◎ 新聞によれば、今月(2003年4月)の初め、イリノイ州でたばこの「ライト」という表示をめぐる集団訴訟が結審した。判決は、総額101億ドル(約1兆2千億円)の支払いを、フィリップ・モリスなどの大手メーカーに命じる内容であった。しかし、これには話の続きがあって、州政府はたばこ会社が負担すべき訴訟費用の減額を申し出た、という奇妙なことになったのである。
◎ すでに、たばこメーカーは1998年以降、アメリカの46州に対し25年間にわたり、総額2,460億ドル(約29兆3千億円)の損害賠償金を支払うことで和解している。よくよく冷静に考えてみれば、この賠償金はどんでもない金額であることがわかる。「たばこ憎し」の庶民感情を組織化し、莫大な損害賠償金を手にして、「してやったり」と歓喜したのは、一生かけても使い切れないほどの報酬を得た弁護士たちであることは、衆目の一致するところである。
◎ 弁護士たちは、多額の報酬を得ればよいから、たばこメーカーに致命傷を与えても平気だが、州政府としては期限内の毎年、確実に賠償金が入ってこなくては意味がなくなる。やっと、州政府はそのことに気がついたようである。今回の訴訟でも、たばこメーカーは控訴して連邦の法廷で争うことになるが、そのためには原告側の弁護費用を上乗せした計120億ドル(約1兆4千3百億円)の預託が生じたため、「こんなことを続けているうちに、たばこメーカーが倒産したらどうしよう。取れるお金も取れなくなってしまう」と心配になったらしい。やはり、「物には限度というものがあるぞ」と私は思ったのである。(2003 04/23)
◎ すでに、たばこメーカーは1998年以降、アメリカの46州に対し25年間にわたり、総額2,460億ドル(約29兆3千億円)の損害賠償金を支払うことで和解している。よくよく冷静に考えてみれば、この賠償金はどんでもない金額であることがわかる。「たばこ憎し」の庶民感情を組織化し、莫大な損害賠償金を手にして、「してやったり」と歓喜したのは、一生かけても使い切れないほどの報酬を得た弁護士たちであることは、衆目の一致するところである。
◎ 弁護士たちは、多額の報酬を得ればよいから、たばこメーカーに致命傷を与えても平気だが、州政府としては期限内の毎年、確実に賠償金が入ってこなくては意味がなくなる。やっと、州政府はそのことに気がついたようである。今回の訴訟でも、たばこメーカーは控訴して連邦の法廷で争うことになるが、そのためには原告側の弁護費用を上乗せした計120億ドル(約1兆4千3百億円)の預託が生じたため、「こんなことを続けているうちに、たばこメーカーが倒産したらどうしよう。取れるお金も取れなくなってしまう」と心配になったらしい。やはり、「物には限度というものがあるぞ」と私は思ったのである。(2003 04/23)