音楽家の心意気という題で評論家の片山杜秀氏が今朝の日経新聞に寄稿されていました。
音楽家の心意気(日経新聞)
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片山氏は音楽評論のみならず政治や思想、歴史の分野でも活躍する方です。もう20数年以上前になりますが、ナクソス・ジャパンが日本作曲家選輯というシリーズを出したとき、非常に丹念な研究に基づいた解説を読み感銘を受けました。その時初めて執筆者である氏の名前を知りました。
このシリーズで橋本國彦という作曲家のオーケストラ作品を知って、戦前・戦中の作曲界でこのような素晴らしい楽曲を書ける人がいたということに驚くと同時に、戦前・戦中の日本は全ての文化は抑圧されていて見るべきものはないという考え方に毒されていた自分が分かりました。
今朝読んだ評論でも、日本のクラシック音楽の黎明期の音楽家やその関係者の経済的事情からはじまり、昨今の文化を支える社会的基盤経済的基盤に論をすすめとても読みごたえがありました。
ヨーロッパでも今も昔も、何らかの経済的基盤、社会的支援がなければ、オーケストラであれソリストであれ生きていけないという厳然たる事実があり、それは現代の日本でも同じです。
氏は「クラシック音楽を支える社会の裾野は縮小傾向にあると言わざるを得まい」と現状を憂え、「公共の理解を求め、援助を引き出し、富裕層にもアピールして、新たなる大パトロンを獲得できるか否か」が重要な鍵だと説きます。まさしくその通りです。コロナ禍が癒える兆しを見せ始めている今が正念場と言っていいと思います。文化を支えるのは一般の大衆、音楽家はもちろんそうですが、彼らだけでは実は力不足です。社会を引っ張ることができる立場の人、経済的にゆとりのある人の理解と支援を伴ってやっと実を結びます。この氏の評論が各分野の方がに広く読まれてほしいものです。
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片山氏は音楽評論のみならず政治や思想、歴史の分野でも活躍する方です。もう20数年以上前になりますが、ナクソス・ジャパンが日本作曲家選輯というシリーズを出したとき、非常に丹念な研究に基づいた解説を読み感銘を受けました。その時初めて執筆者である氏の名前を知りました。
このシリーズで橋本國彦という作曲家のオーケストラ作品を知って、戦前・戦中の作曲界でこのような素晴らしい楽曲を書ける人がいたということに驚くと同時に、戦前・戦中の日本は全ての文化は抑圧されていて見るべきものはないという考え方に毒されていた自分が分かりました。
今朝読んだ評論でも、日本のクラシック音楽の黎明期の音楽家やその関係者の経済的事情からはじまり、昨今の文化を支える社会的基盤経済的基盤に論をすすめとても読みごたえがありました。
ヨーロッパでも今も昔も、何らかの経済的基盤、社会的支援がなければ、オーケストラであれソリストであれ生きていけないという厳然たる事実があり、それは現代の日本でも同じです。
氏は「クラシック音楽を支える社会の裾野は縮小傾向にあると言わざるを得まい」と現状を憂え、「公共の理解を求め、援助を引き出し、富裕層にもアピールして、新たなる大パトロンを獲得できるか否か」が重要な鍵だと説きます。まさしくその通りです。コロナ禍が癒える兆しを見せ始めている今が正念場と言っていいと思います。文化を支えるのは一般の大衆、音楽家はもちろんそうですが、彼らだけでは実は力不足です。社会を引っ張ることができる立場の人、経済的にゆとりのある人の理解と支援を伴ってやっと実を結びます。この氏の評論が各分野の方がに広く読まれてほしいものです。