■戦争の世紀に戻してはならない
ロシアのウクライナ侵攻から8か月、戦闘が依然として続く。一方で台湾有事への動きや米韓合同軍事演習に対する北朝鮮のミサイル発射と緊張感が続いている。これは米・中・ロのそれぞれの思惑の中で連関しあっている。
アメリカは、アフガニスタンから余儀なく撤退するという「敗戦」のイメージ回復のため、直接手を出さずウクライナへの大量の武器の供与とEU諸国へのエネルギー輸出を行っている。ロシアは中国、インドとの関係を強化し、ロシアのエネルギーや食料の輸出を増加させている。
米・中・ロが、それぞれの思惑の中で牽制しあい、地球をまるで碁盤の目の上で争うように武力による支配を目論んでいる。21世紀を戦争の世紀に戻してはならない。
■国連総会の機能強化を
第2次世界大戦後の国際平和の秩序は、戦勝国である国連安保理常任理事国(アメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランス)のうち1国でも反対すれば崩れれてしまうし、アメリカのアフガニスタンやイラクへの攻撃、ロシアのアフガニスタンやウクライナへの侵攻など、安保理常任理事国が戦争を始めれば止めることができない砂上の楼閣となっている。
「絶対悪」である戦争を止めるためには、国際世論を強化する以外にはなく、国連総会の決議への遵守を約束させるなど新たな国際平和秩序を構築するための努力を日本政府こそが、国際世論の構築に向け指導力を今こそ発揮すべきではないか。