リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

オリジナル楽譜のすすめ

2005年08月05日 13時36分39秒 | 音楽系
娘が最近バッハにはまっていまして,先日もパルティータの楽譜を買ってきました。もちろんそんな難しい曲は弾けないんですけどね。(笑)
娘が買ってきたのは,音楽の友社版でした。でもパルティータはバッハの作品の中でも数少ない出版譜ですので,オリジナルでも非常にきれいで読みやすいです。現代譜は確かによりきれいで整理されていますが,実はいろんな個所に編集者の意見が入っていることが多いです。装飾記号一つにしても現代でよく使われているものに変更されています。

私はよくリュート愛好家の方にオリジナル楽譜を見るようにすすめるのですが,どうも敷居が高く見えるらしく,あまり自分から積極的にオリジナルを見るという人はいないようです。最近は現代版が多く出版されていますし,インターネットにもかなりの楽譜がアップされていますので,それらを見ればいいという意見もあるかもしれません。

プロが複数のオリジナル楽譜にあたり,自分のバージョンを持つのは当然でしょうが,私はアマチュアの方こそ,オリジナル楽譜を使ってほしいなと思っています。オリジナル楽譜はそれこそ宝の山です。その他からの山に分け入れば,きっと自分のミュージックライフが豊かになると思いますし,一生続けていく価値がある趣味になること請け合いです。それこそ,生涯学習のお手本みたいなものです。

オリジナルにあたるには2つの方法があります。一つはオリジナルのまま出版されているもの(ファクシミリ)を買う方法。もう一つはオリジナルをマイクロフィルムにとってもらい,それを買う方法。後者の場合は,オリジナルによってはコピーしてもらうことも可能です。オリジナルマイクロフィルムを買った場合は,さらにそれをプリントアウトし製本するという作業があります。

こう書いてくるといかにも敷居が高そうですね。(笑)英語も必要だし。でも幸いリュートは,昔の文献のガイド本があるんですよ!Ernst Pohlmann著のLaute, Theorbe, Chitaroneです。この本を見て,ヨーロッパやアメリカ各地の図書館に照会すれば,手に入らない楽譜はありません。もちろん資力のある方はファクシミリを買いまくるでもいいでしょう。

ここでは具体的な方法を書くスペースはありませんが,そのうちに私のサイトに「ガイド」を書いてみようかと思っています。でも,オリジナルが欲しくなっていてもたってもいられなくなった方は私にメイルを下さい。