◇新年会は寄席で
昨日(1月20日(月))は、吾輩が参加している「障害者施設支援グループ」の新年会。
昨年は上野「黒門亭」(落語協会練成道場)。一昨年は「浅草演芸ホール」だった。半ば恒例化してきた。メンバーは10人いるが、今回はE女史が風邪で不参加で9人での新年会。
都内には常設の寄席は4個所ある。ここ上野鈴本演芸場、浅草演芸ホール、新宿末広亭と池袋演芸場である。「次は末広亭かな」常任幹事のK氏はつぶやいた。
「上野鈴本演芸場」は安政4年創設で150年という歴史がある。明治9年に創設者の鈴木さんの「鈴」と、別に設けられていた「軍談席本牧亭」の「本」をとって「鈴本」と名付けられたそうだ。
開館は12:00であるがすでに何人もの人が並んでいる。裕福そうな爺さんの団体さんが並んでいた。彼らは「別途ご案内」であったが、大振りのお弁当に500mlの缶ビールが配られていて、ちょっと羨ましかった。
団体さん集合 狛犬さん?も呵呵大笑 高校一年生みたいなお嬢さんが寄せ太鼓を
上野鈴本はかつて火災にあって改造されたと聞いたが、ウナギの寝床か京都の家並みのように間口は狭いが奥行きがある。入るとすぐにエスカレーターで3階に上がる。客席は縦長に一杯一杯取ってあるので売店を取ってあとは余地なし。飲み物は2階まで行って自販機で買う。トイレは4階まで階段を上がるか、本物のお年寄りはエレベーターで上がるしかない。お客さんは年寄りが多いから火災にでもなったら大変だ。
いよいよ開場ですぞ 公演中は撮ってはダメです 本日は楽日です。
木戸銭は大人2,800円だが、シニアは400円負けてくれる。お得意さんだからね。
早くから並んだ甲斐あって前の方の程よい所に位置取りできた。感心したのは、ここでは新幹線のように前の座席に小テーブルが付いていて、お弁当を使うのにまことに便利。ありがたい。
館内の自販機で買った冷たい「サッポロの黒生」でまず喉をうるおして、上野駅で買った「鯖寿司」を食べる。さらに紙パックの「淡麗・菊正」を楽しむ。
そのうち12:15から前座が一席おうかがいをと始める。これが結構イケ面で、噺家にしておくのがもったいないくらい。隣のミヨちゃんにちょうど似合いの感じだ。
番組は落語が5人、紙切り、三味線漫談、糸繰り(ニューマリオネット)、漫才、奇術とそれぞれ15分の出番でだが、大トリの馬風は30分しゃべる(実際は15分くらいかも)。
最近人気の柳家三三(さんざ)、橘家文左衛門などもよかった。落語は話の間合いとかしぐさが決まっているとなんとも満足する。
馬風はちょっと太りすぎた。話もそこそこに、やたら自作らしい歌を歌って、門下の若い連中に踊りを強要している(ように見える。特にまだ中三か高一かといった、いたいけなかわいい女の子にドリフのようなずっこけを平気でやらせている。親が見たら泣けてくるぜ、ほんとに。内弟子だからといってあんなドタバタをさせていいのか、と大いに悲憤慷慨した。)
大体付き合っている友達がいけない。ケーシー高峰だ。
こないだケーシー高峰が「絶対ガンで死なない方法を知ってるが聞きたいか。」というので「聞きたい。」といったら、「じゃ、1万円だせ。」と言うので1万円払ったら、「それはだ、絶対にガンで死なない方法は、ガンになる前に死ぬことだ。ガハハハハ・・・」なんて話をしてた。
どっちもどっちだぜ。
寄席がはねたら御徒町の「越後屋」に上がって、越後の銘酒(越乃寒梅、八海山、〆張り鶴、鶴の友など)の冷酒や燗酒を浴びるほど飲んで、「へぎそば」で締めるというのが新年会らしくていい。そこでちゃっかり本年度事業計画の変更案などを打ち合わせたりして、まことに抜かりがない。
5時から飲み始めるので、2時間もするといい加減出来上がってくるが、余り羽目をはずしてはいけない。次回の飲み会の際、奥様方が美しき眉を顰めながらもしぶしぶ軍資金をお出しになる、そんな頃合いを見計らってお開きにするというのも常任幹事のK氏の腕前である。
久しぶりに大笑いしたら、何となく寿命が延びた感じになった。
笑う門には福が来る。笑いは諸病を払う。学問的にも証明できるそうだ。年に数回
寄席で腹を抱えて笑うことは健康維持の秘訣ではないか。
世の奥様方は、旦那が「寄席に行ってくるよ。」などと言ったら、「寄席なんておよしなさいよ。今晩は御馳走で、お酒もいやというほど飲ませるから。」と止めるようになるに違いない。
(これ以上長生きされたらたまったもんじゃない。あたしの人生計画が狂っちゃう。)