リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2004年秋レオンハルト教会(3)

2004年12月04日 10時01分12秒 | 随想
 レオンハルト教会のオルガンはそんなに大きくはないが,歴史的な構造を持ったオルガンで大変音が澄んで美しいのが特徴だ。このオルガンは,バッハが弾いたオルガンも作った有名なゴットフリート・ジルバーマンの兄であるアンドレアス・ジルバーマンが18世紀に製作したオルガンで,1969年に修復されていると聞く。フランスに近い土地柄もあって,ストップ(音色を変える栓)の名前の多くがフランス語で書かれていて,音色自体も非常にフランス的色彩が強い楽器であると専門家はいう。バーゼル市内には,戦災にあっていないこともあってか,非常に沢山のオルガンが現存する。中にはバロック以前の時代とは異なるモダンなオルガンもあるが,レオンハルト教会のような歴史的なものもある。これでも他のヨーロッパの国,たとえばイタリアとかオランダなどと較べるとまだ少ない方だという。日本的感覚からすると,街の規模からすればおびただしい数だといってもよいと思うが。