公演前の舞台。
今日、NHkホールで精鋭の上方落語を。
満員の500席。
一、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
成長著しい、喬若さん、師匠の三喬さん得意のどろぼうネタを。
遠く離れて顔の表情は見えにくいが、話しぶりの良さは
後方にまで伝わってくる。
見つかったら、「オヤッサンの別荘ヘ行くくだり」
祝いをもって行くと言うて、「カンナ屑を俵につめて」
「年よりに棺桶」、「ダイナマイト」のくだり。
「道具屋の前での二人のやりとり」・・どのシーンも
しっとりと演じられていて、それでいておかしさが滲みでる。
三喬師匠のまな弟子、ますますの精進期待しまっせ。
二、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・「こんにゃく問答」
居候が、住職の跡継ぎとして、坊さんに。
お経を・・・「いろはにほへと」に節をつけて、
「河内音頭」、「さすが沖縄出身の楽珍さん
最後には「沖縄民謡」にまでお経に。
なまくら坊主の雰囲気、ピッタリ。
せりふ回しも、師匠の文珍さんじこみか、
肩に力が入ることもなく、自然体。
でも、この噺こんにゃくと餅の違いはあるが「餅屋問答」と同じ。
一門によって、名が違うのか、江戸との違いか。
上方落語名鑑の上方噺100選には、「餅屋問答」ででているが。
どちらにしても、「無言での問答がメイン」。
「シュクリーム問答」、「バームクーヘン問答」でも出来そうだが。
顔の表情は、TVで確認致しましょう。
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・「餅つき」
これまた、通称「尻餅」。NHKだけに「尻餅」ではと
題まで替えたのか。米朝一門では、「餅つき」なのか。
まあ、年の瀬、近づく今からの季節にはぴったりの噺。
雀松さん、夫婦の仲の良さが全面に出て、気持ち良い仕上がり。
餅をつく音を、手で表現。餅をつくリズミに客席まで楽しくなる。
尻をだしている様を思いうかべると、下品になる噺を、
上品にまとめるのは、米朝一門のわざか。
でも、いつの時代も庶民の知恵とエネルギーは凄いですな。
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
はんなり、すっきり、くっきり。
最高の芸を、最高の出来で、最高の舞台で演じる。
さすが、プロ。・・・・・・・・・・・よろしかったですな。
お師匠さんの唄で、客席から思わず拍手が沸きました。
この「稽古屋」。笑福亭鶴二さんの、真髄を見ることができまっせ。
NHKホールヘ来られてない方、是非、
上方演芸ホール・来年1月18日(日)23時35分~
を、ご覧ください。
五、桂文珍・・・・・・・・・・・・・・・・「蔵丁稚」
この定吉、芝居好きとは、おませですな。
でもお腹へったと、幼い丁稚に戻る。
その落差が、この噺のおもしろさ。
文珍さんの、四段目のシーン、それほど本格というわけではなく、
演じている定吉の顔が見えかくれする。
あわてて、カルタトリのようなさま、
お父さんの病気のうそがばれてうろたえるさま、
三番蔵に入れられるまでの、導入部分が、
まさに、文珍さんワールド。
どんな噺も、自分の色に染めるのは、凄いですな。
第281回・NHK上方落語の会
2008年11月7日(金)6:30開演
NHK大阪ホール
一、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
二、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・「こんにゃく問答」
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・「餅つき」
中入り
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
五、桂文珍・・・・・・・・・・・・・・・・「蔵丁稚」
08-61
本日の収録分、放送予定。
◇上方演芸ホール
1月11日(日)23時35分~0時18分
・・笑福亭喬若・・・「へっつい盗人」
・・桂雀松・・・・・・・「餅つき」
1月18日(日)23時35分~0時18分
・・桂楽珍・・・・・・・「こんにゃく問答」
・・笑福亭鶴二・・・「稽古屋」
◇日本の話芸
12月16日(火)教育14時00分~14時30分
・・桂文珍・・・・・・・「蔵丁稚」
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