◇ 小樽運河のビューポイント
団体旅行では行程のしかるべきビューポイントで集合写真を撮る。今はデジカメで撮るのでそ
の日の夕方ホテルなどに届く。1枚1,200円くらいなのだが、旅行慣れしている人はあまり関心
を示さないので40人いても注文する人はせいぜい4・5人。
小樽運河はそのビューポイントのひとつ。旅行会社と提携しているカメラマンが待ち構えていて、
写真を撮りたい団体が順番を待っていることもあり手際良くこなす。
さて、その小樽運河はというとさして規模が大きくないので、運河に面した倉庫群も少なく、荷揚
げしているはしけがいるわけでもなく、ものさびしい。
団体旅行中の絵は、描けそうで描けない。時間が少ないのだ。
ただ小樽では最終日ということもあり、オプションの積丹半島・神威岬に行く人以外は4時間の自
由散策となっているのでいくらかゆっくりと絵が描けた。
水面が寂しいなと思っているうちに、観光客を乗せた小船が通り抜けたので、写真に撮る暇もなく、
イメージをサッとスケッチした。
人気スポットなので運河沿いの遊歩道は結構人が行き交う。絵を描いている人もいた。
遠景の山は夜景観光で有名な函館山。テレビアンテナが立ち並ぶ。
maruman SM S31V H.P.surface
◇ 小樽北運河
小樽運河は全体で1.1キロほどで終わる。外れの400mくらいが北運河と呼ばれ、北海製缶の工場
がある。
吾輩が水彩画に掛かっている間、「私は一体どうしていればいいの」と、一応むくれてはみたものの、
心優しいわが妻はお昼の「うに・いくら丼」と小樽ビールが待っていることもあってか、持ってきた本を
ベンチで読みながら、おとなしく待っていてくれた(画面左奥に座っている)。
そんなわけでスケッチは出来ても彩色まではなかなかいかない。印象が薄れないうちに色を入れた。
maruman SM S31V H.P.surface
(以上この項終わり)
◇ 小樽市街地を散策
小樽市は平成10年に15.4万人あった人口が現在は12.8万人。
小樽築港地区に「小樽グランドパーク」というホテル・ショッピングセンターがあるが、
閑散としていた。
とはいうものの観光客入込み数はこの15年間ほとんど変わっていない。港町小樽
の人気は依然衰えてはいないようだ。
◇ 小樽運河
運河の規模は小さく、雰囲気もいまいちではあるがその周辺に歴史的建造物が立ち
並び、函館とはまた違った魅力がある。
北運河
◇ 北一硝子や六花亭など
明治時代のレンガ倉庫をショップにしたり、体験工場にした北一硝子や菓子の六花亭
土産物店・海鮮食堂などが立ち並ぶ運河通り。出抜横町が面白かった。
◇ 旧日銀小樽支店(金融資料館)
おたる日銀通りは「北のウォール街」と呼ばれた。日銀小樽支店をはじめ主だった金融機関
が踵を接して立ち並ぶ(今はかなりの建物がショップ・ホテルなどに変身)。
日銀支店の金庫室、一億円の紙幣パック、パレットに乗った一億円パックの山(小型トラック
1台分)などなどが展示されており、一億円持ち上げ実体験もさせてもらった。この歳では持っ
て逃げるとなると、もたもたしてすぐに御用になることが分かった。
建物は東京駅設計者の辰野金吾氏。
(以上この項終わり)
◇ 函館市内散策
NHK大河ドラマ「八重の桜」で登場する八重の夫新島襄は維新前夜アメリカに密航する。
元治元年(1864年)吉田松陰が密航を企て国禁を犯した罪で処刑されてから5年後のこ
とである。米商船で船出したのはここ函館の地で、そのポイントに記念碑が建っている。
出島状にある緑の島を結ぶ橋が新島橋。
相馬株式会社事務所は基坂の電車通り交差点に立つ歴史的建築物。1913年(大正3年)
建てられたルネサンス風西洋式切妻破風の木造建築で函館ランドマークのひとつ。
旧イギリス領事館(開港記念館)は1912年(大正2年)建てられ1934年まで領事館として
使われた。
◇ 洞爺湖展望台・京極ふき出し公園
洞爺湖展望台には韓国人・中国人・台湾人などの団体客が多かった。
周囲43キロの洞爺湖は幾分春霞にけぶり、穏やかな表情だった。
京極町のふき出し公園は、蝦夷富士・羊蹄山の伏流水が湧きだしている名泉である。
一年中6.5℃の湧水8万トンが町を潤しているという。
◇ 倶知安から小樽へ
羊蹄山を左に見て倶知安から赤井川国道で毛無山の羊腸を下り小樽に着いた。
山は春紅葉。春なのにセンノ木などの葉が紅葉のように見えて秋と見紛うほどである。
白樺の原生林が見事であるが、赤井川国道沿いはまだ雪が残っている。
(以上この項終わり)