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先日、『外資の正体』高杉良著(2002年 光文社)を読み終えました。本書はそれなりに面白かったのですが、高杉良さんの過剰さや想いの強さで、自作品の解説がくどいほど重複しており、やり過ぎ感がありました。また、現在のJT社外取締役である幸田真音さんとの対談の38ページで、「発想の転換」であるべきが「発送の転換」と記述され、本書および幸田真音さんへの信頼性を損なっていると、残念に思いました。
【38~39ページ】
幸田 アメリカの力を借りて不良債権処理をしたいとは思いませんが、いま安値でたたかれて売らざるを得ないのが現実です。日本人は優秀なんですから、外資の不良債権関連ビジネスのやり方を学んで、生き残りの発送の転換というのをすべきだと思います。
高杉 日本は今アメリカなくして成り立たない国です。製造業はほどほどに頑張っています。ただ、金融のところだけアメリカに完全にやられています。経済の血液といわれる金融のところが傷んでいる。不良債権はどうしたって銀行にたまる。ようするに掃きだめになっているわけです。
幸田 今なぜ日本の金融機関がここまで弱いのかというと「収益を上げる」という訓練をされてこなかったからだと思います。ビジネスの基本だと思うのですが。融資のときも担保さえとっておけば大丈夫、融資先からの回収能力というのはさほど問われなかった。資本投下に見合う回収という発想が厳しく鍛えられてこなかった。