前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

北陸新幹線敦賀開業での特急存続の課題。北陸本線をJR西から買い取るのにいくら税金使うのか。経営安定基金の規模は。

2020年02月18日 | 福井県政

2019年12月11日におこなわれた地域戦略部関係の佐藤県議の質疑です。

◯佐藤委員  廃止措置工事への県内企業の参入促進というのがある。県内企業の連合体の設立支援を検討ということであるが、これは具体的に嶺南地域の業者だけを集めるのか、あるいは福井市を含めた県内全域の福井市などに本社がある業者も集めて連合体をつくるのか。


◯電源地域振興課長  廃止措置工事への県内企業の参入促進について、解体等については現時点でも嶺南の小さい企業などが入っている。しかしながら元請けであるとか、一次下請の大きいところについては企業力が小さいということでなかなか入ってこられない、県外企業にとられているところがある。そういったこともあって複数の企業が集まって1つの受注体みたいにやっていこうというものであって、嶺南企業だけでできないところも多々あると思うので、当然嶺北の企業も参加してくることは考えている。


◯佐藤委員  これまでも福井商工会議所などを含めてこういう取り組み促進をやっていたと思う。福井商工会議所などを含めて、企業を募って、嶺南の企業の皆さんと相談して連合体をつくって受注していくことになるのかというのが1つと、

そうはいっても今言われたように技術力がなければ集まっただけで、連合体をつくったといっても受注できないわけである。技術力の壁はどうやってクリアされるのか。


◯電源地域振興課長  企業の募集のあり方についても今後検討ということになると思う。県内の嶺南の企業であると技術はある程度持っていても契約を結ぶ能力というとぐあいが悪いかもしれないが、1つの工事を分割して発注するいわゆるコーディネートやマネジメントする能力がないという部分も指摘されている。だからそういったところの企業も募っていきたいというのが1つ。
 それから技術力については、引き続き若狭湾エネルギー研究センターで原子力の従事者研修などもやっているし、レーザー技術の開発などもやっているので、そういったことであわせて支援していきたいと考えている。

 

 

◯佐藤委員  議会にも陳情が出されているし県に対しても申し入れがされているが、北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会という市民団体が9月から10月にかけて、福井駅や芦原温泉駅、鯖江駅など県内各地の駅でアンケート用紙を配布してアンケート調査を行った。その調査結果は配布されているとおりであるが、敦賀駅乗りかえになることを知らない38.6%、現行どおり特急を存続させてほしい81.0%、無駄な投資だ66.8%、敦賀以西の計画は一旦中断を、または計画は中止してほしい65.4%である。今のJRの利用者を中心としたアンケートであるけれどそういう結果が出ている。敦賀駅乗りかえになることをまだ知らないという方が4割ぐらいいらっしゃるということで、今実際にJRを使っている皆さんでも知らないというのは県としてどう受けとめているのか。


◯新幹線建設推進課長  我々も常々出前講座やリーフレットなどを通じて広報に努めているところであるが、まだそれだけの方が知らないということについては、今後より一層周知に努めていく必要があると考えている。


◯佐藤委員  サンダーバードなどがなくなることを知らない、あるいは敦賀駅で乗りかえになることを知らない、いろいろな方がいらっしゃると思う。本会議でも質問があったし私も常々要望しているけれども、フリーゲージトレインが実現できないということのかわりの措置としては、今の特急の存続を何らかの形でやってもらうしかないし、そういうことを望んでいる県民は81.0%いらっしゃるというわけである。
 いろいろ困難があると思うのだが、ここをどう突破していくかということで、先日の新聞報道を見たら、富山県知事はやっぱり金沢どまりで乗りかえが不便だということをおっしゃっている。石川県知事は新幹線が来れば特急がなくなるのは仕方ないのではないかとおっしゃっている。福井県の杉本知事は何らかの形で少しは残してほしいということを要望しているということで、3県知事三者三様ではあるのだけれども、福井県民としては、やっぱり何らかの形で残してほしいという声が強いと思う。線路使用料が減るとかJRは新幹線のお客さんが減るから嫌だと思うとか、それはそれで当然だと思う。だから国がもう少しかんでもらわないと。国がそっぽを向いて福井県とJRで相談しなさいよと言っている限りはなかなか厳しい面があると思う。国をもう少し引き寄せる、この土俵に引き寄せて特急存続にのせる。先日稲田衆議院議員も当然そういうことが必要だとおっしゃったという答弁があったけれども、もう少し国土交通省というか国を引き寄せるという点ではどうなのか。


◯新幹線建設推進課長  国に対しては県の重点提案要望などでも求めているけれども、もともとのスタートが敦賀駅の施設はフリーゲージトレインにも対応できる施設ということで工事計画に書かれていた。当時はフリーゲージと対面乗りかえという2つの案があったわけであるけれども、「にも」という言い方は必ずフリーゲージトレインを入れるという約束ではなく、そのどちらかでいくということだったのだから必ずやると約束したものではない、というのが国土交通省のこれまでの立場である。
 ただ我々としては、国がフリーゲージトレインを計画していたのは事実であるので、それも踏まえて何らかの対応をしていただきたいと常々お願いをしている。


◯佐藤委員  国はそういう理屈を言うかもしれないけれども、フリーゲージトレインでもなく対面乗りかえでもなく、結局移動して乗りかえということになったわけであるから、これは国がきちんと何らかの措置を講じてしかるべきではないかと思っている。
 それで今いろいろ工事をしているのだけれども、中池見湿地の近くもトンネル工事をしていると思う。前から中池見湿地は大丈夫かという質問をして、大丈夫であるという答弁であった。トンネル工事で何か特殊な工夫をされていると聞いたのだが、どういう工夫をされているのか。


◯新幹線建設推進課長  通常のトンネルは、円形の底のところを平らにして工事をするわけであるけれども、中池見湿地のところの深山についてはほぼ円形のままトンネルを掘っていて、トンネルに地下水を引き込まない工夫をされていると聞いている。その工法によって中池見湿地に影響が出ないようにしているということである。

◯佐藤委員  トンネルの構造物であるコンクリートの中に中池見湿地の水が浸透しないようにもしていると聞いたのだが、それは本当か。


◯新幹線建設推進課長  どのトンネルにおいても水対策はとっている。


◯佐藤委員  中池見湿地だけ特別なやり方ではないということである。
 それと、敦賀駅での乗りかえの際に動く歩道をつくるということである。前回福井駅のときにもお聞きしたのだが、福井駅も福井市の要望で拡張する。そこは福井市に負担してほしい、後の維持、メンテナンスも福井市の負担であるということだった。例えばこの動く歩道の維持、メンテナンスの負担はどういうことになるのか。


◯新幹線建設推進課長  敦賀駅の動く歩道については、現在整備それから維持管理をどういう形で対応していくか鉄道・運輸機構それから敦賀市と県、JRでいろいろ協議、調整をしているところであり、まだ確定していない。


◯佐藤委員  建設のときの費用負担の割合は決まっている。その建設のときの費用負担の割合で維持管理費を負担することにはならないということか。


◯新幹線建設推進課長  この動く歩道については、山本拓衆議院議員が委員長をされていた福井駅先行開業等検討委員会において整備することが平成29年度に決まった。そのときの整理として、連絡通路については新幹線事業で整備するがムービングウォークについては整備新幹線の駅で整備された事例がないということで地元で整備するという整理がなされた。どのような負担、どのようなスキームで整備するかは現在敦賀市と協議しているところである。

◯佐藤委員  そうするとさっきも言ったけれど、福井駅の福井市が要望して大きくした部分は建設費用も維持、メンテナンス費用も福井市負担。敦賀市の動く歩道の部分は維持、メンテナンス費用も地元負担ということになって、県と敦賀市が未来永劫ずっと負担し続けるという整理か。


◯新幹線建設推進課長  基本的には整備したところが所有して負担するのが通常だと思うけれども、現在のところまだそのスキームが確定していない。また確定したら報告させていただきたいと思っている。


◯佐藤委員  福井県の負担にしても敦賀市の負担にしても、動く歩道というとメンテナンスの費用もより高くなると思うので、軽減できるように国に対しても必要な措置は求めていただきたいと思っている。
 続けて第三セクターについて質問する。資産譲渡についていろいろお尋ねをしているが全く回答が来ないということでこの場でもあえて聞くが、JRから幾らで譲渡してもらうというのはいつわかるのか。


◯地域鉄道課長  具体的にいつごろお示しいただけるかはこちらもまだ回答を求めているところではっきりしていない。具体的な資産データなども含めて現在求めているところである。

◯佐藤委員  例えば富山県や、途中までであるけど石川県の例だと大体どのぐらい前にJRから提示されて、県の内部で調整し、県議会で議論して最終的に議決するという流れになるのか。


◯地域鉄道課長  富山県、石川県の例で言うと来年度中ぐらいにはそういったものの合意をするようなスケジュールになっている。


◯佐藤委員  そうすると来年度中の県議会にこれだけの資産を幾らで買い取るというのが示されて、議決を求めるということになるのか。


◯地域鉄道課長  議決事項になるかは私どもとしてはっきり申し上げられないが、どういった形でJRと合意するかは議会にお示ししていかないといけないと考えている。

◯佐藤委員  前の説明のときには、富山県の例で半分ぐらいに圧縮したいとおっしゃっていた。大体そういう方向に交渉はしているのか。


◯地域鉄道課長  富山県の場合100億円ぐらい減額になった。平成29年度に福井県が発表したのは307億円だったので、最低でも200億円ぐらいには持っていきたいというつもりで、今JRとやっている。


◯佐藤委員  富山県が100億円圧縮したから福井県も100億円圧縮するというのは資産の量が同じぐらいという判断か。


◯地域鉄道課長  富山県の場合は延長が大体99キロ、100キロぐらいで、本県の場合は80キロぐらいなのだけれども、なるべく富山県並みの減額にはしていきたいと思っている。

◯佐藤委員  来年行う旅客流動調査というのはいつごろどういう形でどういう規模でやられるのか。


◯地域鉄道課長  まだ時期ははっきり決まっていないのだけれども、5月とか6月とか時期を捉えてやりたいと思っている。何日を設定してやるかというのはこれから検討したいと思っている。


◯佐藤委員  具体的にどういう点を明らかにする調査になるのか。


◯地域鉄道課長  もう一度北陸本線の利用者がどういった状況か、どこから乗ってどこに向かっているのか、それも通勤なのか定期なのか、定期以外の利用なのか、そういった人数を主に把握したいと思っている。

◯佐藤委員  そういうものはJRに求めれば一定のデータが出てくるのではないか。


◯地域鉄道課長  JRにも求めているが、JRからは特急のお客様もいらっしゃるので北陸本線の普通列車だけでどれだけ乗っているかがはっきりわからないということと、切符を把握しているわけではないのでどこからどこに向かっているか利用区間がはっきりわからないという回答をいただいている。ただJRには、ある程度のデータを持っているだろうから、そういったデータも欲しいということは求めているところである。


◯佐藤委員  定期なんかであれば、例えば敦賀駅から福井駅とかはっきりしているわけであるからすぐに出るのではないかと思う。
 最後に経営安定基金についてである。富山県の場合は65億円だったか、だけど福井県の場合は今の調査結果を見るまでもなく富山県より利用者が少ないわけであるから、よりたくさん経営安定基金が必要になると思う。これについてはどういう予測であるか。

◯地域鉄道課長  まだ規模ははっきり申し上げられないのだけれども、今委員がおっしゃったように富山県は65億円である。本県区間の場合輸送密度で言うと富山県が7,800人のところ福井県は5,100人ということで、富山県に比べてかなり経営が厳しくなるという予測を立てている。
 だからこそ、県民も含めてなのだけれども県と市町、双方において他県を見習うだけではなくて、とんがったような利用促進策、いろんなことをして収支改善をしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  これで終わるが、利用促進だけで追いつく部分と追いつかない部分とがあると思うのである。もともと新幹線が来たら在来線は県が負担しなさいよというやり方は問題があると思っている。国に対して要求をされているのはわかっているが、地方鉄道の維持のために実態に応じた必要な支援をさらに強く求めるべきだということを要望して終わる。

 


関電マネー、森山元高浜町助役から福井県職員への金品問題。西川前知事の調査内容は。福井県財政。会計年度職員。

2020年02月18日 | 福井県政

2019年12月11日におこなわれた総務部関係での佐藤県議の質疑です。

◯佐藤委員  第83号議案である。全員協議会のときにも質問したが住居手当の改定があり、3,400万円のマイナスという答弁だった。いろいろ資料も見せていただいたりしているのであるが、例えば現在支払っている家賃が月額2万円とか2万1,000円とか2万2,000円とか2万3,000円とか比較的安いほうの住居に住んでいる人の手当が月額6,000円程度、年間ベースで7万円ぐらい削減される。一方家賃が月額6万円とか6万1,000円とか比較的割高な住居に住んでいる人については、逆に月額500円とか1,000円とかふえるという試算が出ているのであるが、そういう試算になるのか。


◯人事課長  住居手当の改定でマイナスになる分であるが、今委員がおっしゃった家賃2万円前後から大体5万7,000円ぐらいまでがマイナスになる予定である。大体3,000円マイナスぐらいになる。おっしゃるとおり2万円前後だと最大6,000円マイナスになる。これはもともと国の人事院勧告によって公務員宿舎貸与料、民間との均衡によってこのような制度改正になっている。マイナス分については3年経過措置を設けているので、このような対応をさせていただきたいと思っている。

◯佐藤委員  経過措置が設けられても、2年後、3年後には年間ベースで7万円を超えるマイナスになるという事実はあるわけである。これは別に県職員だけではないが、実際に今、全体としてなかなか給料は上がらない、消費税増税など税金は高くなる、全体として国民の暮らしが厳しくなっている中で住居手当を事実上、改悪するというのは避けるべきではないか。


◯人事課長  マイナスになることで負担がふえるということであるけれども、これは民間とか全体の均衡によって制度改正がなされており、その結果としてマイナスになるということである。そこは経過措置でできるだけ急激なマイナスにならないような負担軽減を図った上で人事院勧告、それから県であると人事委員会勧告に基づいて改正すべきものであると思っている。


◯佐藤委員  平行線であるが、このようなことは納得できず、反対するということだけ申し上げておく。

 

◯佐藤委員  今部長から報告もいただいたが、高浜町元助役との関係にかかる調査報告書が出された。実際に金品を受領して処分相当に当たる方が29名、うち現職1名ということだった。それで調査方法であるが、面接調査を実施したのは何名か。


◯総務部長  報告書に書かせていただいているが218名である。


◯佐藤委員  面接調査をした場合は、その場で記録をつくり署名してもらっているのか。


◯人事課長  その場で記録をつくり署名している。

◯佐藤委員  では、面接せずに電話で応対した人の場合は、電話の記録を郵送などし署名して返送してもらっているのか。


◯人事課長  調査については過去20年までは聞き取り、それ以前については書面を郵送しそれが返送されてくることになっている。


◯佐藤委員  では西川前知事の場合は、どういう方法で本人の署名があるのか、ないのか。


◯総務部長  西川前知事については電話で聞き取りをさせていただき、その様式を私から確認としてお送りさせていただいている。

◯佐藤委員  本人の署名をして返送されているのか。


◯総務部長  返送はなかったので、私のほうからお送りしたということになる。


◯佐藤委員  それでは不十分な点があると思うのである。もちろん署名をしてもらうかどうかというのは、そこまでやる必要があるのかということはあるけれども、調査委員会の委員が調査された場合は、話した内容に相違ないということでその場で本人の署名をいただいている。しかし、例えば西川前知事の場合はそういう署名はいただいていないということであるから、これは調査そのものにまだ不十分な点があるということではないか。


◯総務部長  私どもとしては電話で聞き取りをさせていただいて、その上でしかるべき書類を送らせていただいているので、最大限やらせていただいたと思っている。

◯佐藤委員  一般質問でも質問させてもらったが、今回の調査の問題はなぜ森山氏とこれだけ長期間の不適切な関係が続いたのかということだと思う。教育委員会でも質疑させてもらったが、何も個人的に会いに行っているわけではない。企画幹などの立場で森山氏に面会し、いろいろと助言や指導をもらうという話だった。そういうことで間違いないか。


◯人事課長  森山氏に対しては地域福祉課から県の客員人権研究員をお願いしているので、その関係で人権施策のいろいろな協議、助言等を得るために接触、打ち合わせをしていたという流れがあった。


◯佐藤委員  その流れの中で金品受領が発生しているわけである。そうすると、杉本知事が本会議で、今回の事案についてはもともとは個人的な関係から端を発しているということで個人任せにしてしまった問題があると答弁しているのであるが、これは事実と違うのではないか。

◯人事課長  健康福祉部の客員人権研究員をお願いしている関係で、その協議の中で、個人個人それぞれでやりとりが始まったということを答弁でも申し上げたと思っている。


◯佐藤委員  森山氏も全く無関係の人にお金をばらまいたわけではないのである。関西電力の幹部、福井県庁の幹部、そういうおつき合いのことを考えて金品を渡しているわけである。だから、例えば部長なら部長、あるいは振興局長なら振興局長、あるいは企画幹なら企画幹という肩書で面接して、それに対して金品が提供されたということではないか。


◯人事課長  もちろん打ち合わせ、接触の中で関係はあったかと思う。ただ中元や歳暮等のやりとりについては、その中での個人的なやりとりとして始まったということである。


◯佐藤委員  そういう詭弁はなかなか通用しないと思う。今言ったように森山氏は相手を見て金品を渡しているわけである。県庁の幹部には10万円、20万円とか、関西電力の幹部には数千万円とか、累計1億円とか、逆に何ももらっていない職員もいるわけである。やはり相手を見て渡しているわけであるから、個人的な関係でということだけにしてしまったのでは

もらった職員だってかわいそうなわけである。ある意味ではもらった職員だって迷惑なわけである。いきなり10万円の商品券が送られてきたら職員だって何とか返したいと思うだろう。そういう職員だって多かったと思う。それが送られてきたときに、よかったと思った職員がいるかもしれないけれども迷惑した職員もいるし、やはり少なくない職員はそんな金品が突然送られてきて不審に思うのが当然ではないだろうか。それをあなた個人の責任であるということで職員を切り捨てていいのか。


◯人事課長  報告書にもあるけれども、それを受領した職員にとっては、なぜ送られてきたのかわからない中で対応できなかったことは、きちんとした国のような倫理規程、基準といったものがなかったということで、我々県組織の反省点だったと思う。そういった中で、個人がそれぞれで判断してそういう対応をとってしまったことを決して切り捨てているわけではなくて、県組織として十分至らなかった、反省点だったと思っている。知事も答弁申し上げているが、そのためにも今後きっちり倫理規程、再発防止をやっていくことが使命かと思っている。

◯佐藤委員  今何も職員を切り捨てているわけではないとおっしゃったが、個人のやりとりだということにしてしまえば、例えばある課長が金品を受け取って森山氏から頼まれた仕事をやったらこれはわいろになるわけである。犯罪に近くなるわけでグレーゾーンになるわけである。そのときにあなたは個人でやったのである、県の組織は関係ないと言うことは切り捨てにつながるのである。そういうことではなくて、相手は肩書で物を渡したりしているわけであるから、県の組織としてそこはきちんと見ないと。予防線を張ると言うと失礼な言い方かもしれないけれども、関西電力も告発はされているけれども、関西電力の場合と違って公務員の場合はわいろということでいえば重くなるから、そういうものに対して予防線を張った答弁だと私は受け取った。県庁の職員を切り捨てるようなことではなくて、県の組織として問題があったのだということで問題の解決をしていかないといけない。何で県の組織として問題があったのかと。何十年にもわたって客員人権研究員ということで月15万円を支払い続けてきた。実態としてはいろいろと助言を受け仕事を進めてきたといういきさつがあるということではないのか。


◯人事課長  客員人権研究員としての報酬は月15万円支払っていた。それに見合うだけの人権の助言やいろいろな懇談会や研修の企画などの助言をいただいた上で、県として人権施策を進めてきた結果である。その問題と今回の個人的なやりとりの部分とは別であるということを答弁でも申し上げていると認識している。

◯佐藤委員  今課長もおっしゃったように、県は客員人権研究員としていろいろと助言を受け施策を進めてきて、その中で金品のやりとりがあったわけだろう。これは言い逃れができないと思う。そこはきちんと反省し、総括をしていかないと。あの人の個人的な問題である、個人的な関係での金品受領であるということだけを言っているようではこの問題の本質的な分析と再発防止にはならないと思うが違うか。


◯総務部長  今回の報告書、それから処分に当たっては、まずその職員が森山氏と利害関係があるかどうかというところから判断したということがある。利害関係者とは国家公務員倫理法などで定めているけれども、例えば許認可の相手方や補助金の支出先などである。森山氏については人権の関係で私どもが指導、助言をいただくということであったので、そういった意味の利害関係者はないと考えている。その上で、処分に当たっては儀礼の範囲でのさまざまなやりとりもあるわけであるが、金品、特に現金等のやりとりは儀礼の範囲を超えているだろうということで処分させていただいた。そのような認識でいる。


◯佐藤委員  客員人権研究員の月15万円であるが、少なくともこの10年間、県の委員会に参加していないというのは事実か。

◯人事課長  この10年の参加はないと確認している。


◯佐藤委員  結局、県の委員会が開催されても、10年間欠席を続けてきている人である。


◯人事課長  会議には出席していないが、大体月3回程度、地域福祉課の職員から森山氏に対して助言を得るための電話や訪問などによる協議がなされていると聞いている。


◯佐藤委員  県の正式な会議には出席していないが月3回ぐらい頻繁に連絡をとり合って、助言を受けて、そういう方向で行政を進めてきたということだろう。細川議員も本会議でずぶずぶという言葉を使ったけれども、ずぶずぶというのが適切かどうかは別にして、そういうことである。県の委員会に10年間一度も出てこない人を特別扱いして助言を求めてきたことを許してきた長年の県庁の仕組み、体質、それが問題ではないか。

◯人事課長  委員会の出席については、高齢でお体のこともあったのだと思う。月3回の協議というのは、電話もあれば訪問もあるのであるが、そこで十分研修の企画や懇談会に対する助言などをもらって、それに見合う報酬を出していたという結果である。そこで行政が何か便宜を図ったとか、そういう影響がないことは聞き取り調査でも確認をしている。あくまで人権施策の推進に当たっての助言を得ていたということである。


◯佐藤委員  ほかの方もあるだろうから終わるけれども、そういうことは通用しないのである。月15万円を払って県の会議には10年間一度も出てこない。それで県の職員のほうから面会に行ったり電話で助言をもらっていた。だけど森山氏の助言は県の施策には反映していない、影響を与えていない、そんなことを言っても通用しないのである。だからもっときちんと調査をやらなければいけない。これまで長年にわたって個人の関係で金品の受領がされたという関係を無理やりつくらされた職員もいるだろうけれども、そういう職員を切り捨てるようなやり方では、これはなかなか県民も納得しないし、県の職員、OBも納得しないのではないか。自分1人悪者かということになるのではないか。やはり今の調査報告だけでは不十分である。第三者委員会をきちんと立ち上げて、もう一度全庁的にどうなのだと。ましてや西川前知事は電話で、実際に署名ももらっていないということであるから、そういう点でも調査は不十分だということを指摘しておきたいと思うが、部長、どうか。

◯総務部長  森山氏については、一般質問でも答弁させていただいたし、先ほど課長からも説明させていただいたけれども、県の客員人権研究員ということで人権の関係で助言などをいただいていた。一般質問でもお答えしたが、例えば人権問題の懇談会についても助言をいただいていて、そうした人権問題についてのお立場であったというところがあるかと思う。
 繰り返しになるが、職員が森山氏と個人的なつき合いがある中で、儀礼の範囲を超える部分があったということで、報告書を踏まえて処分をさせていただいたので、その前提として最大限調査をやらせていただいたと認識している。


◯佐藤委員  最後に1点確認させてもらうが、処分相当のOBの中に現役の政治家はいるのか。


◯人事課長  いない。


◯佐藤委員  わかった。

 

 

◯佐藤委員  今中部縦貫自動車道の話も出たが、ふえるのがずっと続いているわけである。北陸新幹線で1,350億円、足羽川ダムで340億円、中部縦貫自動車道で800億円ふえた、3つの総事業費だけでもこの小さい福井県でトータル1兆3,000億円である。新幹線を敦賀から延ばすとさらにふえるということであるけれども、単純にいうと3割負担などになる。いろいろと国のお金は入ってくるのだろうけれども、今言われたような起債を充てるからいいのだという数十年前の答弁を繰り返しているようでは心配なわけである。当時の栗田知事のフレーズは、優良な起債であるから大丈夫である、僕はこれがずっと印象に残っているのであるけれども、昔もそういうことだったのである。
 それで今は地方財政危機である。市町も大変だし、今新潟県の例を出されたけれども、県も人口は減る、交付税は減る、借金は返さなければいけないということで大変になってくるから、今の課長の答弁だけではなかなか県民は納得しないと思うのである。どんどんふえていって一体どうなるのかと。福井市でいうと公民館の予算を削ったり、職員の給料を減らしたり、施設を統廃合したり、小中学校を統合したりなど今どんどん出してきている。県もそういうことになって、いろいろな形で県民生活などに影響が出てくるのではないか。県だから、市民から見ると少し遠いわけである。市民から見ると市役所の問題はすぐ目に入るけれども、県庁の問題はなかなか目に入りにくい。しかしそういう問題はひとしく県民にかかわってくる問題であるから、財政と今後の施策に対する影響というのはきちんと説明責任を果たしていただくことが必要だと思うが、どうか。

◯財政課長  委員指摘のとおり、国直轄の事業などを含めて、労務費の高騰など事業費の増加が立て続けに出てきているという事情はある。これについて財政上、優良な起債を使うということは申し上げたのであるけれども、それ以外にも先ほどの事務事業の見直しの意見もいただき、スクラップアンドビルドを進めて、必要な事業をきっちり見きわめていくということも必要だと思っている。また県民の方に不便をかけないよう配慮した上で、出先機関の見直しなども進めているところであるので、こういったところで事業の必要性を引き続き、財政当局のほうでもしっかり見きわめていくことはやっていきたいと思っている。


◯佐藤委員  さっきの説明では大体納得してもらったという話があったけれども、出先機関の見直しは、やはりそこに住んでいる地域の住民からすれば遠くなる、不便になるという問題はあるわけである。だからもっと大きなところで見直しをしないと。例えば今は新幹線も敦賀まで工事しているからもうとめようがないと思うが、敦賀から以西へは一旦立ちどまろうよと。敦賀から以西へ切れ目なく工事をすると知事はおっしゃるけれども、財政的にこれだけどんどんふえてきている中でちょっと立ちどまって考えようというぐらい知事に言ってはどうか。


◯総務部長  財政を見る際の観点になるけれども、まずキャッシュベースで毎年予算を組めるかというのが1つある。それから後年度負担という意味で将来的な負担がどのようになっていくのか、大きく分けると2つの視点があると考えてい

る。
 先ほど財政課長が申し上げた当面起債でというのは前者の話であって、キャッシュを踏まえた当面の予算編成という意味では一旦起債を活用して対応するということを言っているわけである。
 その上で、今後の将来負担についても同時に見なければならないというのは財政論として当然あるわけで、行財政改革アクションプランの中で県債残高や将来負担比率を目標として掲げているのはそういったところの観点である。県債残高がふえると将来的な公債費負担に影響するので総額としてしっかり見ていくというのもあるし、また国の健全化判断比率としての将来負担比率で起債等も含めたストックが県の財政規模に比べて過大に大きくなり過ぎていないかというところも見ていく。そういったところも含めながらしっかり管理していきたいと思っている。


◯佐藤委員  もう終わるけれども、今野田委員が紹介された新潟県の問題というのはお読みになったかもしれないけれども、人ごとではない新潟財政危機と大きく日本経済新聞でも報道されている。やはり我々議員も県の職員の皆さんも人ごとではないという気持ちを持つことが大事である。新潟県だって多分、知事や財政担当者は一生懸命やってきていると思う。だけどこういうことになっているわけである。これは福井県にとっても人ごとではないのではないかということで野田委員も問題提起したし、僕も以前から財政の問題、お金の使い方の問題ではいいのかということを言ってきている。そういう点を常に検証していただきたいと思う。

◯財政課長  先ほど総務部長からも答弁したとおり、ストックの指標の管理というのが非常に重要だと思っている。今県で管理している県債残高、それに連動する将来負担比率を全国10位ぐらいを保てるようにプランの中で設定している。全国10位ということで他県と比べどのくらいのレベルにあるのかというのを見ながら、財政運営していくというところだと思う。指摘のとおり、ほかの自治体で起こっていることについても常に本県でも起こり得るようなことだという認識を持って、引き続き努めていく。

 

 

◯佐藤委員  来年度から会計年度任用職員制度が始まると思うが、パートタイム職員の場合これまで7.5時間という勤務があったと思うが、こういう勤務はどうなるのか。


◯人事課長  パートタイムの職員については会計年度任用職員になるが、7.5時間については7.5時間になる。


◯佐藤委員  総務省がそういうのは見直したほうがいいという意見を出されているのは御存じだと思う。従来から7時間30分と設定していたから今後もそのままの勤務時間でいいとは、直ちにそうならない。もともとなぜ7時間30分だったのかというのも検討材料の1つであるが、勤務条件の確保というのは、今回の制度改正の目的の1つであり、これを機に職の本来あるべき勤務時間を改めて見直していただき、フルタイムにできるものはフルタイムに、パートなら勤務の内容や量に応じた勤務時間として検討を行っていただきたいというような助言が各県にされていると思うが、これについてはどのように受けとめられているのか。

◯人事課長  総務省のそのような指導については認識している。もともと7.75時間のフルで働いている職員を会計年度任用職員制度を機に7.5時間にして財政目的で時間を短くするようなことがあってはならないということが本旨だと思っている。もちろん一つ一つの職種についてどのような必要性があってどういう時間が適切かということは十分検討している。


◯佐藤委員  そうすると、7.5時間は7.5時間でイコールに移行するのではなくて、7.5時間よりもあと少し延ばす、フルタイムにするという場合は職員の希望を受け入れるということか。


◯人事課長  職員の希望というよりも一つ一つの職種によって判断している。例えば病院の研修医だとフルタイムの会計年度任用職員になることがある。


◯佐藤委員  総務省も、今回の制度が非常勤職員の処遇改善だと言っている一方で財政負担を避けるために勤務時間を短縮するとか、そういうことでは困る。そういうのが今回の制度改正の気をつけてほしいことだと言っているわけであるから、徹底していただきたいと思う。
 それと年休の付与はどうなるのか

◯人事課長  休暇についても、例えば夏季休暇など正規職員に準じた休暇制度を今検討している。


◯佐藤委員  ある自治体では1月1日付で20日間の年休を付与する。要するに、来年2020年1月1日付で付与する。2021年は4月1日付で、また20日年休を付与するということを言っている市役所もあるらしいのである。これはおかしいのではないか。


◯人事課長  令和2年4月から新しい制度になるけれども、年休の付与については、今まで継続していた職員については累計を入れるようにはしているし、制度が変わっても職員の不利にならないような体制、制度は組みたいと考えている。


◯佐藤委員  今のある市役所の例は、15カ月間で20日間の年休と12カ月間で20日間の年休というわけであるから、そういうことで会計年度任用職員の方が不利益をこうむるようなことはまずいということを私は指摘した。こういう制度は僕はいろいろと問題があるとは思っているけれども、導入するのであればそういう点も含めてきちんとよく見ていただいて不利益が生じないようによろしくお願いしたいと要望だけしておく。

 

 

◯島田委員長  ないようであるから、所管事務の調査は終結した。
 次に、請願2件の審査に入る。
 審査は1件ずつ行う。
 請願第6号、国に対し消費税率5%への引き下げを求める意見書の提出を求める請願を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。


◯佐藤委員  承知のように、経済が非常に厳しい状況になってきている。安倍政権も大変だということで、次々と新たな国債を発行するとか、さらに新たなポイント還元制度をつくるとかということになってきているのである。きょうの朝のラジオでも経済評論家の森永さんがこれは5%に戻すのが一番いいよとおっしゃっていたけれども、お金をどんどんつぎ込んでやるのがいいやり方ではなくて、すっきりと5%に戻すのが一番の経済対策だということで、採択でお願いする。


◯渡辺委員  この増税分については、もう既に社会保障に使うということで国民も含めて世論がほぼ納得しており、既に財源にもなっているので、今さら5%に戻すことは現実的には困難である。これがいかに有効に活用されているかを検証するべきであって、このことについては不採択とさせていただきたいと思う。

◯山本建委員  私も今回の消費税増税は、あくまでも社会保障の安定的な財源を確保するために増税されているものであって、厳しい財政状況や少子・高齢化の現状を踏まえると5%への引き下げは極めて難しいとの認識を持っているので、不採択でお願いしたいと思う。


◯島田委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯島田委員長  ないようであるから、本件に対する質疑、討論は終結する。
 それでは、採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯島田委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 次に、請願第8-1号、関電原発にかかわる不正資金還流の真相究明を求める請願を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。


◯佐藤委員  先ほども質疑させていただいたが、栗田元知事はお中元、お歳暮をいただいていたということであるが、西川前知事は全くない。本人の署名もないというような県の調査報告だけでは県民の理解を得ることはできない。ぜひ第三者的な機関もつくってきちんと再調査をお願いしたいということで、採択でお願いする。


◯渡辺委員  今回意見書までは提出する必要がないと考えている。県は調査委員会を設置して調査結果も公表している。今定例会でも代表質問、それから一般質問で調査結果について質疑を行うなど、請願の趣旨と同じようなことに取り組んでいるので、今回は不採択とさせていただきたいと思う。


◯山本建委員  先ほど来本件に関してはいろいろと質疑がなされたところであるけれども、今回捜査権限や強制力がない中で法令にのっとって厳正かつ最大限の調査を行って公表いただいている。また県行政に影響を与えた事実も確認されていない。そして今後再発防止策を講じて信頼される県政の推進に努めていくという答弁もいただいているので、今回は不採択ということでお願いしたいと思う。


◯島田委員長  ほかに。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯島田委員長  ないようであるから、本件に対する質疑、討論は終結する。
 それでは、採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯島田委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 以上で、請願の審査を終了する。
 以上で、総務部関係の審査を終わる。

 

 


教員の変形労働時間制問題。学校校則について。給食パンの残留農薬検査と対策。森山元高浜町助役と人権行政。

2020年02月18日 | 福井県政

2019年12月11日におこなわれた教育委員会関係での佐藤正雄議員の質疑です。

◯佐藤委員  今の関連で、変形労働時間制のお話もあったが、県のシステムか福井市独自のシステムかわからないけれども、福井市では教員が残業時間、勤務時間を打ち込むと、一定時間を超えるとパソコンの画面がイエローに変わり、制限を超えるとレッドに変わる、そういう形でもうそろそろ上限の時間にきたので残業は控えていただきたいと、こういうパソコンの仕様になっているらしいのである。これは福井市独自なのか。


◯学校振興課長  申しわけない、今の件について福井市がやっているということは承知していない。


◯佐藤委員  そういう形で管理はされているのだけれども、レッドになると何をしているのだということになるので、レッドにならないよう実際の労働時間を減らすために朝早く行って残業をするということが福井市内の学校現場の実態だと先日お聞きした。こういうことをやっているようではお話にならないと思うので、これはやはりトータルできちんとつかむということが必要だろうと思っている。
 それから変形労働時間制の導入の検討についても国会は通ったわけで、これを条例化するかどうかということになってくると思う。実際に変形労働時間制を導入することになってくると、通常の月の残業が減って、その分夏休みでカバーすればいいではないかという発想になってくるのだろうが、先日本会議でもそう簡単にはいかないという現場の実態のお話もあった。あわせて通常残業が多い事業所では変形労働時間制の導入の前提を欠くんですよという厚生労働省の通知が出ているという状況もある。要するに、通常の月にずっと残業をさせておいて、変形労働時間制の導入なんてあり得ませんよという厚生労働省の通知も出ていると。こういう中で学校現場に変形労働時間制を導入しても何ら教員の具体的な改善にはつながらないという指摘もあるのだが、これはいかがだろうか。


◯学校振興課長  指摘のとおりだと思う。実態として残業がいっぱいある中で変形労働時間制を導入するというのは矛盾があるところだと考えている。とにかくまず今の業務改善方針を進めながら、残業時間をなるべく減らした中で変形労働時間制の導入を検討ということになっているので、まずは今の取り組みを進めていくことが大事だと考えている。プラスして時間の管理については先ほどのとおりで、本来忙しくて放課後できないことを朝に持ってくるという、そこはやった分についてはきちんと報告していただければと考えている。


◯佐藤委員  現場の実態はそうなので、今のまま変形労働時間制を導入しても、現場で働いている教員にとっては余計プレッシャーになるというか、何ら問題の改善にはならないということは指摘しておきたいと思う。

それから、もう1点、先ほどもあったのだが、資料ナンバー15の10分の1の2(1)4)学級編制基準の見直しで、先ほどの答弁だと中学校1年生を30人から32人学級にすることによって、十数クラスに影響があり十数人担任が減る。その分を習熟度別指導に回すことになると思うが、影響が出ないように考えていくというのは具体的にどういうことを考えているのか。


◯学校振興課長  減る分については、現在、割と加配で対応しているところであるので、何か加配できるところで対応しようと考えている。


◯佐藤委員  わかった。もともと福井県独自の少人数学級システムというのはいろいろな議論があったが、前の知事のときに教育委員会が導入して、全体としては評価できる点が多々あったと思うのである。それが30人学級から32人学級になると後退するのではないかという受けとめ方が出てくるのは当然だと思うので、そういうことにならないように再度要望しておく。以上である。

 

◯島田委員長  ないようであるから、福井県教育振興基本計画(素案)に関する調査は終結する。
 次に、第3次福井県子どもの読書活動推進計画の骨子(案)について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  前も質問したことがあるが、高校を訪問したときに図書室などをよく見させてもらい、どうかとお聞きすると、勉強が忙しくて本を借りる生徒が余り多くないというのが割と共通していたと思う。ある高校では物すごくたくさん本を読んでいる生徒がいるというのでどういう本かと聞いたら漫画のコミックスで、それをたくさん読んでいるということだった。漫画もいいと思うがそういうことがあった。教員の働き方も変えるし、高校生自身のテストとか勉強に追われるのを少し改善して、本を読むという時間も大事だと思う。さっき議論があった、今家庭の中でどれだけ親子で本を読むのかというと、親も残業でなかなかそういう時間がないということがあると思う。学校としては動機づけというのが非常に大事だと思う。今でも学級文庫というのが多分あると思うけれども、ああいう形で小学校のときから動機づけをどうしていくか、本に親しんでもらう空間と学校の中での活動をどうしていくか、これは非常に大事だと思う。ある学校に行ったときには、時々一流の講師を呼んで、それは経済評論家であったり小説家であったりするのかもしれないけれども、そういう一流のそれなりの人を呼んで直接高校生に語ってもらうということをやっているというお話もお聞きした。別に福井県内の人がだめなわけではないと思うが、全国クラスで活躍している人の話を聞いて刺激を受け、学び、吸収していく。新聞を読むにしても、本を読むにしても吸収をしていくという上では非常に大事だと思うので、ぜひそういう点で工夫していってほしいと思う。何か所見があればお願いする。


◯生涯学習・文化財課長  先日、県内の小・中・高校の図書室をいろいろ見させていただいた。まずは図書館に来てもらいそこから本に親しんでもらうというように学校司書がいろいろな工夫をされていることを目の当たりにさせていただいた。今後も学校司書の頑張りや委員がおっしゃっておられるような著名人の話を聞く機会を設けるなどして、本に親しむ機会をつくっていきたいと思っている。

 

◯島田委員長  次に、その他の所管事務について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  9月定例会でも聞いたが、学校給食の残留農薬の問題はその後どういう対応になったのだろうか。


◯保健体育課長  今は検査項目に含まれていないので、来年度からは検査の際に濃度を検査できるような項目を加えて検査したいと思っている。現状では、来年度から県内で検査を実施していきたいというところまでである。


◯佐藤委員  前も紹介したように、全国的にアメリカ産・カナダ産の小麦を材料に使っているパンを検査して残留農薬が検出される確率はほぼ100%である。当然セットで対応も考えなければいけないと思うが、それはどうするのか。

◯保健体育課長  国の規定する濃度が世界基準ではどうかという話がいろいろあるのは承知している。実際には国の定める基準内であるものが多いということで、そこをオーバーしたときの対応というところまでは考えていない。というのも実際に県内で流通している小麦なども、国内で流通しているものが福井にも入ってきているので、福井単体でどうするというようなことになると、全部地元の小麦でつくらないといけないなどという話にもなるし、給食自体をどうしていくかという根本的な話にもなるので、今は他県の状況などを見ながら検討していきたいと思っている。


◯佐藤委員  おっしゃるとおりだと思うが、そうかといって残留農薬が含まれているということで今社会問題化しているものをそのまま子どもたちに食べさせるというのは教育委員会としては問題だと思う。実際すぐに県内産や国内産に全部切りかえられるわけではない。しかし教育委員会としては親御さんや子どもさんの不安解消のためにはこういうことで考えていくというものがないと、検査はした、グリホサートが検出された、しかし県はそのままでやるというのでは納得できないのではないか。

◯保健体育課長  福井近辺の学校給食で流通しているような食材だと、大体地域で取り扱っているものが似てくるので、近県と協力して国に要望を出すとか、今後の対応についてはこれからいろいろ検討していきたいと思っている。


◯佐藤委員  これは急に出てきた問題ではなくこれまでもあった問題ではあるが、親御さんや子どもさんの不安が出てきており、社会的にも問題になっていることであるからきちんとした対応をしてほしいということを要望しておく。
 それから、2つ目だが、今全国的にも学校の校則の問題が話題になっている。先日、県立高校の校則をいただいて見させてもらった。そんなに問題があるのかなとは思ったが、学校によっても違うけれども、例えば校則の中でカラオケやボーリング場に行ってはだめというのもあるわけである。今カラオケに行ってはいけないというのが本当はどうなのかなという気もする。それから政治活動はだめというのもある。今は18歳選挙権になって、若い人の投票率が低いのが社会問題化している。活動と話とは微妙なところがあるとは思うが、逆に学校内で政治的な話題を抑制するということがいいのかどうかというのも問題になってくると思うのである。それから、今は冬だから街頭で辻立ちをしていると女性もスカートの方もいらっしゃればズボンの方も結構多い。校則だと女性はほとんどスカートをはくことになっており、選択制にできないのかと思う。寒がりの人はズボンでもいいし、スカートをはきたい人はどうぞというように、一人一人の生徒に応じた服装選択の機会があってもいいのではないかとか、いろいろ思うところはある。福井県の県立高校に全国的に言われている、いわゆるブラック校則というのがあるという感じは受けなかったのだけれども、改善点である。これは教育委員会がこうしなさいと言

ってするものでもない面もあるとは思うが、社会的な流れやさっき言った18歳選挙権の流れなどを踏まえて県の教育委員会として改善点を考えていることがあれば答弁願う。


◯高校教育課長  高校の校則については、生徒の実態とか地域の実態を踏まえて、各学校で校長が定めるというのが基本的なスタンスである。高校の校則についてはこれまでも県立校長会などで校長に対して各学校の校則を見直しをするといったことも要望している。また今後校長会でもそのことについて一度時間をとって話し合いをすることも考えているところである。我々も県立高校の校則を一通り見る中で、確かに服装や頭髪の規定というのは各学校にあるが、報道で出ているようなブラック校則というところまではないのかなと思っている。ただそもそもその校則は必要なのかということも含めて考えていってほしいと思っているので、また校長会を通じて各学校に伝えていきたいと思っている。


◯佐藤委員  各学校の自主性が大事だろうけれども、見直しも含めて柔軟にお願いしたいと思う。
 最後だが、高浜町の元助役との関係で今定例会でもいろいろな議論があった。これは総務部が中心に人権行政ということで調査をされて健康福祉部と教育庁関係があり、教育庁関係者の中にも処分相当という文書を受け取った方もいらっしゃる

ということだった。そこでお尋ねするが、教育長は以前も教育委員会におられたことがあるわけだが、森山元助役と面識はおありか。


◯教育長  企画幹に就任した際、挨拶に伺ったことがある。


◯佐藤委員  金品の受領はなかったのか。

◯教育長  この場で申し上げることかどうかはわからないが、ない。


◯佐藤委員  森山元助役が行政に対して何の意図もなく教育庁や健康福祉部の幹部などに面会したのかというと、そうではないだろうと思うのだが、その辺はどうか。


◯生涯学習・文化財課長  過去の担当などに聞くと、教育のほうでは人権関係の指導者研修会というものをやっている。そういった指導者研修会の内容やどういった講師を呼ぶといいか、どういった方がいらっしゃるかというような指導を受けに行ったということは聞いている。


◯佐藤委員  当然指導を受けるわけだから、そのときに森山元助役からいろいろアドバイスを受けたわけである。県の報告書だと10万円か20万円かわからないけれども、そういう人から金品をもらったということで元教育庁幹部の何人かが処分対象になっている。これは今言ったように、実際には仕事の中身を頼まれて10万円の現金や商品券などをもらったということになるのではないか。

◯生涯学習・文化財課長  人権教育の講師をどうすればいいかといった業務内容の相談と金品受領の話というのがどういう関連になっているのかというところまでは私はわからない。申しわけない。


◯佐藤委員  森山元助役も何も考えずにお金を渡したわけではないと思うのである。当然目的があって、人を選んで10万円か5万円か、あるいは関西電力みたいに1億円と、いろいろあるけれども、お金を渡しているわけだからそこには狙いがあったと思う。それでお尋ねしたいのは、今回県から議会に出された契約状況調について、高浜町元助役関連企業と教育委員会関係の契約が急速にふえている。これは森山元助役が顧問を務めた会社である。業績自体もこの数年間で数倍にふえているが、その中で教育委員会の関係業務がふえている。これはどういう背景があるのか。


◯生涯学習・文化財課長  契約自体は金額によって一般競争入札をしたり、一定規模以下の金額のものについては何社か見積もりを取って随意契約をしていると聞いている。監査でも適切な契約ということは聞いているので、問題ないというか、適正な執行をしていると考えている。

◯佐藤委員  言われるように、県の土木部や教育委員会の契約は適正に執行されているから何ら問題はないと、それはそのとおりだと思う。そのとおりだと思うが、発注案件が急増しているというと、普通は、さっき言ったいろいろな面談をしている関係と無関係なのかというように思うのである。そう思わないか。全く無関係だということか。


◯生涯学習・文化財課長  以前と比較してどういう経緯で件数がふえたかとか、そういったことについては判断できかねるので、申しわけない。


◯佐藤委員  最後にするが、私の質問に対して知事が金品受領問題は個人個人の問題だと言われたことが心外なのである。今教育長も言われたように、職務で、企画幹という肩書で会いにいっているわけだから、個人の資格で会いにいったわけではない。だから、これは個人個人の責任で個人個人を処分する、あるいは処分相当という通知を出すというだけでは問題だと思っている。また総務部でも聞きたいと思っているが、教育庁の分野でも、こういうものを見るとそういう疑念が生まれるということだけは指摘しておきたいと思っている。以上である。

 


関西電力・森山元高浜町助役と福井県政。福井駅前の巨大再開発問題。成年後見制度について。

2020年02月18日 | 福井県政

2019年12月6日におこなわれた佐藤正雄議員の一般質問です。

 

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 日本中を驚愕させた原発立地自治体である高浜町の元助役から関西電力幹部への3億2,000万もの金品の還流。原資は電気料金や原発関連工事、地方自治体の公共事業の受注業者から森山元助役を通じて還流したと見られております。「関電の問題は福井県の恥です」と、福井市内の自営業の女性は憤っております。これは原発に賛成、反対の立場を問わず、多くの県民の気持ちかと思います。
 この事態に、原発の再稼働などに反対する原発問題住民運動福井県連絡会や原発反対福井県民会議などを初め、広範な住民団体が、関西電力が来年にも計画している高浜、美浜原発での40年超老朽原発を動かす老朽原発再稼働に反対する「老朽原発動かすな!福井県実行委員会」を結成しました。そして、「危険すぎる老朽原発、高浜1・2号機、美浜3号機の再稼働を許さない!原発マネーの還流、関西電力に原発動かす資格なし!」と自治体要請行動、リレーデモを県内各地で繰り広げ、現在大阪の関電本社に向かっております。
 振り返りますと、関西電力の原発闇マネー問題では元副社長の内藤氏がその内情を数年前に暴露したことがあります。1972年から1990年に、年間数億円の闇献金を原発推進のために政界に対して行っていたという衝撃的なものでした。政界というのは、言うまでもなく総理を頂点とした中央政界と、関西電力の原発を国内で受け入れているただ一つの福井県であります。まさに県内に関西電力の原発が相次いで建設されていった、そういう時期と重なるわけであります。
 今回、明らかになった高浜町の森山元助役を仲介役とした3億2,000万の金品還流は全体のごく一部でしょう。しかし、関電の原発は福井県にしかないことから、関電によって原発の電気と原発を通じた裏金の生産地として福井県が利用されてきたことは明らかではありませんか。
 元副社長の内藤氏の証言と、今回明らかとなった原発事業を通じた巨額の関電原子力事業本部を中心とした還流マネー、裏金の構造を見れば、関西電力と森山氏や政界の間には相互支配、相互利用ともいうべき関係性が見られます。事実、稲田衆議院議員や西川前知事の活動に対して関西電力などが政治資金パーティーなどを通じた支援を行っていたことは明らかになっているとおりであります。このような流れを見れば、今回の森山高浜町元助役の問題を彼個人の特別な人間性から派生しているという見方では全容解明はできません。脈々と続く黒い原発マネーの流れが本流であります。
 そこで、関西電力に関して、知事に2点お尋ねをいたします。
 第1は、今回のように原子力事業本部を中心として重大な社会的問題を起こした関西電力と福井県の付き合い方であります。これまでどおり安全第一にと言っているだけでは不十分であり、当然ペナルティーが必要ではありませんか。
 そこで提案いたします。嶺南エネルギー・コースト計画に関して、委員やワーキンググループに関電社長を初め幹部が入っていますが、一定期間メンバーから外すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。あわせて、ほかに知事が考えておられるペナルティーがあればお答えください。
 第2は、原発事故にしても今回のような還流マネー問題にしても、マスコミのトップニュースとなり、そのたびに福井県のイメージダウンであります。こんなことがこの数十年間、福井県では繰り返されています。現在策定中の長期ビジョンも、仮に原発重大事故が起これば重大な障害となります。
 1億円余りを受け取っていたという豊松前原子力事業本部長。マスコミの報道では、年内に美浜原発4号機の新設計画を発表する予定だったというではありませんか。驚きました。また、原発を80年間運転する計画も講演会で語っていたようです。県の安全専門委員会の中川前委員長の発言のとおりであります。これで10年ちょっとしか運転できない60年間の運転に、5,000億円とも言われる再稼働費用をつぎ込む魂胆が見えてきました。80年、ぼろぼろになるまで原発を酷使し、がっぽり原発マネーをつくり出すプランが関西電力の内部にはあったわけであります。
 このような関西電力の原発とのお付き合いはもうやめようではありませんか。原発を稼働する限り、重大事故の危険の心配は続き、行き場のない使用済核燃料がふえ続けます。巨額の原発マネーの徘徊が続き、政治と社会をゆがめます。
 知事、原発ゼロ、原発マネーからの脱却のプログラムを策定すべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 次に、福井県庁幹部への森山マネーの問題について質問します。
 私は、今回の県の報告書の内容を聞いたときに、数千円程度のお中元、お歳暮をやりとりした人数が100人を超えていた、そういう多さが本質ではないと思いました。では、何が問題なのか。
 その一つは、甘い倫理観の問題として県民の憤激を買った県庁組織ぐるみのカラ出張事件の教訓が生かされていない、風化しているということです。出張していないのに出張したことにして数年間にわかっただけでも21億円を超える裏金をつくって使っていた大事件でありました。規模からいえば今回の問題の比ではなく、県職員が組織的に公金をいわば横領して、一部は備品購入など公務に充てたというのもありますけれども、私物の購入や飲み食い、国内外旅行などで使われていた、まさに犯罪行為でした。ある幹部は、ハワイまで部下に遊ぶ金を運ばせたこともあったとお聞きしました。公金管理の厳格化とともに公務員としての自覚と規律が問われ、再出発して20年余りが過ぎて今回の問題。なぜカラ出張問題の教訓が生かされず、県職員としての倫理観の緩みが起こったのでしょうか。 二つ目は、闇勢力の前に県職員が公権力の行使を諦め、敦賀民間最終処分場に許可量を13倍も超える廃棄物の持ち込みを許した事件です。このあと処理の代執行のために100億円を超える税金が投入され、今も維持管理のために毎年数億円が投じられるなど、環境問題とともに県民に巨額の損失を与え続けている大事件です。
 関西電力の報告書には、森山氏が「家にダンプをつっこませるぞ」、「娘がかわいくないのか」など、まさに闇勢力並みの脅しを行ったことが書かれておりました。県の報告書では、そのような具体的な森山氏の発言記述はありませんが、同一人物ですから本質は同じであります。このような人物を先生扱いし森山詣でを行い、長期間にわたり10万、20万と現金や商品券などを受け取った職員を出したことは、敦賀民間最終処分場事件の教訓、法令遵守に照らしても極めて重大であります。
 このように、カラ出張事件、敦賀民間最終処分場事件という重大事件を経験し、問題点を共有してきたはずの県幹部職員に森山マネー問題が起こったことは、私自身多くの県職員の皆さんの真摯な仕事ぶりに日ごろ接しているだけに、とても残念であります。
 過去の重大事件の反省と教訓がなぜ生かされなかったのか、今後過ちを繰り返さないためにはどうするのか、総務部長、副知事を歴任された杉本知事にお尋ねをいたします。
 次に、森山元助役と県庁の関係についてお尋ねをいたします。
 県は今回の調査について、重点は人権行政とのかかわりであり、その範囲で私が指摘した元総務部幹部も調査をしたとしております。そして、調査委員会は、「全ての調査対象者において、森山氏から請託を受けた事案や森山氏に便宜を図った事案は確認されなかった。県の発注工事など県行政に影響を与えた事案は確認されなかった」とまとめております。
 ある県庁元幹部は就任後、挨拶に行かなかったら森山氏本人から電話があり、「挨拶に来い」と呼びつけられた。そして、「そんなことでは幹部は務まらん」と叱責されたとお聞きをいたしました。関西電力幹部同様、関係する福井県幹部についてもリストがつくられ、挨拶に来たかどうかの有無、金品提供の内容などが記録されているのでしょう。県の調査報告書のように、何らの県政に対する要望について森山氏は県幹部に伝えなかったというのは、関西電力幹部に対するのと同様の手法で県幹部をコントロールしようとした森山氏の言動を考えれば信じがたい面があります。
 では、何のために森山氏は繰り返し県幹部と面会し、県職員もわざわざ京都まで出向いていたのかということになります。ただの雑談と食事に県職員が繰り返し京都まで出向いたのなら、職務専念義務に違反します。しかも多くの場合、面会場所は森山マネーを生み出したといわれる企業の一つ、原発メンテナンスの仕事などを請け負っている柳田産業京都支店であります。そこには双方に面談する理由があったはずです。そこで県職員に森山氏から何らかの職務行為の要請があり、その職員に10万円、20万円と金品提供が行われていれば、まさに賄賂ではありませんか。
 事実、この数年の森山氏と県幹部との打ち合わせの復命書には具体的な打ち合わせ内容があり、2時間以上に及ぶこともあります。そしてこの打ち合わせと前後して、県幹部が解放同盟から要請を受ける懇談会の場には人権行政や土木行政などの幹部が参加しているわけです。配付資料のAを見ていただければ、頻繁に森山氏と県職員が面談していたことがわかります。

また、関西電力、日本原電という原発推進企業体と関連会社が一体となって、いわゆる人権の取り組みを推進し、そこに福井県の福祉部門とともに原発推進部門もかかわっていたことがうかがえるわけであります。
 そこでお尋ねいたします。
 県幹部は、繰り返し森山氏と職務内容の相談、打ち合わせを重ねてきたわけですが、それを通じて人権行政や土木行政などにおいて反映された点はあったのかなかったのか、お答えください。
 次に、大きな2点目です。
 福井市のまち壊しになりかねない福井駅前での大規模再開発事業について質問いたします。
 さきの決算認定反対討論でも述べましたが、以前は総事業費250億円ぐらいと言われていたのが、ふえにふえて380億円近くに膨れ上がってきました。マンションも100戸程度の計画だったのが220戸となり、県外の準大手4社が管理する予定とお聞きしました。
 しかし80億円もかけるとなると採算がとれるのでしょうか。行政や議会がチェックしなくてはならないのは、果たして事業採算性があるのかということです。入るテナントがないから市役所や県庁が入るというような繰り返しでは話になりません。つまり、それだけ民間活力がないところへ税金のカンフル剤を打って急場をしのぐだけだからであります。
 本来、あの場所は稼ぐ場所であり、インフラなどでの行政支援も重要なところです。しかし、現実は西武新館の撤退です。しかも社内で新幹線の開業効果を計算してもそういう結論だと報道されました。
 今、広大なエリアで再開発事業の工事を新幹線開業に間に合わせるために行ったらどうなりますか。当然、駅前へのお客さんは激減します。かつての周辺の陸橋撤去などの工事期間でも来客は40%減ったといいます。新幹線開業に間に合わせるためと称して、福井駅前を幽霊都市にしかねないまち壊しの無謀な計画です。ますますマイナススパイラルに落ち込む懸念があります。採算度外視、新幹線日程優先のやり方の見直しを強く求めます。
 これからは人口が急激に減り高齢化が進むと県庁幹部も県会議員も認識しています。言うまでもなく、再開発ビルなど今後の維持管理は自己責任となるのです。今回も建設当初は百五十数億円もの税金支援が行われますが、あとはありません。長期間の維持管理にはイニシャルコストの数倍かかると言われます。
 そこでお尋ねをいたします。
 まず、県が、県議会で議論中にもかかわらず2月議会直後の3月29日に、新しい知事や県議会での議論をかわすかのごとく都市計画決定した性急さが問題だと指摘をしておきます。このことについては関係者からも驚きの声をお聞きをいたしました。一体県は、この事業の採算性をどうチェックしたのですか。
 また、地権者との権利交換についての協議状況を御説明ください。
 最後に、成年後見制度について質問いたします。
 昨年も質問しましたが、まだ県内では中核機関づくりの取り組みが弱いように思います。超高齢化社会の急速な進展の中で、生活や財産管理などを円滑に進める上では重視しなくてはならない政策なのにです。
 配付した資料のBは、福井家庭裁判所から提供を受けたものであります。福井家庭裁判所における後見等管理継続中の本人数は、平成25年末が1,233人、平成30年末が1,542人であり、5年間で25%ふえております。しかし、具体的な調整や担い手の育成、後見人支援体制についても、中核市となった福井市でも決まっていない状況があります。県としても中核機関の設立を初め体制整備について強力にサポートすることが必要ではありませんか。市町の調査では県内の中核機関整備はゼロ、権利擁護センター整備は4、未整備が13という状況です。
 国が示した中核機関の設置期限まであと2年余り。県として市町任せではなく具体的に市町への制度創設と運用への支援をどのようにするつもりなのか、お尋ねをいたします。
 さらに、成年後見制度適用が必要となる方々の中には今でもいらっしゃるわけですが、低所得者の方、生活保護費を受給されている方も今後当然ふえてまいります。その際、本人の財産から成年後見人である弁護士とか司法書士あるいは親族の方などに報酬を支払うという現行のスキームでは、事実上報酬がもらえないボランティアになってしまうわけです。国はかかる高齢者や障がい者の成年後見制度の利用支援促進事業を設け、経費助成を交付金措置しています。
 そこで、県内市町における成年後見人報酬へのこの経費助成活用状況、人数と交付金額をお尋ねいたします。あわせて、市長、町長の申し立てに限るのではなく、全てについてこの制度活用を図り、急速な高齢化社会とともに進むであろう成年後見ニーズに備えるべきではありませんか。
 見解をお尋ねして、質問を終わります。

◯副議長(小寺惣吉君) 知事杉本君。
    〔知事杉本達治君登壇〕

◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、嶺南エネルギー・コースト計画に関連して、委員やワーキンググループに関電の幹部が入っているということで、一定期間メンバーから外すべきではないか、また、さらなるペナルティーの考えがあるかといった点についてお答えを申し上げます。
 嶺南エネルギー・コースト計画の策定につきましては、原子力、それから再生エネルギーなどのエネルギーの切り口を中心としまして、地元嶺南地域に人や企業や技術や、それから投資、こういったものを呼び込んでいくということで、今順次計画を策定しているところでございます。
 計画の策定委員会におきましては、例えば原子力人材の育成のこと、それから廃炉、こういったことを新しい産業に結びつけていくべきだというようなこと、それからまた、試験研究炉を活用していこうというようなお話、また、電力を地域で賢く省エネなどを使いながら使っていく、そういったスマートエリアをつくっていく、こういった議論がなされているところでございます。
 また、この計画の策定は単に計画をつくるということではなくて、現実にそういう社会を実現していこうということに主眼を置いている関係で、策定委員にはもともと地元の自治体を含めて関係者の皆さん、それから国、それから研究者の皆さん、さらには電力事業者、そのほかの関係を持っていらっしゃる方々にお入りをいただいているところでございます。こうした議論を、これからプロジェクトとして具体的に推進をしていくということになるわけですけれども、そういう中でやはり電力事業者も地域を支える、そういう一つのプレーヤーとして大きな役割を果たしていただく必要があるということでございまして、事案のことは事案のこととして、関西電力は嶺南地域の社会の発展のために大きな役割を果たす責任があるというふうに考えておりまして、これにつきましてはもちろん県民の皆さんに疑念を持たれることがないように、オープンな形でしっかりと議論を行った上で、今後とも進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、さらなるペナルティーにつきましては、関西電力については今回の事実関係の徹底究明と、それからこうしたことが二度と起きないように抜本的な再発の防止措置についてしっかりと実施をしていただいて、県民、国民の信頼を回復していただく、こういったことを国に対しても含めて、さらに今後とも強く求めてまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、原発ゼロ、原発マネーからの脱却のプログラムを策定するべきではないかということについての御質問にお答えを申し上げます。
 原子力発電につきましては、国民の生活の安定、それから産業の振興、さらにはエネルギーの安全保障ということで、国にとって非常に大きな問題であるというふうに考えているところでございます。そういったことで、福井県においては50年以上にわたってこの国の政策に志を持って協力をしてきているという状況にあるわけでございます。
 国におきましては、エネルギー基本計画の中で原子力依存度をできる限り下げていくという考え方のもとに、2030年を目標として原子力比率を20~22%を目指していくというふうに述べているところでございます。ですので、これからもその道筋を早く明確にするようにということを強く求めてまいりたいと考えているところでございます。
 そのほかにも、例えば廃炉の問題、40年超の運転の問題、さらには使用済核燃料の中間貯蔵の問題、こういった課題が幾つもあるわけでございまして、こうしたことを国としても方向性を明らかにする、方法論を明らかにするという中で、我々としてはこれをさらに強く求めることで今後の原子力の方向性というのを明確にしてまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして旅費問題、さらには最終処分場の問題などの重大事件の反省と教訓がなされていないのではないか、また、今後過ちを繰り返さないためにどうするのかといった御質問についてお答えを申し上げます。
 旅費の問題につきましては、これは予算の確保の方法についても、また、予算の執行の仕方にも課題があったということが明らかになったところでございまして、そういう意味では必要な予算についてはしっかりと当初予算、それからいろんな形で措置をしていくということもさせていただきました。また、そういった形でお金が引き出されるということもありましたので、予算執行の方法についても見直しを行っているところでございまして、不適切な事務処理が行われないような体制を築いたところでございます。
 また、最終処分場の問題につきましては、これは事務処理を行う体制が脆弱であったという問題が明らかになったところでございまして、そういう意味で産業廃棄物の担当部局の組織の強化を行いましたし、また、パトロールなどの強化も行っでございまして、そういう意味で産業廃棄物の担当部局の組織の強化を行いましたし、また、パトロールなどの強化も行ってきているところでございまして、再発防止に努めているところでございます。
 今回の事案につきましては、もともとは個人的な関係から端を発しているというところが一つの別の観点だろうというふうに思っているところでございまして、そうした個人的なところから始まったということで個人任せにしてしまった、組織的な対応ができなかったというところを強く反省をしているところでございます。そういうことと、もう一つは国家公務員の倫理規程にあるような明確な基準が示されていなかったということがまた個人のほうの処理をわかりにくくさせた、そういうこともあったんだろうというふうに考えているところでございます。
 そういったことから、今後につきましては綱紀粛正をしっかりと図っていく、徹底していくということとともに、儀礼の範囲というものを明確にする、また、一定額以上の贈答品のやりとりについては報告を求めるというような職員の倫理規程というものを年内に制定をしていくということもございます。
 また、そういった内容について職員の倫理の研修をしっかりと行っていく、さらには個人として逃げ場がなくなることがないように相談窓口も置いていく。こういったことを図りながら、県民の皆さんに信頼していただける県政を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 そのほかにつきましては、担当より御答弁を申し上げます。

◯副議長(小寺惣吉君) 総務部長近松君。

◯総務部長(近松茂弘君) 私からは、高浜町元助役関係で1問、お答えをさせていただきます。
 議員御質問の中の、県幹部は繰り返し森山氏と職務内容の相談、打ち合わせを重ねてきたけれども、人権行政、土木行政などにおいて反映された点はあったのかどうかという問いについてでございます。
 森山氏につきましては高浜町元助役でございまして、県の客員人権研究員を務めるなど地域の人権問題を熟知して、行政の内容にも通じた第一人者として認識をされておったところでございます。その上で県としては、県の客員人権研究員ということでございますので、そうした地域の人権問題に係ります事業の推進でありますとか、また、研修の講師というところの選定などのためにさまざま助言を受けていたというところでございます。
 そうしたことでございますので、人権のほうを担当しております健康福祉部でございますとか、人権の教育のほうを担当してございます教育庁の職員が人権研修の企画でございますとか、また人権の関係の啓発を行いますのでその啓発資料でございますとか、そういったものの内容をどうするというところでございますとか、また、地域からの要望を受けます人権問題についての懇談会への対応などにつきまして、協議でございますとか助言を得るということで打ち合わせを行う、そのために森山氏のところを訪れていたというところでございます。こうした協議でございますとか、また、この人権問題についての懇談会におけます意見交換会などを通じまして、県として必要な人権の施策というものを進めてきたというところでございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 健康福祉部長窪田君。

◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から、成年後見制度についていただきました2点についてお答えをいたします。
 まず、国が示した中核機関の設置期限まであと2年であるが、具体的に市町への制度創設と運用への支援をどういうふうにしていくのかというお尋ねでございます。
 認知症でございますとか知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不十分な方を保護する、それからそういう支援をするという目的で、成年後見制度の利用を促進する成年後見制度利用促進基本計画というのが国において平成29年度に策定をされました。その中で、市町村に対して制度のコーディネートを担う中核機関を令和3年度の末までに設置するように促しているわけでございます。
 御指摘をいただきましたとおり、現在県内で中核機関設置済みの市町はございません。ただ、全国でもまだ8%ほどの設置率にとどまっておりまして、成年後見制度の利用促進に向けた体制整備というのは、これから2年半ほど期限までございますけれども、全国的な課題となっているというふうに理解をしております。
 この背景といたしましては、市町において成年後見制度を必要とする人のニーズ、全体像の把握というのが余り進んでいないとか、予算とか人員の確保というのもそれほどしっかりしたものではないとか、それから裁判所などの関係機関との調整がなかなか進まないというようなことが背景にあるというふうに私どもとして把握しておりまして、こういう状況を踏まえまして、県では市町の取り組みの促進を後押ししていこうということで、ことしの6月に福井弁護士会等との連絡会を初めて開かせていただきました。

さらに、今年度中には市町、それから関係機関を集めた検討会を開催する予定でございまして、設置に向けた課題や対策についての協議を通じまして、中核機関の設置が進むように県としても支援をしていきたいと、2年半の中では各市町とも設置を念頭に置きながらこれからの協議を進めていく考えであろうというふうに理解しておりますので、この期限までには設置が行われるものと考えております。
 二つ目に、成年後見人報酬への国の経費助成の活用状況、それから人数、交付金額のお尋ねでございます。さらに、これを市長、それから町長、首長様の申し立てに限るのではなく、あらゆる申し立てに制度活用を図るべきではないかというようなことでございます。
 成年後見制度の利用が、費用負担を理由にできなくなる事態を防がなければいけないということで、低所得の高齢者とか障がい者が成年後見制度を利用する際の後見人の報酬等に対して、介護保険制度、それから障がい者福祉制度の中で助成制度が設けられております。
 この助成制度の活用状況ですが、まず高齢者の地域生活支援事業、この中では福井県では50件、930万円の利用がございます。この負担割合はまず保険料から23%、介護保険料から23%を出しまして、残りを国2分の1、県、市町4分の1で折半しているという形でございます。それから障がい者につきましては県内で8件、140万円の利用がございます。これは保険料がございませんので、原則、国2分の1、県と市町で4分の1ずつという負担割合になっております。これを二つ合わせますと、平成30年度の実績は58件、1,070万円ということでございます。
 また、この助成制度の対象につきましては市長、それから町長が申し立てる場合にのみ限定されているわけではございませんので、県内の状況を見ましても、この58件のうち14件は市長、町長以外からの申し立てに係るものでございます。ただ、市町によって取り扱いの異なる事例もあるように伺っておりますので、この点につきましては、今後もこの助成制度の適切な活用につきまして、市町とともに協議も進めまして適切に運用されるようにしていきたい、このように考えております。

◯副議長(小寺惣吉君) 土木部長大槻君。

◯土木部長(大槻英治君) 私からは、駅前の大規模再開発事業についてのお尋ねについてお答えいたします。
 再開発事業の採算性をどうチェックしたのか、それから地権者との権利変換についての協議状況についてのお尋ねでございます。
 まず、この採算性について、ことし3月29日の県が決定した都市計画決定、性急ではないかという御指摘がございましたけれども、県が行いました都市計画決定は、都市計画法に基づいて3月8日に開催しました福井県の都市計画審議会において、再開発に当たっての高さ、それから容積率の上限を緩和する、いわゆる区域設定に関するものでありまして、採算性についての議論というのがこの審議の中には入っていないという状況でございます。
 事業採算性につきましては、県が都市再開発法に基づきまして、再開発組合の設立を認可するときに審査するというものでございまして、先月11月に準備組合から提出をされました設立認可の申請書、これにつきまして、事業資金が十分確保されているかなどにつきまして現在審査を進めているという段階でございます。
 また、地権者との権利変換についてですけれども、準備組合が権利変換計画の認可申請に向けて、現在地権者と調整を進めているという段階でございますので、民民の取引も調整事も含まれるということでございますので、こちらにつきましては県のほうでお答えできる協議現状については、今この認可申請に向けて調整が進んでいるという状況まででございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 佐藤君。

◯28番(佐藤正雄君) 御答弁いただきましたので、何点か再質問いたします。
 まず知事ですけれども、知事の答弁の中で嶺南エネルギー・コースト計画に関して、今回の関西電力の事案のことは事案のことで、関西電力には地域発展の責任を果たしてもらう必要がある云々という答弁だったと思うんですが、これでは全然ペナルティーにはならないですよね。ですから、既視感というかデジャブといいますか、前もお話ししたかもしれませんが、美浜発電所の3号機の配管が破裂して11名が死傷された事故のときに、ちょうど西川前知事がエネルギー研究開発拠点化計画というのをつくろうというところで、今回と同じように関西電力とかの社長さんとか幹部の方を委員に入れて計画委員会をやっていたんですね。そのときにも私は、こういう大事故を起こした関西電力をそのまま県の委員にしておいていいのかということを質問したら、西川前知事も今の杉本知事と同じように、それはそれ、これはこれだということなんですね。
 これでは結局、今回また同じではないにしても、こういうことになってきているわけですから、全く県としてこういう点の反省がないんですよ。西川前知事のときは重大な事故を起こした、今回は重大な社会的なそういう問題を起こしたということについて、「いいですよ、県の委員そのまま続けてください」というのでは、全くこれはペナルティーにはもちろんならないし、関西電力に対して福井県として厳しい姿勢を示すということには全くならないわけですね。
 ですから、杉本知事が幾ら声を荒げて全くひどい行為だということで怒ってみても、声だけ怒っても実際は仲良くやろうじゃないかということでは、全然話にならないと思うんですね。だから、はっきりとこれは何らかのペナルティーを示さないと。
 普通の土木業者だったらえらいことですよ。事故を起こしたりいろんなことをしたらすぐ指名停止とかそういうことになったりするわけですから。やっぱり今回の関西電力のこの重大な事件、しかも舞台は原子力事業本部ですよ。原子力事業本部を舞台にしてこういう社会的な大事件が起こったときに、これまでどおりのお付き合いでいいのかというのはね、これ県民みんな思いますよ。だから、先ほど福井市の自営業者の女性の方の声を紹介したように、ニュースが出たときに本当に福井県民として恥ずかしいという声が出たように、それが県民みんなの声なんです。
 だからこれは知事として、やはりきちんと関西電力に対して厳しいペナルティーをするべきだということで、再度お尋ねをいたします。
 それからもう1点は、カラ出張、敦賀の民間最終処分場問題ということで、なぜ福井県でそういう倫理観の甘さ、あるいは闇勢力と言うとあれですけれども、いろんな脅しとかに屈するということが今回もまた起こったのかということなんです。もちろんカラ出張と敦賀の民間処分場問題と、今回の問題は背景は違いますよ。だけど、森山氏の個人的な問題だということだけで済ましては、やっぱりいけないと思うんですよ。
 個人的ではないですよ。やっぱり組織的に──お手元にも配らせてもらいましたけれども、この1年ちょっとの間でこれだけお会いしているわけでしょ。10年、20年さかのぼればもっとたくさんお会いして、いろんな御指導を受けているわけですよ。皆さんの報告書によれば、いろいろ指導を受けているわけですよ。協議しているだけではないんですよ、指導を受けていると書いてあるんですよ。ですから、指導を受けて県が行政してきたではありませんか。
 そのことについて、やはりそこはきちんと、問題があったということで、そういう指導を受けたこと自身が問題なんだと。そういう人物から指導を受けて、それが県の行政にどう反映したのかということはもっと明らかにしないと、これはわからないと思うんですね。
 ですから、今回の県の報告書でも、吉田開発とか、あるいは警備会社のオーイングとか出されました。確かに契約とかは適正だったかもしれない。そこに、いわゆる契約上の問題というんですかね、入札の問題とか、そういうのはなかったかもしれない。しかしそれは、県のいわゆる土木工事の発注上問題がなかったというだけであって、全体の中でその業者を果たして優遇しなかったのかどうか、あるいはその警備会社を優遇しなかったのかどうか。あるいは全体の人権行政、先ほど言いましたように懇談会が持たれているわけですよ。毎年毎年、懇談会が持たれて、そこでいろんな要求が出される。それに対して県が動いているわけですから、事実上県の行政への働きかけと一体で森山氏との面会というのが行われてきたことは事実からいっても明らかではないですか。
 だから、そういうことをきちんと誠実に杉本知事には御答弁をいただきたいというように思います。もう一度お願いします。

◯副議長(小寺惣吉君) 知事杉本君。

◯知事(杉本達治君) まず、嶺南エネルギー・コーストの件についてお答えを申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたけれども、関西電力の今回の件については当然さまざまな形で、経産省に対してもしっかりと原因の究明とその後の対策についても指摘もしているところでございます。
 その上で、先ほども申し上げましたけれども、これは決して県の事業を関西電力にお願いするということではなくて、関西電力が嶺南地域で発電を行っているという事実、なおかつそうした地域にそれらを何らかの形で貢献していかなければいけないという状況の中で、委員として選ばれている、もしくは先ほど申し上げたように責任を果たす立場にあるということでございまして、当然、陰でこそこそ何をやるとかそういうことではなくて、表の場所でしっかりと議論をして必要なことについて役割を担っていただくことは大切なことだと、私は考えているところでございます。
 また、これまでのさまざまな問題、旅費の問題、最終処分場の問題、こういったこととの関連の件で、闇勢力との関係とかそういうようなこともおっしゃられましたけれども、本質的には先ほど申し上げたとおり、そういったことではなくて、今回は客員人権研究員をされていた森山氏から個人的な関係でいろいろと贈答が送られてきたことからものが始まっているというのは、今回の調査の中で明らかになっている部分でございます。
 確かに長年にわたって行われていた、そういったことを個人任せになっていたというところに大きな反省点があるというふうには考えておりますけれども、森山氏のところにいろいろ相談に行っている、そういう問題と、今回こうして我々が指摘を受けている、その不透明な関係と言われている部分というのは別のことであるというふうに私は考えておりまして、そういったところについては、先ほども申し上げましたけれどもしっかりと綱紀粛正、それから職員倫理規程の制定、さらには職員に対する研修等での徹底、こういったものも行いながら今回の事案については正してまいりたいというふうに考えているところでございます。


今日県議会開会、ガンバリマス‼️

2020年02月18日 | 福井県政

  昨日は山田市議や渡辺常任との街頭宣伝、会議や打ち合わせが続きました。

福井市内はうっすらと雪化粧。今日は県議会開会。福井新聞には私のコメントも。県民福井では駅前再開発などについて事業の必要性の説明責任を、と。まさにそこの説明責任が不十分で新幹線優先での推進、市民のコンセンサスは得られていないのです。

 

 

福井新聞より

 

 

 

県民福井より