読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ジェフリー・ディーヴァーの短編集を読む

2016年02月10日 | 読書

◇『クリスマス・プレゼント』(原題:Twisted) 
               著者:ジェフリー・ディーヴァー(JEFERY DEAVER)

                             訳者:池田 真紀子・土屋 晃・藤田 佳澄・森嶋 マリ 
               2005.12 文芸春秋社 刊 (文春文庫)

  

   J・ディーヴァーは好きな作家で、代表作『ボーン・コレクター』を初め、『コフィンダンサー』、
  『エンプティー・チェアー』、『悪魔の涙』など、数々の作品でひねりのきいたプロットやサスペ
  ンスフルな展開に、幾度血を沸かせたものか。
   解説者・三橋 暁氏によれば、短編には長編とはまた別の才能が必要だとよく言われる
  という。ミステリーの世界でも、長編と短編を器用に書き分ける作家はことのほか少なく、
  現役ではローレンス・ブロックやルース・レンデルなどほんの一握りしかいないそうである。

   というわけで、二刀流を巧みに使いこなすJ・ディーヴァーはこの短編集冒頭に書いてる
  通り、『アルフレッド・ヒッチコック・マガジン』、『エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン』
  などに読みふけり、中学校では作文の時間には決まって短編小説の腕試しをしたという。

   日本版の題名『クリスマス・プレゼント』は書き下ろしであるが、リンカーン・シリーズの中で
  唯一の短編小説である。この短編集の中で最大の目玉作品と思われるが、短編ながらリ
  ンカーンの推理の冴えが際立っている。蛇足ながらリンカーンはある事件で四肢麻痺に陥
  って、頭脳と声と指の一部しか使えない車椅子生活の中で、僅かな手掛かりを元にパート
  ナーの女性刑事アメリア・サックス、介護士のトムなどに指示を出しながら見事事件を解決
  に導く。
   今回は、DVの夫から逃れ一人娘を育てていた女性が突然行方不明のなったという訴え
  から話が始まる。外づらが良く、娘にだけは優しい元夫はよりを戻そうとしない元妻殺害を
  企てる。綿密な計画の下に仕組んだ失踪劇であったが、リンカーンは些細な言葉尻から
  元夫の嘘を見抜き、あわやの危機を回避させる。わずか60ページながら納得の小説であ
  る。

   『ジョナサンがいない』、『身代わり』、『三角関係』が面白かった。ほかに」『ウィークエン
  ダー』、『サービス料として』、『ビューティフル』、『見解』、『この世はすべてひとつの舞台』
  『釣り日和』、『ノクターン』、『被包含犯罪』、『宛名のないカード』、『超越した愛』、『パイン
  クリークの未亡人』がある。

                                            (以上この項終わり)

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スイートピーとチューリップ2

2016年02月05日 | 水彩画

◇ 家で描いたスイートピーとチューリップ
  教室ではその日描いたモチーフ(素材)は安値で欲しい人に頒ける。2か所に花瓶を置いて描くということで、
 かなり大量に花があったのでチューリップとスイートピーを買って家で描いてみた。
  スイートピーは花弁の周縁部の色が濃い。その特徴を少し強調してみようと縁の色を少し濃く してみた。
 花の特徴を出せばそれらしくなるかと思ったが、なぜかわざとらしくなってしまった(特に紫)。
  教室で使った画紙はクレスターの中目だったが、今度はアルシュの荒目。風景と違って花などはやはり中目
 か細目がいいかもしれない。 

  
    Arshes F6 (rough)
                                                        (以上この項終わり)

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スイートピーとチューリップ

2016年02月03日 | 水彩画

◇ 春の花を描く

   
    CLESTER F6

     露地物ではこの時期はまだ咲いていないはずであるが、店頭に並ぶのはハウス栽培なので
    今回の教室では色とりどりのスイートピーとチューリップを描くことになった。
    スイートピーは花弁に特徴があり、複雑なしわが寄っている。なので丁寧に描こうとすると途
    中で何を描いていたのか分からなくなったりする。また色を置く段階でどこがどの色か分から
    なくなってあわてたりする。花弁が薄く、上質のティッシュペーパーのような感覚で扱うと良い。
    色もあわあわとしていて、チューリップとは対照的である。
     背景色は花の爽やかさを引き立たせるように薄くした。

                                                       (以上この項終わり)

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