県民福井「3月16日の開業を控える北陸新幹線敦賀駅(福井県敦賀市)で18日、新幹線から在来線特急に乗り換える乗客を想定した初のシミュレーションがあった。開業後、北陸方面と関西、中京方面を行き来する乗客は、すべて敦賀駅で乗り換えが必要となる。改札やエスカレーターが混雑し、乗り換え時間に間に合わない可能性が浮き彫りとなった」。
新幹線、敦賀駅での乗り換え問題。
子連れや高齢者の方々などは一層大変に
在来線特急全面廃止の弊害明らかに
私たちは特急存続を求めてきましたが、残念です。開業後の実状も踏まえた新たな対策の検討も必要になるかもしれませんね。
■ 中日新聞・・・北陸新幹線敦賀駅で乗り換えシミュレーション JR西日本社員ら1000人参加で課題浮き彫り
2024年1月18日 16時30分 (1月18日 23時22分更新)
3月16日の開業を控える北陸新幹線敦賀駅(福井県敦賀市)で18日、新幹線から在来線特急に乗り換える乗客を想定した初のシミュレーションがあった。開業後、北陸方面と関西、中京方面を行き来する乗客は、すべて敦賀駅で乗り換えが必要となる。改札やエスカレーターが混雑し、乗り換え時間に間に合わない可能性が浮き彫りとなった。
シミュレーションには約千人が参加。新幹線がほぼ満員の900人程度となる多客期を想定し、乗客役をJR西日本社員らが務め、スタッフ約100人が案内放送や改札業務のほか、車いす客や外国人観光客への対応などを確認した。駅舎は整備新幹線で日本一の高さ37メートルで、混雑状況やホーム間の距離の遠さから、乗り換えが円滑にできるかが懸念されていた。
3階ホームに停車した新幹線から、乗客役が一斉に下車。2階乗り換え改札は19通路あるが、ピーク時は激しく混雑した。改札から最も近い下りエスカレーターに人が集中し、滞留する様子も見られた。ダイヤ上の乗り換え時間は最短8分だが、1階特急ホームにたどり着くのに10分以上かかる人もいた。
JR西金沢支社の岡久資(ひさもと)副支社長は「想定より少し時間がかかった。改札付近が混雑したので、奥に誘導できるようにしたい」と振り返った。今後は参加者にアンケートを取り「結果を踏まえ、さらなる工夫を加えて開業を迎えたい」と述べた。
乗り換え8分、厳しいのでは
3月の北陸新幹線県内開業以降、北陸と関西、中京方面の乗り換えを一手に担う敦賀駅。乗り換え用にエスカレーター22基、エレベーター4基、改札は整備新幹線最多の19通路を備え、設備は申し分ない。18日のシミュレーションでは、ダイヤ上最短8分での乗り換えが厳しいという結果を突きつけられ、あと2カ月でどこを改善すればいいのか、大きな不安が残った。
午前11時55分、12両編成の新幹線のドアが一斉に開いた。乗客役が殺到した2階改札はまるで首都圏のような混雑となったが、ある程度は順調に乗客が流れていた。だが、1階ホーム両側に停車したサンダーバード12両、しらさぎ6両のドアが閉まったのは、午後0時7~8分だった。乗り換え最短想定の出発時間を、5分程度上回った計算だ。
問題は各階層間の移動にある。エスカレーター、エレベーターは一度に運べる人数に限りがあり、滞留が避けられない。昇降通路の数が多くても、構造上の限界を感じざるを得ない。
開業後は、ベビーカーの親子連れや目の不自由な乗客など、さらに多様な対応に追われる。乗り換え途中には2階トイレの混雑も予想される。JRの担当者の「全員が乗り換えるまで発車を待つことになる」と説明通りならば、多客期には遅延が常態化してしまうことになる。
巨大な駅舎を完成前から取材してきた記者としては、正直「これだけ設備を整えても無理なのか」とショックを受ける結果だった。駅舎の構造はもう変えられない。案内放送を工夫するなど、可能な限りの対策が求められる。
(林侑太郎)