リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ブサール先生の教え(1)

2022年07月20日 16時53分38秒 | 音楽系
VARIETIE OF LUTE-lessons の邦訳版、イラレによるレイアウトがジャン=バティスト・ブサールの論文の終りまでできました。レイアウトは読みながらの作業になるわけですが、進めていくと400年以上前の人、日本でいうと戦国時代の人になりますが、であってもリュートに対する思いは同じであるとつくづく感じます。生きたブサール先生が本文の中から浮かび上がってくるようです。その彼の論文の中から今も全く100%通じるリュートに対する向き合い方、考え方、苦言などを書き出してみましょう。

「ただ私は皆さまの先生による実際のレッスンをやめさせようというつもりで本書を書いたつもりはありません。(皆様の先生による実際のレッスンはどんな書物より優れています)」
※(  )は原著の通りです。

今は(昔もそうでしょうけど)例えあの先生の悪口がここまで出かかっていたとしても、よその先生のことは悪く言わないというのが鉄則ですね。(笑)この辺りは別にリュートに限らずどの楽器でも同じでしょう。もっともあからさまに他の先生や同業の演奏家のことをけなす人がいるというのも事実でこれまた昔も今も変わっていないようです。基本的に人間関係とか社会構造とかいうものは昔も今もそんなに変わっていないのかも知れません。