リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

道中 (3)

2005年07月09日 16時11分38秒 | 日記
夜の11時にホテルを出まして、空港に。いくつかのチェックを通り搭乗ゲートで待ち、いよいよ改札です。無事改札も通り、二人で3台も楽器を持ち込むのは近年にない大成果を日本のみなさんに伝えなくてはと思いながら、休憩用の椅子に座ろうとしたら、

「ちょっと待ったぁ~」

と、怖そうなおばさんがやってきて、

「あんた、この楽器3台ともだめですよ。全部倉庫行き」
「えーっ、そ、そんな。倉庫に入れたら壊れちゃいますよ。それにS航空は何回も今まで使ってますが、そういうふうに言われたことは今まで一回もないですよ。現にチューリヒからここまでオーケーだったんですから」
「でもだめはだめです」

(中略)

「じゃ、上司を呼んでくださいよ」

ということで上司と交渉です。このおばさんよりは若い上司が向こうの方からやってきました。

「かくかくしかじか・・・」

(中略)

押したり引いたりの交渉の結果、落としどころとして、B777の上部ラゲッジ・スペースに入らないアーチ・リュートのみ泣く泣く壊れ物専用の倉庫にあずけることで妥協しました。もちろん弦はゆるめておきました。

このおばさん、メンツをつぶされたみたいで非常に不機嫌な顔をしていました。飛行機のキャビンに入り、バロック・リュートを真ん中の列のラゲッジ・スペースに入れようとしたら入らなかったのでちょっとあせりました。スッチー(客室乗務員)がそのことで連絡を取ったかキャビンでその話しを聞きつけたのかは分かりませんが、そのおばさんがまた登場。リベンジかと思いましたが、向かいの窓側のラゲッジ・スペースにはすんなりと入りましたので、すごすごと帰っていきました。ホッ。(笑)

後でラゲッジ・スペースの奥の方を見ましたら、寸法が書いてありました。窓側のは間口85センチで普通のバロック・リュートは楽に入りますが、通路側の方は間口75センチで惜しいところで入りません。B747ジャンボの場合はアーチ・リュートでも楽に入る大きなラゲッジ・スペースがあります。楽器を飛行機で運ぶことのある方は参考になさってください。