『肉体マネジメント』(朝原宣治著、幻冬舎新書)を読む。
著者サイン本をゲット。というか買った本の裏表紙に本人にサインをしてもらった。
自身のアスリートとしての長年に渡るキャリアを振り返り、主要な大会の実績、トレーニング方法、その時々に感じたこと、そして引退後の思いが、詳しく綴られている。
冒頭、北京五輪4×100mリレーの予選から決勝、メダル獲得までのくだりは非常にリアルだった。「こんな過酷な精神状態で世界と戦ってきたんだなあ」と改めて感服する。
メディアでもよく報じられているが、筆者は2003年以降は、専属コーチを付けず、自分一人で練習メニューを考え、試行錯誤しながらトレーニングを続けてきた。
特に、印象深かったのは2点。
一つはまめにメモを取るということ。練習のときに思いついたことは常に書き留めておく。特によかったときの、理論や理屈では表しにくい「感覚的なこと」についてはメモして後で読み返し、「再現性」を高めるようにしているということ。
もう一つはレース前のメンタルコントロールについて。レース前にマイナス要素を考え始めたらキリがない。頭が凝り固まってくる。そんなときには、
「不安になっても、ならなくても、やることは同じだよ」
と頭を解放する役目を背負ったもう一人の自分を心の片隅に置いておく。「開き直るクセをつける」という表現を使っていた。
すでに世界のトップアスリートの一人であった筆者が、更なる高みを実現するために必要なものとは何だったのか。このレベルに達すると、その答えはどんな本にも書かれていない。どれだけgoogleやyahooで検索しても出てこない。あくまで己の中にある。そうして自分自身を実験台にしながら試行錯誤し、ついには内なる自分からオリジナルなメソッドを見つけ出し、オリンピックでの陸上短距離界における初のメダル獲得という偉業を成し遂げたのだ。
そこには「肉体」のマネジメントのみならず、「思考」と「精神」をもマネジメントしてきた筆者の絶え間ない精進が存在するのである。
著者サイン本をゲット。というか買った本の裏表紙に本人にサインをしてもらった。
自身のアスリートとしての長年に渡るキャリアを振り返り、主要な大会の実績、トレーニング方法、その時々に感じたこと、そして引退後の思いが、詳しく綴られている。
冒頭、北京五輪4×100mリレーの予選から決勝、メダル獲得までのくだりは非常にリアルだった。「こんな過酷な精神状態で世界と戦ってきたんだなあ」と改めて感服する。
メディアでもよく報じられているが、筆者は2003年以降は、専属コーチを付けず、自分一人で練習メニューを考え、試行錯誤しながらトレーニングを続けてきた。
特に、印象深かったのは2点。
一つはまめにメモを取るということ。練習のときに思いついたことは常に書き留めておく。特によかったときの、理論や理屈では表しにくい「感覚的なこと」についてはメモして後で読み返し、「再現性」を高めるようにしているということ。
もう一つはレース前のメンタルコントロールについて。レース前にマイナス要素を考え始めたらキリがない。頭が凝り固まってくる。そんなときには、
「不安になっても、ならなくても、やることは同じだよ」
と頭を解放する役目を背負ったもう一人の自分を心の片隅に置いておく。「開き直るクセをつける」という表現を使っていた。
すでに世界のトップアスリートの一人であった筆者が、更なる高みを実現するために必要なものとは何だったのか。このレベルに達すると、その答えはどんな本にも書かれていない。どれだけgoogleやyahooで検索しても出てこない。あくまで己の中にある。そうして自分自身を実験台にしながら試行錯誤し、ついには内なる自分からオリジナルなメソッドを見つけ出し、オリンピックでの陸上短距離界における初のメダル獲得という偉業を成し遂げたのだ。
そこには「肉体」のマネジメントのみならず、「思考」と「精神」をもマネジメントしてきた筆者の絶え間ない精進が存在するのである。