枯野」とは草木が枯れ果てた野原のこと。広く果てしないような枯野もあれば、山間の狭い枯野や海に沿って延びる枯野などさまざまである。枯れ一色とはいえ、夕日を浴びて輝くさまは華やぎを感じさせる。枯れてしまった野原のなかを疾駆する「一両の汽車」。荒涼としているものの、広がりのある枯野の景色がくっきりと見える句である。

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国際俳句の試み? Copilot (チャット GTP)に聞いてみた

2025年01月22日 10時50分48秒 | 国際俳句

Copilot (チャット GTP)に聞いてみた!

 

〜 国際俳句の試み? 〜

 

永田満徳の質問:国際俳句の試み

 

Copilot の回答:

国際俳句の試みについて興味深いですね。

国際俳句は、日本の伝統的な俳句を世界に広める試みであり、近年ますます注目されています。

 

以下にいくつかのポイントを共有します。

①俳句の国際化と定義の再検討:

日本俳句協会は、俳句を国際文芸として位置づけ、現代俳句の真の在り方を探求するために、俳句の定義を再検討しています 。

この取り組みは、俳句の国際的な普及を促進する一環として重要です。

 

②二行俳句の提唱:

国際俳句の試みの一環として、永田満徳氏は「切れ」と「取合せ」を取り入れた 二行俳句を提唱しています。

これは三行詩 (散文詩)的な HAIKU に対して、より簡潔で韻文的な表現を追求するものです 。

 

③季語の国際化:

季語は日本独特の要素ですが、国際俳句においても「KIGO(季語)」を取り入れる試みがあります。

向瀬美音氏は英語やフランス語の季語を編集し、国際的な季語のある俳句を広めています 。

 

④和訳の改善:

和訳において、原句に忠実なあまり、原句の良さを損なってしまうことがあるため、向瀬氏は日本語訳の改善に取り組んでいます。

短く簡潔な表現を重視しています 。

 

国際俳句は、異なる文化や言語を超えて人々をつなげる素晴らしい詩の形式です。

 

参考:国際俳句についての試み(永田満徳blog)

国際俳句についての試み! - 【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

 

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エッセイ Ⅰ 古典との対話 「湧水」32号 

2025年01月21日 20時36分13秒 | 「湧水」

「湧水」32号 

くまもと文学・歴史館友の会 2024年12月発行

エッセイ Ⅰ 古典との対話

 

雷連れて白河越ゆる女かな 鍵和田秞子『武蔵野』

                        永田満徳(みつのり)

小林秀雄は何事も「まず、まねよ」だったという。最も強い口調で語ったのは「モオツァルト」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第15巻)の中における、「模倣は独創の母である、唯一人のほんとうの母親である」という一節である。小林秀雄はまた、「伝統について」では、「伝統の力が最大となるのは、伝統を回復しようとする僕等の努力と自覚においてである」「伝統は、見付け出して信じてはじめて現れるものだ」(新潮社刊『小林秀雄全集』第7卷)と述べている。「模倣」といい、「伝統」といい、いずれも、古典とどう向き合い、古典の言葉をどう生かすかについて考えるときに示唆に富む言葉である。

そこで、私の俳句を例に挙げてみたい。「皿洗ひわぎももこもこ蜜柑剥く」の「わぎも」は吾妹と書く。万葉の古語を使って、今を生きる妻を「わぎも」という古語で労ったつもりである。「恋すてふわが名なき頃夏の夜」は壬生忠見の和歌・上の句「恋すてふわが名はまだき立ちにけり」の語句を借用し、初恋に悶々とした頃を思って詠んでいる。「定家忌の波に入日の乗りて来る」は忌日に託して、「入日」に華やかで頽廃的な王朝文化を偲んでいる。このように、古典の語句の一部を使うか、言い回しを真似るか、古典の世界の雰囲気を漂わせて作るか。いずれにしても、古典を意識して詠んだ俳句である。

ところで、本歌取りは有名な本歌(古歌)の一句もしくは二句を自作に取り入れて作歌を行う方法。過去、あるいは古典の作品を生かすという点では有効である。しかし、本歌取りの手法はややもすれば類想、果ては盗作の問題にまで発展しかねない。例えば、寺山修司は中村草田男の「燭の灯を莨(たばこ)火(び)としつチェホフ忌」を「莨火を床にふみ消して立ちあがるチェホフ祭の若き俳優」に改作したとして非難されている。修司の有名な「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」は冨澤赤黄男の俳句の「一本のマッチをすれば湖は霧」を下敷きにしている。修司の短歌は赤黄男の俳句の核心部分をそのままコピーしていて、パクリとされている。しかし、一首全体として赤黄男の作品とはまったく別の世界を作り上げているということで評価が高い。

藤田直子著『鍵和田秞子の百句』によれば、鍵和田秞子は古典の世界を現代の俳句に再現することに極めて意識的であり、積極的であったという。藤田直子は、秞子の「夕波のさねさし相模初つばめ」(『胡蝶』)を挙げて、「さねさし」は相模にかかる枕詞、『古事記』に登場する弟橘比売命の「さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも」の歌で知られていて、下五の「初つばめ」に関しては、秞子の「あはぢしまかよふ燕とおもひ寝る」(『風月』)が源兼昌の「淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関守」を連想させるとし、「歴史の流れの中に己を立たせて詠んでいる」と述べている。確かに、わずか五七五の中に古典の背景を背負った「さねさし相模」「つばめ(燕)」をうまく詠み込んでいる。

掲句の「雷連れて白河越ゆる女かな」は雷神図屏風から飛び出してきたような女性の勇ましい姿を髣髴とさせる。「白川の関にかかりて旅心定まりぬ」と記した『おくのほそ道』の芭蕉の白河越えを踏まえている。古典との距離感がほどよく、古典の世界を超えて、古典をうまく生かしている。

鍵和田秞子は小林秀雄に倣っていえば、模倣の域を脱して、伝統なる古典の世界を見付け出し、日に新たに救い出した俳人だったといえる。

(「特集・古典との対話 一句鑑賞」『俳壇』2024年6月号に加筆したものである)

 

 

 

 

 

 

 

 

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〜 新人賞・評論賞の公募 〜 一般社団法人 日本俳句協会 三賞

2025年01月10日 16時59分38秒 | 日本俳句協会 Japan Haiku Association

一般社団法人 日本俳句協会 三賞よりお知らせ!

〜 新人賞・評論賞の公募 〜

①  第1回 日本俳句協会(旧俳句大学) 新人賞

選考委員:大高翔(「藍花」主宰)、五島高資(日本俳句協会理事長.俳句大学副学長)、

仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃(「篠」主宰)、永田満徳(日本俳句協会会長.

俳句大学学長)、松野苑子(「街」同人)

対  象:未発表句 30 句(資格制限なし、但し、多重投稿禁止)

応募締切:令和7年2月15日(火)

応募作品の送付先は下記のメールアドレスへ
永田満徳mail ; mitunori_n100@hotmail.com
俳句大学mail ; haiku_university@yahoo.co.jp

選考結果発表:令和7年3月1日(土)

 

 

② 第1回 日本俳句協会(旧俳句大学) 評論賞

選考委員:井上泰至(防衛大学校教授)、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、

五島高資、永田満徳

対  象:俳句に関する評論(資格制限なし、8,000 字以内)

応募締切:令和7年2月15日(火)

応募作品の送付先は下記のメールアドレスへ
永田満徳mail ; mitunori_n100@hotmail.com
俳句大学mail ; haiku_university@yahoo.co.jp

選考結果発表:令和7年3月1日(土)

 

 

なお、第1回日本俳句協会(旧俳句大学)三賞のうちの「大賞」は各選考委員の推薦句集より決定する。

第1回 日本俳句協会(旧俳句大学) [大賞] 

対象:令和5(2023)年内に刊行された優れた句集の顕彰 

選考委員:岡田耕治(大阪教育大学教授)、木暮陶句郎(「ひろそ火」主宰)、
五島高資(日本俳句協会理事長・俳句大学副学長)、斎藤信義(「俳句寺子屋」主宰)、
仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳(日本俳句協会会長・俳句大学学長)

選 考:各選考委員の推薦句集


選考結果発表:令和7年2月3日(月)

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〜 季語で一句 62 〜 ◆2025年『くまがわ春秋』1月号 第106号◆

2025年01月07日 23時42分11秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」

俳句大学投句欄よりお知らせ!

〜 季語で一句 62 〜

◆2025年『くまがわ春秋』1月号(第106号)が発行されました。

◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。

◆お求めは下記までご連絡下さい。

 ・info@hitoyoshi.co.jp 

 ☎ 0966-23-3759

 

永田満徳:選評・野島正則:季語説明

季語で一句(R7.1月号)

 

時雨(しぐれ)                       「冬―天文」

 

 辻井市郞

  •  

上千本しぐれてはるる下千本

【永田満徳評】

「上千本」「下千本」とは奈良県の吉野山のこと。下千本、中千本、上千本、奥千本はそれぞれの桜の見頃。標高の低い順に下千本から徐々に花を咲かせる桜の名所である土地の特色をよく描いている。

【季語の説明】

「時雨」は冬の初め、晴れていても急に雨雲が生じて、しばらく雨が降ったかと思うとすぐに止み、また降り出すということがある。本来は京都で見られる現象で、「北山時雨」などとも使われていたが、しだいに都会でも冬の通り雨を時雨と呼ぶようになった。時雨は降る様子から定めなさ、はかなさが本意とされてきた。

 

雪(ゆき)             「冬―天文」

 

藤澤迪夫

  •  

降る雪の騒吸うて黙吐きにけり

【永田満徳評】

「雪」は空気の振動を吸収してしまうので、音が遠くまで響きにくくなり、静かに感じる。「騒」と「黙」という対義語を使い、「吸う」と「吐き」と擬人化して、「雪」の音に対する物理的関係をうまく表現している。【季語の説明】

「雪」は大気中の水蒸気から生成される氷の結晶が空から落下してくる。やや高い温度では集まり、雪片をつくり、水分を含む湿った雪になる。直径1cmほどの小さなものを「粉雪」、綿状に集まったものを「牡丹雪、ぼたん雪、ぼた雪」と呼ぶなど、気温や湿度によって違う雪の性状はいくつかの呼び分けがある。

 

橇(そり)            「冬―生活」

 

辻井市郞

  •  

運命を犬橇に託して北極点

【永田満徳評】

「犬橇(のそ)」と言えば、映画『南極物語』で話題になった「犬橇」の犬のモデルになったタロとジロのことを思い起こす。「北極点」という極寒の地の過酷な運命に抗して生きる「犬橇」の犬たちの活躍をよく捉えている。

【季語の説明】

「橇」は雪や氷の上をすべらせて、人を乗せたり、荷物などの運搬をしたりするのに用いる。古くから雪国の主要な交通手段であった。普通、馬に曳かせるが、犬に曳かせるものもある。寒さに強く、持久力に優れている犬に牽かせる「犬橇」は身動きがとりにくい雪道での交通手段・荷物運搬にも活動の場を広げてきた。

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