『會議は踊る』
---DER KONGRESS TANZT---
1931年(ドイツ)
監督:エリック・シャレル
出演: ヴィリー・フリッチ、リリアン・ハーヴェイ、コンラート・ファイト
トーキー初期のドイツ映画が面白い。ナチズムに染まる前の、いわゆるワイマール文化の燗熟を感じさせるからだが、とりわけオペレッタ映画に秀作が多く、中でも本作の楽しさときたら……。
ナポレオン失脚後の欧州の情勢に対処する1814年のウィーン会議が華やかな宴“レセプション”に明け暮れ“会議は踊る、されど進まず”と呼ばれた事実から、ロシアのアレクサンダー一世(ヴィリー・フリッチ)が替え玉を使って、公式行事と手袋屋の娘クリステルとのお忍びの恋を巧みにこなすのを軽妙にロマンチックに描く。
主題歌『ただ一度だけ』はどなたも聞き覚えがあるだろう。
娘に扮した可憐なリリアン・ハーヴェイはこれで一躍国際スターとなったが、第二次大戦勃発で母の祖国イギリスに渡り、そのまま引退してしまったかぐや姫みたいな人。
99年に95分の「ドイツ語完全版」がビデオ・リリースされた。
(allcinemaより)
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ナポレオン失脚後のウィーン会議、「会議は踊る、されど進まず」の言葉が示すように各国の利害が絡んで会議は進まなかったという史実から、あんな楽しい映画が生まれるなんて興味深いですよね。
ナポレオンがエルバ島を脱出し、パリに戻るというところで、各国の要人が蜂の巣をつついたように立ち去るシーンでは史実を実感も出来るシーンです。
ロシア皇帝アレクサンダーがお忍びで手袋屋の娘クリステルとデートした居酒屋で歌われた歌、素晴らしかったです。
こんなに楽しい映画だったとは思いませんでした。